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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
倫理学/Ethics
授業コード
/Class Code
B507791001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc315
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
月5(前期)/MON5(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
平光 哲朗/HIRAMITSU TETSUROU
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
平光 哲朗/HIRAMITSU TETSUROU 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
講義(対面)
授業の目的
/Class Purpose
≪主題≫ 他者からはじまる倫理

≪目的≫
 私たちはふだん、「自己」、「意識」、「主体性」、「理性」、そして「人間」といった概念を深く問い直すことなく用いています。しかしこれらの概念は、20世紀を通して根本的に問い直されてきました。「自己」に対して「他者」が、「意識」に対して「無意識」が、「主体的決定」に対して「構造的決定」が、「理性」に対して「欲望」が、それぞれ徹底的な仕方で対置されたのです。それによって私たちが近代以降前提にしてきた思考の形式が、「自我中心」、「自民族中心」、「理性中心」、「人間中心」として批判されました。またそれとともに「人類の進歩」という言葉を、私たちはもはや素朴な仕方で信じることはできなくなりました。

 この講義ではまず、第二次世界大戦後の実存主義という思想潮流が「自己」、「意識」、「主体性」、そして「人間」に強い信頼を保持していたことを確認します。そして、その次にあらわれた構造主義という思想潮流が、どのようにこれらの諸概念を批判し、「他者」、「無意識」、「構造」という概念に基づいて思考を展開したかを、ひとつずつ辿っていきます。

 こうした講義の展開を通して、本講義では、現代に生きる私たちの倫理を考えるための前提を受講者と共有します。そしてそのうえで、「他者」から出発する倫理の可能性を探究します。それは、ますます多様化し複雑化すると同時に、また断絶をも深める世界に生きる私たちが、「異なること」を受け入れて生きる仕方を模索する試みです。

 本講義は、人文学部DP2、9に対応しています。
到 達 目 標
/Class Objectives
サルトルの実存主義について理解し、説明できる。
構造主義者たちの諸理論について理解し、説明できる。
レヴィナスの他者論について理解し、説明できる。
他者から出発する倫理を理解し、自らの見解を述べることができる。
授業のキーワード
/Keywords
授業の進め方
/Method of Instruction
 これは講義です。受講者は講義を受けて考えたことをコメントとして記述します。その内容を、教員が講義の冒頭で紹介します。それにより、受講者のみなさんが考えたことを、受講者全体で共有します。そうすることで、受講者がさらなる考察への刺激と啓発を互いに与え合うことができるようにします。こうした双方向的で相互的な授業過程をとおして、受講者のみなさんが問題の理解を深め、自発的に考察を続けていくよう促します。
履修するにあたって
/Instruction to Students
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
事後学習として、講義内容について自らの考察を深める(目安として週1時間程度)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
講義各回についてのコメント記述とレポート課題。 
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
講義内容の理解度と考察(75%)、レポート課題(25%)
テキスト
/Required Texts
参考図書
/Reference Books
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 ガイダンス 講義の全体像を理解する。
2 第2回 実存主義 サルトルの実存主義
・「主体性から出発しなければならない
・神なき人間の在り方について」
3 第3回 構造主義① レヴィストロースの文化人類学
・『親族の基本構造』
・文化相対主義
4 第4回 構造主義の二つの源泉 フロイトによる無意識の発見
5 第5回 構造主義の二つの源泉 ソシュールの構造言語学
6 第6回 構造主義② ラカンの精神分析
・「無意識は言語によって構造化されている」
・主体を成立させる三つの次元
7 第7回 構造主義③ フーコー、知の考古学
・『狂気の歴史』
・『言葉と物』、エピステーメー
8 第8回 ポスト構造主義 フーコー、権力批判
・『監獄の誕生』
・『性の歴史』
9 第9回 他者からはじまる倫理 サルトルにおける他者
・まなざしとしての他者
10 第10回 他者からはじまる倫理 レヴィナスにおける他者
・顔における他者
11 第11回 他者からはじまる倫理 レヴィナスの他者論、二つの前提
・フッサール現象学とその批判
12 第12回 他者からはじまる倫理 レヴィナスの他者論、二つの前提
・ハイデガーの存在論とその批判
13 第13回 他者からはじまる倫理 デリダ、脱構築としての正義
・デリダによるレヴィナス批判
14 第14回 他者からはじまる倫理 レヴィナスの応答
・『存在するとは別の仕方で、あるいは存在の彼方へ』
15 第15回 総括 講義の全体を振り返る

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