神戸学院大学

社会連携

第84回神戸学院大学土曜公開講座が始まりました

2022/10/12

講演する小松教授
講演する小松教授
旧ジョネス邸の説明をする小松教授
旧ジョネス邸の説明をする小松教授

第84回神戸学院大学土曜公開講座がポートアイランド第1キャンパスで始まりました。2022年度秋期のテーマは「私たちのくらしと文化」です。法学部と人文学部の教員による6回の講義を予定しています。

第1回目は10月8日、法学部の小松昭人教授が「昭和前期、神戸の弁護士は企業活動をどのように支えたかー本学所蔵『山田作之助関係資料』を手がかりとしてー」と題し、約70人の受講者が聴講しました。

初めに小松教授は、裁判官から弁護士に転じた後、最高裁判所判事になった山田作之助の生涯や仕事ぶりを、当時の写真や関係資料を織り交ぜながら話しました。

作之助が居住していた塩屋の地域住民の有志が「旧ジョネス邸を次代に引き継ぐ会」を結成し、地域を象徴する歴史的建築物として保存運動を起こしました。その後同会より正式に資料の寄贈を受け、山田作之助関係資料は本学が所蔵することになった経緯を紹介しました。

続いて川崎造船所での失権株式競売不足金事件や兵庫県農工銀行事件などを通して作之助の仕事ぶりを解説。「弁護に関する書類は守秘義務の観点から残っているのは極めて稀のため価値がある」と述べました。

最後に小松教授は「大局を重んじる晩年の作之助の案件処理は、青壮年期の緻密かつ精力的な案件処理を通じて培われたものと考えられる」と締めくくりました。

受講者からは、「企業弁護士の活動を通して、神戸の歴史が感じられた」「山田作之助という人物を知ることができて面白かった」「弁護士という仕事の一端を聞くことができた」「旧ジョネス邸の経緯が知れてよかった」など多くの感想が寄せられました。

次回は10月15日、法学部の春日勉教授による「わたしたちのくらしと薬物依存‐国の政策と効果的な支援の在り方についてー」です。