科目一覧へ戻る | 2025/02/13 現在 |
開講科目名 /Class |
人文の知専門講義Ⅳ/Advanced Lecture on Knowledge of Humanities Ⅳ |
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授業コード /Class Code |
B509341001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
HASb316 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2025年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
金3(後期)/FRI3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
鈴木 遥/SUZUKI HARUKA |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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鈴木 遥/SUZUKI HARUKA | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
自然保全は、自然の商品化や単一化などといった過剰なまでの開発や生産活動の果てとして立ち現れた活動とも言える。本講義では、この自然の生産に対する偏重した見方への疑問を出発点として、人と自然の関係の捉え方を改めて理解するものである。そのために、生態学における「分解」の考え方を手がかりとする。生態系の分解過程を私たちの社会や文化はどのように組み込み、受け止めてきたのだろうか。これらについて事例を交えて解説する。 本講義は、人文学部ディプロマポリシーの2「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけている」、9「学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる」を目指して実施する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.人間と自然の関係を、自然の一部として人間があると理解することができる。 2.生態学における生産、消費、分解の過程を理解することができる。 3.人間は自然を一方的に享受して生きられず、災禍を受け入れる文化や社会が求められることを理解することができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
人と自然の関係、生態学、在来の論理、家とむら、腐朽、災害 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義を中心として授業を進めます。毎回の講義の最後に、講義内容に関わる論述形式の課題に取り組みます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
本講義は生態学の話を含みますが、概念を取り入れるにとどまり本格的に踏み込むものではありません。ですので、理系の思考が苦手だと思われる方も過度に心配することなく、視野を広げる気持ちで受講してもらえたらと思います。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
復習(1時間)、予習(配布する文章を事前に読んでおく必要がある)(1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の講義終了時に短い論述課題に、第15回講義終了時にまとめの論述課題に取り組みます。短い論述課題は、次回の講義冒頭で共有することにより、受講生へフィードバックします。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
毎回の講義後に行う論述形式の課題(70点)、講義全体に関わる最終課題(30点)で評価します。論述形式の課題と最終課題は、この演習を通して学習してきた知識の理解を問い、到達目標についてできているようになっているかどうか、提出物の内容から判断します。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
マイケル・ベゴン他著、堀道雄監訳(2013)『生態学―個体から生態系へ」京都大学学術出版会. 植田今日子(2016)『存続の岐路に立つむら : ダム・災害・限界集落の先に』昭和堂. 藤原辰史(2019)『分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考』青土社. ほかにも必要に応じて講義内で参考書を紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーション | 講義目的や授業の進め方、評価方法、講義内容の概要などについて説明する。 | |
2 | 第2回 | 人と自然の関係の捉え方 | 人と自然の関係はどのように捉えられるのかを解説し、本講義の視点を示す。 | |
3 | 第3回 | 生態学とは何か | 人文社会の学問にも深く影響を与える生態学の視点を紹介する。 | |
4 | 第4回 | 生態系の中の生産、消費、分解 | 生態系の考え方を、特に生産、消費、分解の過程について説明する。 | |
5 | 第5回 | 分解者の役割と特性 | 生態系の中で分解者が担う役割と特性を解説する。 | |
6 | 第6回 | 人ー自然システムと分解 | 人と自然との相互関係を、生態学の分解の視点で捉えてみる。 | |
7 | 第7回 | 人―自然システム、家とむら | 人―自然システムの事例として、家とむらを取り上げる。家とむらに関する議論を紹介する。 | |
8 | 第8回 | 沿岸という地域の特性 | 事例でとりあげる家とむらが位置する沿岸という地域の特性を解説する。 | |
9 | 第9回 | 家1:沿岸に暮らす | インドネシアの集落を事例に、沿岸における人々の暮らしを紹介する。 | |
10 | 第10回 | 家2:腐る家に住む | インドネシアの集落を事例に、沿岸に建てた住居に暮らす人々の工夫や価値観を紹介する。 | |
11 | 第11回 | 家3:住む場所の選択 | インドネシアの集落を事例に、沿岸に暮らす人々の住む場所の選択を集落レベルのミクロな視点から紹介する。 | |
12 | 第12回 | むら1:津波常習地へ帰る | 気仙沼市の集落を事例に、津波常習地になぜ人々が帰ることを目指すのか、関連する考察を紹介し、考える。 | |
13 | 第13回 | むら2:海難と向き合う | 気仙沼市の集落を事例に、海難の歴史を理解し、海難と向き合う儀礼などを紹介する。 | |
14 | 第14回 | むら3:海とともに生きる | 海難の受容と海の恩恵の享受の両面から、海とともに生きるということを解説する。 | |
15 | 第15回 | 講義全体のまとめ | 講義全体を振り返り、本講義のポイントや示した視点をもう一度整理して解説する。 |