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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
人間形成論Ⅲ/Personal Development Ⅲ
授業コード
/Class Code
B507853001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc307
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
火2(前期)/TUE2(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
水谷 勇/MIZUTANI ISAMU
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
水谷 勇/MIZUTANI ISAMU 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面講義
授業の目的
/Class Purpose
 子どもの発見を初めとして、歴史のなかで子どもたちがどう扱われ、見なされてきたのかを概観することを通して、教育の歴史と研究について、内容的、方法論的に深めていきます。 あわせて、大前提となる教育的なものの見方を下記の作業を通して、鍛え高めていきます。 子どもの発達とつまずきについての理解を形成し、深めることをめざします。「はえば立て、立てば歩めの親心」は、子どもの成長を願う親の気持ちを表しています。それは、同時に子どもが日々成長していることを示していることでもあります。身長や体重などはもちろんのこと、動作やしぐさの身体活動の上でも、また、ことばや感情表現などこころの面でもその変化に目を見張らせられます。こうした子どもの成長の歩みを科学的に理解していくことは、子育てや、幼児教育にあっては大変重要なことであり、基本的なことといえます。 この講義では、まず教育に関する歴史的な見方を形成し、子どもの発達の原理や一般的な傾向についての知識を豊かにし、その上で今日の子育てや教育の問題について考えるベースになる見方・考え方の形成・陶冶を目的とします。
これらの目的を達成することをとおして、学部DP2と9を中心としつつ、全学DP全般の達成の大きな一歩を形成することを目的としています。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.教育に関する歴史事実を知ることを通して、教育・人間形成についての理解を深め、常識やマスコミ論調によって形成された誤った認識形成を正して、教育・人間形成についての正しい認識形成ができる。
2.子どもの発達のメカニズムについての知識を得ることを通して、ある程度の理解をし、子ども理解や、発達を引き出す教育・子育ての方法・原理について理解し、他人に説明できる。
3.今日の子育てや教育をめぐるさまざまな問題について知ることを通して、関心を深め、文献研究やフィールドワーク、自己の経験の省察等により、自ら考え、その成果をレポートにまとめることができる。 
授業のキーワード
/Keywords
こどもの教育の歴史
子どもの発達のメカニズム
教育・子育ての方法・原理についての理解
授業の進め方
/Method of Instruction
初回を除く各回の授業で事前に配布(非登学学生向けにはdotCampusにレジュメをpdfでアップ)した上で、配付資料を補則解説する形で授業をしていきます。配付資料によく目を通し、事前に質問意見をまとめてきて授業に参加してください。ドットキャンパスは履修登録した全ての学生が利用出来ます。なくした場合や欠席したときの補充に活用ください。
受講生の質問や疑問に答え、学習成果を踏まえて、補足を加えながら次の課題を提示する形で授業を進めます(一種の反転学習)。
履修するにあたって
/Instruction to Students
特別警報または暴風警報発令時の場合の対応について、授業を実施します。ただし、避難指示、避難勧告が発令されている場合はご自身の安全を優先し、自治体の指示に従って行動してください。
問い合わせ先:mizutani@human.kobegakuin.ac.jp
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
レジメ・配付資料の熟読と関連した学習(辞書・辞典での調べ学習を含む)、1週あたり概ね1~3時間程度の予復習が必要です。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回の講義の後にミニレポート(学びの記録)提出。講義終了時までに、最終レポート提出(上記目標参照)。提出された課題に対しては、次回の授業で、適宜フィードバックして、双方向コミュニケーションを図ります。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
ミニレポート13本(20%)、最終回に行う自由記述式筆記試験と大レポートⅠ、もしくは、大レポート2本(80%、40×2) 。
