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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2025/02/13 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
教育制度論/Theories of Educational System
授業コード
/Class Code
B508331001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc201
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2025年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
金4(前期)/FRI4(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
大西 慎也/OONISHI SHINYA
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
大西 慎也/OONISHI SHINYA 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
この授業は、DP「1、複数の分野の基礎知識を教養として身につけている。」と関係する。さらに教職志望者はDP「9、学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる。」ことを目指す。
「なぜ日本では公教育制度が成立し、学校が存在するのか」という問いに対する解答を、自分なりに明確にもつことを15回の講義を貫く柱の問いとする。この問いを解決するために、戦前の学校教育制度、日本国憲法・教育基本法を踏まえた戦後の学校教育制度改革、学習指導要領の編成について理解する。さらに、現在の義務教育制度、教育行政制度、学校教育制度について課題と共に理解する。理解した講義内容を踏まえ、調査活動を行い、講義を貫く問いについての自分なりの解答をもつことができるようになることが本講義の目的である。
担当者は、兵庫県公立小学校教諭として18年の実務経験がある。実務経験のある教員として教育制度について、教育現場のレベルから解説するものとする。
到 達 目 標
/Class Objectives
〇戦前の学校教育制度、日本国憲法・教育基本法の内容・理念、戦後の学校教育制度改革、学習指導要領の変遷、現在の学校教育制度を理解し、課題について考えることができる。
〇調査活動を行い、調査結果についてまとめることができる。
〇「なぜ日本では公教育制度が成立し、学校が存在するのか」という問いに対する解答を、自分なりに明確にもつことができる。
授業のキーワード
/Keywords
教育制度、日本国憲法、教育基本法、学習指導要領、小学校、中学校、高等学校、大学、教育行政、教育思想
授業の進め方
/Method of Instruction
受講生とのやり取りを取り入れた講義を中心に、自分なりの考えをもつために、グループでの話し合いを取り入れる。また、調査活動を講義外の時間で行うことを求める。受講生が主体的に参加できる講義を目指す。
履修するにあたって
/Instruction to Students
本講義は、教員の一方的な伝達的講義形式の進め方は行わない。受講生一人一人と対話しながら、それぞれの考えをリフレクティブな学びにすることを目指し講義を行う。そのため受講生には主体的な講義への参加を求める。毎回の講義後のリフレクションには、質問や疑問点、教員への反論などを記述することを求める。次回講義時にそれに対しフィードバックを行い、学びを深めていきたい。共に講義を作っていく意識で履修することを求める。
質問がある人は、sonishi@human.kobegakuin.ac.jpまで。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
14回目の講義のために調査活動が必要となる。自主的に学習を進めること。また、毎回の講義前後に、1時間程度の予習及び復習に取り組むことを求める。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回、講義終了時にリフレクションテーマを提示する。講義後、リフレクションした内容を提出すること。また、14回目の講義での発表資料の事前の提出すること。最終講義後に「なぜ、公共教育としての学校が存在するのか」についてのレポートを提出すること。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
〇最終講義後のレポート30%
 15回の講義内容を踏まえ、根拠をもって自分の考えを論じているかを基準とする。
〇14回目講義の発表資料及び発表内容25%
 調査内容、発表準備、発表内容を基準とする。
〇毎回の講義後のリフレクションカード3%×15回=45%
 3点…講義内容を踏まえ、自分の考えを述べている。
 2点…講義内容についてのみ述べている。
 1点…感想を述べているに過ぎない。)
テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
〇高妻紳二郎編著(2023)『新・教育制度論』ミネルヴァ書房
〇本田由紀(2020)『教育は何を評価してきたのか』岩波新書
〇藤原辰史(2018)『給食の歴史』岩波新書
〇俵義文(2020)『戦後教科書運動史』平凡社新書
〇木村元(2015)『学校の戦後史』岩波新書
〇小針誠(2018)『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』講談社現代新書
〇鈴木大裕(2024)『崩壊する日本の公教育』集英社新書
その他、必要に応じて講義時に紹介する。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 オリエンテーション・学校とは 講義の目標、内容、進め方、評価について説明する。その上で、15回の講義を貫く問いとして「なぜ、公教育としての学校が存在するのか」を提示する。個人の考えをもったうえで、グループで議論し、初回講義の段階での「なぜ、公教育としての学校が存在し、義務教育というものがあるのか」について自分なりの考えをもつ。またグループで調査を行い、その結果を14回講義で発表することを指示する。
2 第2回 近代以前及び近代学校教育の成立 近代学校教育制度成立以前の教育について理解する。さらに、明治5年の学制以降、明治、大正、昭和戦前期までの日本の教育制度とその背景にある思想や時代背景について理解する。教育が公教育として制度化される前後の実態を理解することにより、公教育としての学校教育について考える。
3 第3回 大正自由教育の意義 現代の教育制度にも影響を与えている大正自由教育の内容とその意義について考える。さらに、戦前に、大正自由教育のような教育改革が成立した背景について考える。
4 第4回 学習指導要領の変遷とその背景 戦後学校教育の内容を規定してきた学習指導要領の内容の変遷をその時代背景に基づいて分析する。その上で、学習指導要領、学校教育の在り方について考えていく。
5 第5回 戦後学校教育の改革(1) 「教科書制度」を事例に戦後の学校教育制度について考える。
6 第6回 戦後学校教育の改革(2) 「学校給食制度」を事例に戦後の学校教育制度について考える。
7 第7回 義務教育制度の原理-義務制・無償性・中立性- 日本公教育の義務教育制度について理解する。その意義として義務制、無償性、中立性について理解する。なぜ「義務教育が制度化されているのか」について考える。
8 第8回 教育行政制度と
現在の学校教育制度
日本の教育行政制度について理解するとともに、小学校・中学校・高等学校の組織について理解する。学校組織の構造、校務分掌組織といった内部の教育制度やコミュニティスクールをはじめとした地域との役割を踏まえた教育制度について考える。
9 第9回 現在の学校教育制度での教員の位置づけと実態 ブラックと呼ばれる実態の背景にある、学校教育制度の問題点を明らかにするとともに、教育公務員として公教育を支える教員の位置付けについて理解する。
10 第10回 教師とは 学校教育において教師の果たす役割は大きい。どのような教師が求められるのか。理想の教師像について探究する。
11 第11回 学校教育制度の在り方(日本と海外の比較から) 日本と世界各国の学校教育の在り方について比較し、その特徴を理解する。その上で、日本の学校教育制度の課題について考える。
12 第12回 学校文化とは 日本の学校教育現場には、地域によって異なる文化が存在する。また学校ごとにも異なる文化が存在する。そのことについて探究する。
13 第13回 現代学校教育の課題と今後の学校教育の在り方 第5回講義から第12回講義の内容を踏まえ、それぞれに日本の学校教育の成果と課題を明らかにする。その課題を克服するために、これからの学校教育がどうあるべきか考える。
14 第14回 調査結果に基づく対話 「なぜ公教育としての学校が存在するのか」という問いに対する考えを、講義内容を踏まえて、初回講義で指示した調査の結果に基づき、グループごとに対話する。
15 第15回 まとめ 講義の内容や様々な研究者による先行研究の情報に基づき「なぜ公教育としての学校が存在するのか」という問いに対する自分の考えを整理する。

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