神戸学院大学

社会連携

箏曲の演奏会が開催されました

2019/06/10

三味線の名手として知られる八橋検校作の「六段」の演奏。舞台には、赤い毛氈がひかれた上に箏と三味線が準備されました
三味線の名手として知られる八橋検校作の「六段」の演奏。舞台には、赤い毛氈がひかれた上に箏と三味線が準備されました
箏、尺八、唄で演奏された、吉沢検校の「千鳥の曲」
箏、尺八、唄で演奏された、吉沢検校の「千鳥の曲」

グリーンフェスティバル「箏曲演奏会~古典「六段」から現代まで~」が1日、有瀬キャンパスのメモリアルホールで開催されました。

人文学部の宇野文夫教授の説明の後、江戸時代初期に「箏曲」を確立した、八橋検校作「六段」で演奏会の幕が上がりました。三面の箏と六棹の三味線によるこの曲は、最も広く知られる箏曲の一つです。二曲目に演奏された「千鳥の曲」は、幕末に活躍した盲目の音楽家、吉沢検校が作曲した近世邦楽における代表曲の一つとして親しまれているものです。前半最後の曲は、正月をイメージする代表的な「春の海」が演奏されました。

後半に演奏された「三つのエスキス」は、全三曲から構成され、順に、遅く、中庸に、やや速く、とリズムを変えて演奏されるのが特徴です。次に演奏された、箏と尺八による「協奏的二重奏」は、拍子も一定のリズムの拍も無い、ゆったりした自由な様式の部分が存在しますが、リズムの際立つ快速の部分もあり、曲想の変化が楽しめる1曲。最後は八面の箏による「アルマの雲」で締めくくられました。箏曲としては大変珍しい、指で弦をはじくピチカート奏法のみで演奏される曲で二つのパートに分かれ、互いのフレーズが少しずつ変化し、最後にはまたぴったりと重なり合って終わり、短い断片が反復されていく特色があります。

来場者は「楽しい時を過ごせた」、「伝統的な曲から現代の曲まで聴けて良かった」、「プレ・イヴェントがあったことでさらに楽しめた」とそれぞれ話していました。