神戸学院大学

社会連携

TKK3大学連携プロジェクト「東日本大震災から10年 未来へ思いを紡ぐ大学生プロジェクト」がスタートしました

2021/03/19

未来へ思いを紡ぐ大学生プロジェクトがいよいよスタート
未来へ思いを紡ぐ大学生プロジェクトがいよいよスタート
TKK3大学協力の歩みも紹介
TKK3大学協力の歩みも紹介
宮城県女川町に移住した合田七海さん
宮城県女川町に移住した合田七海さん
宮城県東松島市あおい地区の復興・街づくりについて語る小野竹一・地区会長
宮城県東松島市あおい地区の復興・街づくりについて語る小野竹一・地区会長

TKK3大学連携プロジェクトとして「東日本大震災から10年 未来へ思いを紡ぐ大学生プロジェクト」のキックオフミーティングが3月12日にオンラインで実施され、11大学から計約80人が参加しました。東日本大震災から10年がたったことを機に、これまで個々に行われていた被災地支援活動を結び付け、大学生の視点を活(い)かした新たな防災・減災事業のプラットフォームの場となる企画です。

■東日本大震災から10年……しかし決して風化させない
キックオフミーティングでは、「TKK3大学から東北に寄せる想い」として、TKK3大学の各センター長からのメッセージがありました。続いて「10年の歩みと。これからの歩み――復興庁と若者の思い」をテーマに総務省電気通信技術システム課(元復興庁出向)職員の石原浩樹さん▽本学現代社会学部社会防災学科を2017年度に卒業した合田七海さん▽復興庁ボランティア・公益的民間連携班の猿田達彦さんによる特別講演がありました。

■社会防災学科卒業生が被災地の女川町移住体験を報告
中でも大阪出身の合田さんは卒業式の後に東日本大震災で大きな揺れを経験しました。この経験から防災を学びたいと社会防災学科に入学し、在学中は学生グループ「防災女子」や学生消防団に所属、被災地へのボランティア派遣に何度も参加しました。復興支援ボランティアで訪れた宮城県石巻市で知り合った人から故郷を案内されたことが地震と津波で大きな被害を受けた同県女川町との出合いでした。

「最初は何もなくてぼう然としました。やがて商店街ができ、来るたびに街が出来上がっていく姿を見て私も街づくりの一員になりたいと思って」と、2年前に「お試し移住」を経て移住しました。今は、飲食店などで働きながら住民の皆さんに溶け込み、街づくりについての地域の話し合いにも参加しています。誘われて女川町消防団初の女性団員にもなりました。「お試し移住の制度は現在中断していますが、1カ月間、女川町での生活を体験できます。私も最初は不安でしたが、皆さん温かく、今では不安も消えました」と話しました。

■「若い皆さんはぜひ被災地を訪れ、地域の人に寄り添って」
続いて、震災語り部として活動する宮城県東松島市あおい地区会の小野竹一会長が講師を務め、取り組んできた街づくりの様子を語りました。地区を担う若い世代に将来設計を任せるために「60歳以上は口を出すな」との方針を貫いています。公園にしても同じものを複数作る行政のやり方とは異なり、特徴と個性のある別々のものを設計し、建設していると話しました。

最後に6グループに分かれて学生交流がありました。「東日本大震災から10年は通過点にすぎず、一区切りとは言いたくない」との声が多く、「経験を伝える機会が必要だ」「被災者に寄り添い傾聴する必要がある」などの意見が出ました。「建物の復興は進んだが心のケアはまだこれから」という感想も多く聞かれました。

小野会長と元東松島市地域おこし協力隊員の櫻谷ひとみさんがコメンテーターを務め、2人からは「地域の人と寄り添うことで、自然と被災者の話を傾聴する場面になります」「地域の人は若い人と話すことを喜び、子どもも若い人ならとっつきやすい。ぜひ被災地を訪ねて現地の人と話してみてほしい」と、助言いただきました。