神戸学院大学

異業種交流組織「毎日21世紀フォーラム」で経済学部の岡部教授が講演しました

2022/07/05

講演する岡部教授
講演する岡部教授
岡部教授の講演を聴く参加者ら
岡部教授の講演を聴く参加者ら

異業種交流組織「毎日21世紀フォーラム」の例会が6月30日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナルで開かれ、国際交流センター所長の岡部芳彦経済学部教授(ウクライナ研究会会長)が「本当のウクライナを知る、考える」の演題で出席者約180人に講演しました。

岡部教授は2014年、ロシアが武力でクリミアを占領し、「併合」を宣言してから戦争状態は8年間、ずっと続いているというウクライナ側の見方を紹介しました。戦争の原因の一つは「ウクライナの非ナチ化が必要」などという「プーチン大統領の妄想の歴史観」であり、大統領が「裸の王様」になっていることだと述べました。「ウクライナはロシアの中にしか存在しない」(ロシアの宗教哲学者、イワン・イリインの言葉)との考えに固執している点も指摘しました。

ロシアの領土にウクライナを取り込もうとするさらなる理由としては、「東欧のシリコンバレー」「知られざるIT大国」と言われる同国の高い産業技術力があることも挙げました。

会場から、長引く戦争で「日本の企業への影響は?」との質問があり、「日本の進出企業は比較的に多いものの現状では大きな影響はないと見ています。日本への食料輸入でも、小麦は北米からの輸入が主です。ただ、北米のウエートがさらに高くなることは考えられます」と岡部教授は答えました。

戦争終結の時期については「残念ながら見通せません」と述べました。しかし、終戦後の復興については「東ウクライナの復興について日本の果たす役割は大きいはず。病院などのインフラ整備が考えられます」と、日本の政府や企業への期待を示しました。

講演の詳報は7月16日(土)の毎日新聞夕刊に掲載予定です。