毎回の小レポートの提出が3分の2にあたる合計9未満の場合、評価なしになります。
レポートは、講義を踏まえて、各自でどれだけ学習して深めたかを評価の尺度とします。しっかり、講義資料を読み込むとともに、図書館利用や文献読破による事前・事後の深め学習に精励してください。
テキスト
/Required Texts
前半部分は、森良和『歴史のなかの子どもたち』学文社
後半部分は、高野清純編『子どもの発達とつまずき』教育出版
を種本としたうえで、他の書籍や最近の学会動向なども踏まえて講義します。
良書ですが、少し古いため,現在絶版になっており、皆さんが入手しなければならないものではありません。
参考図書
/Reference Books
教育史学会『教育史研究の最前線』日本図書センター他、授業中に適宜紹介
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 子ども観と新しい教育史 講義内容の概要説明に加えて、① 子どもとは② 発達の様相をとらえるための観点と子どもの理解③新しい教育史と研究方法論を説明しますので、以上の内容について理解することが第1回の主な内容となります。
2 歴史のなかの子どもたち1 アテネとスパルタ、古代ローマの社会の特徴とそこでの子どもたちの様子を丹念に追うことで、古代社会における子育て、教育の特徴を理解する
3 歴史のなかの子どもたち2 中世とルネサンスにおける社会の特徴とそこでの子どもたちの様子を丹念に追うことで、当時の社会における子育て、教育の特徴を理解する。
4 歴史のなかの子どもたち3 神権政治、絶対主義時代における社会の特徴とそこでの子どもたちの様子を丹念に追うことで、当時の社会における子育て、教育の特徴を理解する。
5 歴史のなかの子どもたち4 産業革命における社会の特徴とそこでの子どもたちの様子を丹念に追うことで、当時の社会における子育て、教育の特徴を理解する。また、その少し後になるが、ボーイスカウトを始めたベーデン・パウエルの生涯とボーイスカウトの特徴、他の類似組織との異同を見ることで19世紀末から20世紀初頭にかけての教育・子育ての課題を明らかにする。
6 歴史のなかの子どもたち5 ヒトラー・ユーゲントと紅衛兵が活躍した20世紀半ばや後半における社会の特徴とそこでの子どもたちの様子を丹念に追うことで、当時の社会における子育て、教育の特徴・問題点を理解する。
7 歴史のなかの子どもたち6 中間まとめ。中間まとめとして、これまで、歴史的に見てきた、それぞれの時代的特徴(流行)と、不易(変わらない部分)を抽出し、人間形成の時代、社会制約性と、超越的な根本問題とをえぐり出し、中間まとめとしたい。
8 子どもの健康、ことばの働きとつまずき ① 身体の発育、② 運動能力の発達、③ 身体発育の障害、④ 運動能力の障害、⑤ チンパンジーもヒトのことばを話す? ⑥ ことばの獲得のしくみ、⑦ ことばの働きとその発達、⑧ 話しことばの発達、⑨ つまずきとその対応、について解説する。
9 子どもの認知のメカニズム、感情の発達とつまずき ① 子どもは世界をどのように知っていくか、② 認知の発達、③ 認知の障害とつまずき、④ 障害、つまずきへの対応、⑤ 感情とは、⑥ 感情の発達、⑦ 感情にもとづく障害、等について解説する。
10 10 子どもの欲求とストレス、がまんのメカニズム ① 欲求は行動のエネルギー、② 欲求の発達、③ 欲求不満にどう立ち向かうか、④ 探索への欲求と知的好奇心、⑤ がまんに、よい・悪いがあるのか? ⑥ がまんの過程、⑦ セルフコントロールはどのように発達するのか、⑧ セルフコントロールができないとどうなるか、等について解説する。
11 11 他人を愛する行動、家庭のなかの子ども ① 思いやりのある子どもたち、② 幼い子どもたちの向社会的行動、③ 向社会的な子どもの特徴、④ 幼児の残忍さ・攻撃行動と向社会的行動、⑤ 親と子どもの心のきずな、⑥ 揺らぐ家族、等について解説する。
12 12 学校のなかの子ども、授業と子どもの問題 ① 学級内のグループダイナミックス  ② 社会化と仲間関係  ③ 非社会的問題行動とその指導  ④ いじめ、不登校の特質とその指導  ⑤ 知識の獲得、学習習慣とスキル  ⑥ 学習障害、などについて解説する。
13 13 遊び・塾と子どもの問題、メディアと子ども ① 子どもの遊び、② 塾通い、③ けいこごと、④ 遊び・塾通いの子どもへの影響、⑤ マスメディアとニューメディア、⑥ ニューメディアの影響と情報教育、⑦ ニューメディアと教育、⑧ テレビ、テレビゲームの発達への影響、等について解説する。
14 14 その他の子ども・青年をめぐる問題 食育、生活リズム等、現代の子どもの抱える問題点、さらには引きこもり、自殺、怠業など、現代青年をめぐる問題点とその対応策について解説し、マイナスと思われることを発想の転換でプラスに切り替えて生かしていくことについて具体的事例を挙げて講義する。
15 15 総まとめ 本講義全体のまとめとして筆記試験を行うともに、最終レポートの課題提示と解説をおこなう。

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