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総合インフォメーション

  • 2012/09/07  (総合)
    2012年度夏期集中講義「災害ボランティア学」を実施しました
2012年8月10日~11日にTKK3大学連携プロジェクトのカリキュラムである神戸学院大学担当の夏期集中講義「災害ボランティア学」を実施いたしました。神戸学院大学から37名、工学院大学から12名、東北福祉大学から3名の学生が参加しました。今年度は東日本大震災の被災地である宮城県仙台市若林区内にある仮設住宅にて、夏祭りの開催や敷地内の草取り、集会所の清掃を行いました。

■8月10日(金)
 仙台で3大学が合流し、まずは被災地の現地視察として荒浜地区の慰霊碑に向かいました。慰霊碑では全員で黙とうを捧げ、津波で犠牲となった方々のご冥福をお祈りしました。その後、現地のボランティアの方から震災当時の様子や被害状況についてお話いただきました。


被害状況についてお話いただきました(左)荒浜地区の視察の様子(右)



視察の後、夏祭りの会場である卸町五丁目公園仮設住宅に移動し、夏祭りの準備を行いました。夏祭りでは演歌歌手やモンゴルの馬頭琴奏者、ジャズバンドによるステージや有志の学生が企画した「TKK横丁」、東北福祉大学の学生が企画した「さんあい体操」を披露しました。
「TKK横丁」では、たこ焼きや綿菓子、かき氷等の屋台を行いました。また、家庭用のたこ焼き機を使用して、セルフたこ焼きコーナーを設置し、学生が住民の方と話をしながら一緒にたこ焼きを作れる場を設けました。たこ焼きを家庭で作ったことがない方も多く、神戸学院大学の学生が中心となって、たこ焼きの回し方などを指導しながら懇談しました。


セルフたこ焼きコーナー(左)学生が丹精込めて焼いたたこ焼きも好評でした(右)



東北福祉大学の学生が企画した「さんあい体操」は災害発生時、避難所などで満足に身体を動かすことができなくなり、エコノミークラス症候群を防止するために考案された体操です。東北福祉大学の学生たちは、はじめステージに立つことを不安に感じていましたが、工学院大学と神戸学院大学の学生と練習するうちに、不安な気持ちが取り除かれたようでした。「さんあい体操」は好評で、会場が一体になることができました。


住民の方も一緒に体操をしました(左)ステージで披露した3大学の学生(右)


 お祭りの終盤には、住民からお礼として仙台の伝統芸能「すずめ踊り」が披露されました。思いがけない住民からのサプライズで学生も「夏祭りをやってよかった」と思ったようです。最後のトリとして、学生が企画した「ビンゴ大会」を実施しました。大会の途中に日が落ちてしまいましたが、多くの住民の方に最後まで残っていただき、ビンゴ大会を楽しんでもらうことができました。


■8月11日(土)
活動2日目は卸町五丁目仮設住宅と卸町東仮設住宅の2か所に分かれて、敷地内の草取りや集会所の清掃を行いました。集会所の清掃は町内会の方に指示をいただきながら、普段はできない重い荷物の運搬などをお手伝いさせていただきました。また、草取りでは住民の方も一緒に作業を行いながらお話することができました。


集会所の清掃のお手伝い



住民の方と話しながら草取り(左)住民の方と最後に記念撮影(右)


午前中に清掃活動は終了し、蒲町コミュニティセンターにて振り返りを行いました。振り返りでは、①活動を振り返って、どんな話を聞いたのか、活動を通じてどんなことを感じたのか、②これまでの活動に点数をつけるなら何点?またその理由は?という2つのテーマについて班の中で共有しました。
振り返りでは、「夏祭りの住民の方が来てくれるかな、という不安があったが、時間が経つに連れて多くの方に来てもらえてとてもうれしかった。」「今回の活動を通してたくさんの方が笑顔になってくれた。こうした活動は1人ではできない。大人数でやる意味があったと思う。」という感想が出た一方で、「夏祭りの作業で必死になりすぎて、ゆっくりと住民の方とお話できなかったのが残念。」といった反省の声も聞かれました。


振り返りの様子


 学生が振り返りで発表していたなかに「全員に行き渡るような支援は難しいが、目に見えない方たちのことも考えて、これからの防災・社会貢献を考えていきたいと思う」という意見がありました。今回のボランティア活動を通じて、1年半経過した被災地への支援活動の在り方について考えるきっかけになったようです。