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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2025/02/13 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
神戸スタディーズⅢ/Kobe City Studies Ⅲ
授業コード
/Class Code
B509371001
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2025年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
月3(前期)/MON3(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
鈴木 遥/SUZUKI HARUKA
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
鈴木 遥/SUZUKI HARUKA 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
 自然保全の現場には、グローバルな制度やそこにある思想と、現場に生きる人々の在来の論理や実践が織り交ざって存在する。本講義では、この有り様を、主として兵庫運河における自然保全活動を事例に解説する。この中では、自然保全に関わる考え方(科学の視点、環境倫理など)、現場に生きる人々の保全活動に対する動機や価値観などを学ぶ。本講義は、多元的な自然の捉え方やそれが現場でどう立ち現れるかを知り、自然を保全するとはどういうことか深く理解する契機となることを目指す。
 本講義は、人文学部ディプロマポリシーの2「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけている」、9「学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる」を目指して実施する。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.自然保全に関するグローバルな制度とそこにある思想を理解することができる。
2.自然保全活動の現場で生じる事柄を理解することができる。
3.1.2.について、自分の言葉で説明することができる。
授業のキーワード
/Keywords
自然保全、兵庫運河、在来の論理、資源管理、環境倫理
授業の進め方
/Method of Instruction
講義を中心として授業を進めます。毎回の講義の最後に、講義内容に関わる論述形式の課題に取り組みます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
 自然保全に関心がない人でも理解しやすいように講義展開を工夫していますので、視野を広げる気持ちで受講してもらえたらと思います。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
復習(1時間)、予習(配布する文章を事前に読んでおく必要がある)(1時間)
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回の講義終了時に短い論述課題に、第15回講義終了時にまとめの論述課題に取り組みます。短い論述課題の結果は、次回の講義冒頭で共有することで、受講生へフィードバックします。 
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
毎回の講義後に行う論述形式の課題(70点)、講義全体に関わる最終課題(30点)で評価します。論述形式の課題と最終課題は、この演習を通して学習してきた知識の理解を問い、到達目標についてできているようになっているかどうか、提出物の内容から判断します。
テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
石井美保(2017)『間世界の人類学ー南インドにおける野生・近代・神霊祭祀』京都大学学術出版会.
鬼頭秀一、福永真弓編(2009)『環境倫理学』東京大学出版会.

ほかにも適宜講義内で紹介します。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 オリエンテーション 講義の目的と内容、進め方、計画、評価方法などを説明する。
2 2 海や沿岸をめぐるグローバルな課題 自然保全の中でも海や沿岸の保全を取り上げ、その課題や解決に向けた方針などを解説する。
3 3 自然の捉え方 自然と人間をどのような関係で捉えるかによって自然の意味は異なってくることを解説する。
4 4 海や沿岸独自の課題や概念 海や沿岸の持続的資源管理の難しさ、里海の概念などを解説する。
5 5 兵庫運河と漁師 兵庫運河に地元漁師はどのように関わり、仕事をしてきたのかを解説する。
6 6 沿岸保全をめぐる制度や考え方 兵庫運河に関わる制度を中心に、その内容と基盤となっている考え方を解説する。
7 7 シンボルとしての兵庫運河の再生活動 兵庫運河を再生する意図を、地域の中の兵庫運河の位置づけや保全活動に関わる人々の考えをひも解きながら解説する。
8 8 漁師の暮らしと生業 兵庫運河周辺の漁師の暮らしと生業について解説する。
9 9 講演『兵庫運河とともに生きる』 兵庫漁業協同組合の漁師を講師として招き、漁師の立場、保全活動を続ける理由などについて話を聞き、質疑を行う。(実施回が変更する可能性があるが、その場合は講義内で適宜周知する。)
10 10 漁師のモチベーション
漁師が自然保全に取り組むモチベーションを、内省的活動、漁師というアイデンティティ、経済インセンティブの観点で考える。
11 11 藻場再生と科学 兵庫運河で取り組まれている藻場再生活動と科学との関係を解説する。
12 12 重層する自然をつなぐ:科学を取り込む漁師 保全活動の重要性や意味を語る時、漁師はたくみに科学を論拠にする。在来の論理の中に科学が取り込まれる有り様を解説する。
13 13 自治体、市民団体、学校、企業の論理 保全活動に関わる自治体、市民団体、学校、企業などが自然保全活動に関わる論理を解説する。
14 14 重層する自然とのつながりの中で生きる 自然保全の現場でグローバル、ローカルの論理が織り交ざった自然とつながりることの難しさと意義を解説する。
15 15 講義全体のまとめ 本講義で中心的に議論した点を総括する。

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