科目一覧へ戻る | 2025/05/19 現在 |
開講科目名 /Class |
神戸スタディーズⅢ/Kobe City Studies Ⅲ |
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授業コード /Class Code |
B509371001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2025年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月3(前期)/MON3(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
鈴木 遥/SUZUKI HARUKA |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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鈴木 遥/SUZUKI HARUKA | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
自然保全の現場には様々な人々が関わり、保全の考え方や方法が模索されながら様々な活動が実践されている。本講義では、自然や環境、風土の考え方を学び、自然保全の実践について考える。また、兵庫運河における自然保全活動を取り上げ、具体的事例の中でこの問題を考える。本講義は、自然に対する理解を深め、自然を保全するとはどういうことかを考える契機となることを目指す。 本講義は、人文学部ディプロマポリシーの2「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけている」、9「学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる」を目指して実施する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.自然、環境、風土がどのようなものかを理解することができる。 2.自然保全において文化や歴史が重要であることを理解することができる。 3.自然保全の現場では様々な視点を取り込みながら在来の論理がつくられ、実践されていることを理解することができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
自然保全、環境、風土、兵庫運河、実践 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義を中心として授業を進めます。毎回の講義の最後に、講義内容に関わる論述形式の課題に取り組みます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
自然保全に関心がない人でも理解しやすいように講義展開を工夫していますので、視野を広げる気持ちで受講してもらえたらと思います。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
復習(1時間)、予習(配布する文章を事前に読んでおく必要がある)(1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の講義終了時に短い論述課題に取り組み、第15回講義終了時にまとめの論述課題に取り組みます。短い論述課題の結果は、次回の講義冒頭で共有することで、受講生へフィードバックします。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
毎回の講義後に行う論述形式の課題(70点)、講義全体に関わる最終課題(30点)で評価します。論述形式の課題と最終課題は、この講義を通して学習してきた知識の理解を問い、到達目標についてできているようになっているかどうか、提出物の内容から判断します。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
和辻哲郎(1979)『風土―人間的考察―』岩波書店. オギュスタン・ベルク(2002)『風土学序説 文化をふたたび自然に、自然をふたたび文化に』筑摩書房. オギュスタン・ベルク(2011)『風景という知―近代のパラダイムを越えて』世界思想社. 石井美保(2017)『環世界の人類学―南インドにおける野生・近代・神霊祭祀』京都大学学術出版会. ほかにも適宜講義内で紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーション | 講義の目的と内容、進め方、計画、評価方法などを説明する。 | |
2 | 第2回 | 人間、自然、風土 | 人と自然の関係をどのように理解することができるかを解説する。 | |
3 | 第3回 | 風土の思想 | 和辻哲郎の風土論などを手がかりに、人と自然の存在、人と自然の分かちがたい関係について解説する。 | |
4 | 第4回 | 風土が投げかける問い | 風土を切り口として伝統や歴史は近代とどのような関係でどのような意味を持つかを解説する。 | |
5 | 第5回 | 環境とは何か | 自然や環境について、ユクスキュルの思想を手がかりにして、主体との関係などについて解説する。 | |
6 | 第6回 | 環世界の文化 | 環世界の文化を具体事例を紹介しながら解説する。 | |
7 | 第7回 | 環世界の文化変容 | 開発による環世界の文化変容について具体事例を紹介しながら解説する。 | |
8 | 第8回 | 近代と自然保全 | 近代と自然保全の関係、自然保全が抱える課題などを解説する。 | |
9 | 第9回 | 講演『兵庫運河とともに生きる』 | 兵庫漁業協同組合の漁師を招き、保全活動における漁師の立場、保全活動を続ける理由などについて話を聞き、質疑を行う。(実施回が変更する可能性があるが、その場合は講義内で適宜周知する。) | |
10 | 第10回 | 兵庫運河の歴史 | 第10回から第14回は、第9回の講演の解説という位置づけである。兵庫運河の歴史を整理して解説する。 | |
11 | 第11回 | 漁師による運河保全活動 |
漁師が自然保全に取り組む動機や意味を、内省的活動、漁師というアイデンティティ、経済インセンティブの観点で考える。 | |
12 | 第12回 | 藻場再生と自然保全、科学 | 藻場再生活動を支えるグローバルな自然保全思想や自然科学思想を解説し、自然保全活動の均一化の課題と可能性を解説する。 | |
13 | 第13回 | 多様な人々による合意形成 | 自然保全活動が多様な人々の合意のもとに進められる意味や意義を解説する。 | |
14 | 第14回 | 自然との関わりを取り戻す | 自然保全において人と自然との関わりを取り戻すことの意味を解説する。 | |
15 | 第15回 | 講義全体のまとめ | 本講義で中心的に議論した点を総括する。 |