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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/10 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
災害臨床心理学/Clinical Psychology of Disasters
授業コード
/Class Code
BA01451001
ナンバリングコード
/Numbering Code
SDMg005
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
現代社会学部/Contemporary Social Studies
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
金3(後期)/FRI3(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
稲田 靖子/INADA YASUKO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
稲田 靖子/INADA YASUKO 現代社会学部/Contemporary Social Studies
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義、演習)
授業の目的
/Class Purpose
本科目は社会防災学科のDP2(思考力・判断力・表現力等の能力)に関連する科目である。
この授業の具体的な目標は、①被災体験の後で人々の心にどのような変化が起こるのか、②その心の変化から人々はどのようにして回復するのか、を明らかにし、心の専門家ではない立場でも可能な災害後の心理支援の方法を学び、初歩的な心理支援を実践できる技術を習得することである。
授業の担当者は、臨床心理士、公認心理師の資格を有しており、NPO法人、児童養護施設、教育相談機関、病院などで実務経験のある教員である。
到 達 目 標
/Class Objectives
災害が発生した後の心の変化について理解することができる。
災害後に傷ついた心の回復のプロセスについて理解することができる。
専門家以外でもできる心理支援の方法(傾聴、リラクセーション法、など)を習得することができる。
授業のキーワード
/Keywords
・災害後の心の変化 ・こころのケア ・被災体験 ・心の回復プロセス
・PTSD ・トラウマカウンセリング ・リラクセーション
・ストレスチェックリスト
授業の進め方
/Method of Instruction
講義に加え、ロールプレイなど、学生自身が考えていく実習やワークを取り入れながら授業を進める。受講生に自発的な発言を求めて、双方向の授業を重視します。
履修するにあたって
/Instruction to Students
・主体的な参加を求めます。
・状況により、授業内容や日程を変更する場合があります。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
・災害に関する報道などに関心を持ち、詳細に確認するようにしてください。
・授業の内容を整理して、理解が不十分であると感じた事項は、教員に質問してください。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
中間レポート(1200字程度)。
最終レポート、複数課題(あわせて2000字程度)。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
災害後の心の変化、また回復過程について、基礎的な知識が身についているか。
災害後の心理的な援助を行うための初歩的な技術が習得できているか。
被災者に対する共感的な態度が見についているか。 を評価します。
テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 ガイダンス
語ることの練習
自分のことを知る
・言葉ではない表現について、言葉で語る。
・描画による心理テストを用いて自分の性格や隠された不安を知る。
2 2 災害後の心の変化について① ・ストレスについて考える。
・様々の自然災害の映像を見ながら、災害後どのようなストレスを感じるのかについて想像する。
・記憶について考える。
・災害後のストレスについて分類する。
3 3 災害後の心の変化について② ・恐怖の反応について
・とても怖いことを体験した後の心の変化
・そのような変化からの回復
・回復が妨げられるときとその支援
4 4 ロールプレイの練習 ・様々な役割を演じながら、その時の気持ちを考える。
・ディスカッションを通して、どのような声掛けが適切か考える。
5 5 リラクセーションの実習 ・呼吸法の練習
・漸進性弛緩法の練習
・自律訓練法の体験
・相手にリラクセーションやマッサージをしてもらう練習
6 6 災害後の心の変化について③ ・喪失の反応について
・喪失体験のロールプレイ
・喪失を体験したときの心の変化とそのプロセスを考える。
・喪失体験から回復するには何が必要かを考える。
・モーニングワークについて知る。
・喪失体験をした人に対する適切な支援について考える。
・日常の生活ストレスについて
・災害後の日常生活ではどのようなストレスが考えられるだろうか?
・ストレスを緩和する方法を考えよう。
・避難所や仮設住宅でのいろいろなイベントを考えよう。
7 7 被災地支援の実際① ・ゲストスピーカーより、被災地での支援活動事例を聞き、学ぶ
8 8 被災地支援の実際② ・ゲストスピーカーより、被災地での支援活動事例を聞き、学ぶ
9 9 災害後の様々なストレスから回復できなかったときの病態について ・PTSDについて知る。
・PTSDについて、事例を通じて知る。
・PTSDの脳科学的な背景について知る。
10 10 スクリーニングのためのストレスチェックリスト
カウンセリングの基礎について
受容的、共感的な傾聴スタイル
・ストレスチェックリストを受けてみる。
・チェックリストの採点、判定について知る。
・チェックリストの実施の仕方を実習する。
・学校で子供たちにストレスチェックを行うための授業を組み立てる練習
・チェックリスト高得点の事例を通してトラウマについて考える。
・カウンセリングのロールプレイを練習する。
・トラウマ体験の傾聴を練習する。
11 11 災害後のこころのケアのプロセス① ・初期の援助、中・長期の援助の違いについて知る。
・初期の援助の方法を身に付ける
・初期の援助の基礎となるストレスマネージメントの方法を知る。
・心理教育、リラクセーションを実施する仕方について学ぶ。
12 12 災害後のこころのケアのプロセス②
・初期の援助、中・長期の援助の違いについて知る。
・中・長期の援助の方法を身に付ける。
・中長期の援助技法としての表現活動について学ぶ。
・様々な表現技法、作文、描画、詩、俳句、写真などを体験する。
・学校で子供たちに表現活動を実施するときの授業を組み立てる。
13 13 災害後の心理的変化と混同されやすい発達障害について ・発達障害概念の変遷、なぜそのような概念が取り入れられ、現在教育現場で隆盛となっているのかについて知る。
・災害後の心理的な変化とどのような点で混同されやすいのかを知る。
14 14 自然災害の一種として考えられる感染症被害について ・新型コロナ感染症について、その心理学的な意味を考え、防災の観点からどのようなことができるのかを考える。
15 15 授業全体の振り返りと重要ポイントの確認 ・15回の授業内容を振り返り、知っておかねばならないこと、防災の専門家としてできた方がよいことを再確認する。

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