Episode.8

チームで成し遂げる喜びを
企業連携プロジェクトで知った。
経営学部 4年次生 ※2021年取材時 川田 開貴さん

企業の課題解決に挑む。
成長できる絶好のチャンスに
僕はリーダーに立候補した。

僕は高校生の時、大学に入って何を学ぼうか悩んでいた。将来やりたいことや、なりたいものを見つけられていなかった。「座学だけでなく、いろんな経験ができて楽しそう。自分の興味の幅も広がるかもしれない。」神戸学院大学の経営学部を選んだのは、単純な理由だった。企業と連携したプロジェクトに参加できると2年次生の時に知ってから、ゼミでの授業を待ちわびていた。だからこそ積極的にアクティブ・ラーニングに取り組んでいる田中ゼミを選んだ。僕たちがともにプロジェクトに取り組むことになった企業は、カーディーラーのネッツトヨタ神戸。リアルな経営の課題に挑戦できる。このプロジェクトをやり遂げたら、もっと成長できるかもしれない。これから始まるプロジェクトに胸は躍ったし、期待が膨らんだ。僕たちのチームが考えることになった課題は「若者の車離れ」についてだった。せっかくの実践のチャンス。僕は思い切ってチームのリーダーに立候補した。僕自身は車好きだったから、若者の車離れがこんなにも深刻な状況だとは知らなかったし、プロジェクトが始まるまではあまり考えたこともなかった。どうすれば、車に興味のない若者の心を動かせるのか、全く見当もつかなかった。しかも、僕がまとめる13人のメンバーは、たまたま選んだテーマが同じだったというだけのチーム。コロナ禍でオンラインとのハイブリッドの授業環境で、どうやって協力し、課題に立ち向かっていけばいいのか。メンバー同士で遠慮せずに意見を出しやすい環境作り。まずはそこから考えた。

意見が飛び交うチームを作る。
そのための秘策がSNSだった。

僕が最初に試みたのはSNSの活用だった。なかなか会って話すこともできないのでチャットグループを作って、何気ない意見や疑問を気軽に共有できるようにした。それでも、最初から意見が積極的に出てきたわけじゃない。「意見はない?」「何かアイデアは思い付いた?」何度か僕自身がきっかけを作ることで、メンバーからの意見も少しずつ増えていき、1人、2人と連鎖は広がり、気付けば全員のアイデアでチャット内はあふれていた。ようやく、一つのチームとして動き出せた気がした。そんな中、最初に提案したのはディーラーでのゲーム大会。この企画なら若者は集まってくれるはず。だけど、担当者の反応は予想とは違った。「その場に人を集めるだけでは意味がない。少なくとも車への興味関心につなげる必要がある」。「若者を集めればいい」と僕たちは安易に考えていたが、企業で企画を実施するには、実施した先のことまで考える必要があると思い知らされた。それから僕はネッツトヨタ神戸の担当者と密にコミュニケーションを取り始めた。チームで出た企画はすぐにメールで伝えて、方向性が正しいのかどうかを確認した。企業の考え方や思いを少しでも吸収して、「チームの企画をなんとか形にしたい」。とにかく僕は必死だった。

女子メンバーからの発案で、
チームの企画は急速に動き始めた。

アイデアはいくつも出てきたが、何が実現可能で、より効果を上げられるのか。僕たちのチームは悩み続けた。「マスコットキャラクターを使うなんてどうかな」。そんな時、立ち止まっていたチームを動かしたのは、女子メンバーからの一言だった。調べてみると、ネッツトヨタ神戸にはマスコットキャラクターがいるのにSNSでも、イベントでも見当たらない。これは活用できるかもしれない。この一言を機に、他のメンバーからも次々とアイデアが生まれていった。「ディーラーでイベントがあるんだから、その時にマスコットと一緒に写真を撮るのはどうだろう」。「それなら、SNSに上げることで若者も見てくれて、興味を持つキッカケになるかも」。チャットグループを通じて、チームの活性化を試みた成果が現れた瞬間だった。そこからさらにチームは盛り上がり、それぞれの得意分野を生かしながら最終のプレゼンに向けて、全員で準備を進めた。プレゼン当日、やり残したことは何もないと自信を持って臨むことができた。そして、プレゼンから数日後、担当者から届いた一通のメール。緊張で震える手で、恐る恐る本文を読み進めていくと、僕たちの提案からマスコットキャラクターの活用、カフェへのWi-Fi設置、インスタバナー作成の三つがすぐに実施可能なものとして採用されていた。「提案が採用された!!!!」。興奮しながら、メンバーにメッセージを送ったのを覚えている。チームで一つの目標に向けて一緒に考え、実現できた達成感はこれまで味わったことのない経験と喜びを僕にくれた。

