神戸学院大学

社会連携

土曜公開講座「人類進化の視点から私たちのくらしと文化を考える」を開催しました

2022/11/02

講義冒頭の様子
講義冒頭の様子
宇宙の誕生の説明をする早木教授
宇宙の誕生の説明をする早木教授
講演する早木教授
講演する早木教授
宇宙の誕生の説明画面
宇宙の誕生の説明画面

第84回神戸学院大学土曜公開講座を10月29日にポートアイランド第1キャンパスで開催しました。第4回目となる今回は、人文学部の早木仁成教授が登壇し、「人類進化の視点から私たちのくらしと文化を考える」と題し、約100人の受講者が聴講しました。

まず早木教授は、138億年前に宇宙が誕生し、46億年前には太陽系・地球が誕生した後、目に見えない生物の誕生から目に見える生物への進化後、6600万年前に霊長類(サルの仲間)が誕生したと紹介しました。

霊長類であるニホンザルとヒトは顔や手が似ており、ヒトが手を自由に使うことができるのは、サルの仲間として進化してきたからであると説きました。

次に700万年前には猿人が出現し、二足歩行により道具を運び移動がしやすくなった一方、脊柱のゆがみによる腰痛や、難産になりやすくなったと語りました。

さらに180万年前のホモ属、100万年前のジャワ原人の出現などを紹介し、この時代に脳が増大したのは、狩猟による肉食の常習化によるもので、二足歩行が常習的な狩猟を可能にしたと説明しました。
脳の増大により頭が大きくなったホモ属は難産になりましたが、その対処法として出産時の手助けや、集団育児など社会のステップアップにつながったと説きました。

その後、20万年前には、ホモ・サピエンスがアフリカに出現し世界に拡散し、世界中の現代人はすべてホモ・サピエンスになりました。ホモ・サピエンスには「言語」があり、見知らぬ人同士が協力できるようになった結果、紀元前1万年頃より、農耕革命、食料生産革命、新石器革命につながったと解説しました。

最後に早木教授は、「現代の人々が近代的な生活を享受しながらもキャンプファイヤーの火や自然に癒されるのは、心や身体は狩猟採集民のままであるからである。過去の出来事の蓄積の上に、私たちの今が成り立ち、未来の歴史を作り出す」と締めくくりました。

受講者からは、「宇宙の誕生から人類の進化まで大変興味深かった」「生物に興味が沸いた。ホモ・サピエンスをさらに勉強したい」「今後の人生を見直すよいきっかけになりました」など多く感動と感想が寄せられました。

次回の第5回目は、11月12日開催の人文学部の森栗茂一進授による「震災と地蔵と長屋の歴史民俗学」です。