僕一人ならできなかったことも、
チーム13人とだから達成できた。

期待と不安が入り混じった状態でスタートしたネッツトヨタ神戸との連携プロジェクトだったけれど、今振り返ると、本当に楽しかったし、身を持って知ったことがたくさんある。その一つが、ビジネス視点だ。最初、若者の車離れについて考え、提案した自信満々だった企画も、担当者からすれば、到底採用できるような企画にはなっていなかった。会社の売上になるのか、どれくらいの経費がかかるのか、実現性は高いのか。きっとこれ以上のことを、担当者は瞬時に判断し、アドバイスをくれた。その時の僕はそこまで考えがおよんでいなかった。ビジネスの厳しさをつきつけられたように感じた。けれど、そのことに気付けたことでその後の企画を考える時にビジネスの視点を意識できたと思う。そしてもう一つが、チームでプロジェクトを進めていく面白さだ。1人だとアイデアにも限界がある。13人で考えることで、さまざまな視点があり、アイデアもどんどんあふれてくることに気付いた。もし、メンバーがいなければ、マスコットキャラクターとSNSを絡めた企画なんて、僕が思い付くはずもなかったし、提案が採用されることだってなかったかもしれない。メンバーと同じ目標を持ち、ともに考え、協力し合うことで、自分の視野がこんなにも広がっていくんだとプロジェクトを通して発見することができた。神戸学院大学には、座学での学びだけじゃなくて、企業の現場に入り込み、そこに横たわる課題について実践的に考えるプログラムがたくさん用意されている。やりたいことが見つからなかった僕でも、大学に入ってから変わることができた。自ら行動することで、自分を変えるチャンスがごろごろ転がっている。人を引っ張っていく力、成功に向けて行動する力、チームのことを考える力。そのどれもが、プロジェクトを経験できたからこそ身についた力だと、強く思う。

Episode.7 経営学部 
教授 
プロジェクトを成功させたいという、
強い思いが彼を成長させた。

川田くんと出会ったのは、彼が私のゼミに入る前、学部表彰の授賞式でした。奨励賞を受賞する川田くんを見て、「真面目でコツコツ頑張る学生なんだろうな」と思ったのを覚えています。私のゼミで実施したネッツトヨタ神戸との連携プロジェクトで、「若者の車離れ」の課題にチームで取り組む時も、最初の印象どおり、率先してリーダーとなり、メンバーをまとめ、実直に行動してくれました。新型コロナウイルスの影響でチームワークが取りづらい時期でも、SNSのチャットグループを活用することで、メンバー同士が意見を出しやすい環境を作っていました。私が指示しなくても、リーダーとしての役割をしっかりと果たしてくれました。ネッツトヨタ神戸の担当者とも、プロジェクトの進捗や企画の内容を連絡し、どんどん積極的にコミュニケーションを取るようになっていきました。企業の考え方を学ぼうと自主的に意見を求め、きちんと理解し、それをチームの企画作りに生かす行動ができたからこそ、企業に採用され、実施後、すぐに効果をあげるような提案ができたのだと思います。彼はこのプロジェクトを通して、社会で活躍するために必要なジェネリックスキルを身につけ、リーダーとしても成長したと感じています。

成長の証言2 経営学部
ゼミ プロジェクトメンバー
チームを第一に考えた彼の行動が、
メンバーの心を動かした。

初対面のメンバー13人のチームで、リーダーなんて大変だろうな。僕なら戸惑ってしまう役目も、川田くんは率先して務めてくれました。でも見ず知らずのメンバー同士だから、発言する人としない人の差が激しくて、彼も悩んでいました。そんな状況を解消するために、彼は常にチームのために行動してくれました。SNSでチャットグループを作って、メンバー間で意見を出しやすい環境を作り、誰からも意見が出ない時は、自分から口火を切って発言してくれました。彼がメンバーの話を肯定的に聞いてくれることで、全員が意見を言いやすい雰囲気になっていったと思います。他にも企業の担当者とも密に連絡を取り、もらったアドバイスはすぐに共有してくれたので、僕たちメンバーはいつも共通の課題を認識しながらプロジェクトを進めることができました。「このチームで成功したい」と本気で考えて行動してくれる彼に感化されて、メンバー全員が主体的に取り組むチームになっていきました。いつでも前向きな彼の行動はチームの意識や絆を深め、彼自身の成長にもつながったように僕は感じています。

川田 開貴さんの
My Experiences

※企業連携プロジェクト

神戸学院大学では、兵庫・神戸の企業・団体等と連携したプロジェクトやイベントの企画、実施を体験できるアクティブ・ラーニングに力を入れています。キャンパスを飛び出して、自分の目で、さまざまな課題に触れて、考えて、形にしていく経験により、社会に出た時に生かせる実践力を高めます。

TOPに戻る