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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
歴史文化論Ⅰ/東と西の文化史(資格)/Basic Studies in History and Culture I
授業コード
/Class Code
B507164002
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASe347
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
火1(前期)/TUE1(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
北村 厚/KITAMURA ATSUSHI
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
北村 厚/KITAMURA ATSUSHI 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
講義(対面)
授業の目的
/Class Purpose
この授業では、歴史学における文化史という学問領域を、「感染症」というテーマを中心に学習する。授業の目的は、人文学部DP2、9と対応する。

2020年以降、世界中を新型コロナウイルスの流行が襲い、人々の生活を脅かしています。こうしたパンデミック(世界的大流行)を、人類は過去に何度も経験してきました。その時、人々はどのように感染症に向かい合い、どのような態度を示したのか。時としてそれは異なる集団に対する差別や疑心暗鬼、魔女狩りといった狂気にまで発展することもありました。そして感染症は人々の生活と思考様式にどのような影響を与えたのか。この講義ではこうした問題について考えていきます。

なお、この科目の担当者は、世界史を専門として高等学校での専任講師を3年間経験していた、実務経験のある教員です。従って、教職科目として必要な学科知識の習得ができます。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.歴史学における文化史の意味について説明できる。(知識・技能)
2.人類を襲った過去の感染症について、人々の生活や思考様式、社会構造にどのような影響を与えたのか想像し、現代世界の問題につなげて考えることができる。(思考力・判断力)
3.ヨーロッパと日本の感染症への対応の歴史について比較することができる。(思考力・判断力)
授業のキーワード
/Keywords
文化史 感染症の歴史 ペスト 魔女 スペイン・インフルエンザ
授業の進め方
/Method of Instruction
プリントを配布して講義をします。積極的にノートをとってください。毎回の小課題を出し、オンラインで提出してもらいます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
教室内では席を離し、マスクを着用し、会話は必要な時以外は行わないようにしてください。 
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
毎回の小課題とそのための復習に、1時間程度かかります。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回の授業に小課題を設定し、オンラインで提出します。毎回の課題は、必ず授業日に提出してください。遅延は認めません。提出された課題のいくつかについて次回の冒頭でコメントし、フィードバックとします。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
小課題84点満点(6点満点×14回)+最終レポート20点の104点満点で計算します。最終課題は日本語文章力、課題対応力×2、授業内容の理解度、論理構成力各4点によりルーブリック評価する。
テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
マクニール、W・H『疫病と世界史』新潮社1985年
村上陽一郎『ペスト大流行―ヨーロッパ中世の崩壊―』岩波新書1983年
宮崎揚弘『ペストの歴史』山川出版社2015年
黒川正剛『図説 魔女狩り』河出書房新社2011年
山本紀夫『コロンブスの不平等交換――作物・奴隷・疫病の世界史』角川選書2017年
速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ――人類とウイルスの第一次世界戦争』藤原書店、2006年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 文化史とは何か この授業のテーマと「文化史」という概念について説明します。
2 第2回 ヨーロッパのペスト禍1 ヨーロッパ中世~近世におけるペスト禍について学びます。ペストとは何か、人々の生活にどのような影響を与えたのかを学びます。特に激しい被害を与えた14世紀のペストはどこからやってきたのか、グローバル・ヒストリーの観点から最新の研究を紹介します。
3 第3回 ヨーロッパのペスト禍2 ペストはどのようにして全ヨーロッパへと拡大していったのか、その経路と各都市での感染拡大、そしてそれに対する対処とその帰結を詳細に追っていきます。
4 第4回 ヨーロッパのペスト禍3 ペストによって中世社会は崩壊し、ルネサンスへと移行します。その文化的な意味を、ボッカチオの『デカメロン』を素材にして考えます。
5 第5回 ヨーロッパのペスト禍4 ペストは中世で終わったわけではなく、近世にも続きました。いくつかの事例についてその特徴を考え、ロンドンのペスト禍については、半世紀後のデフォーによる記録からアプローチします。
6 第6回 「魔女狩り」1 何が起こったのか ヨーロッパでペストが猛威をふるっていたのと同時期に起こっていたのが、いわゆる「魔女狩り」(魔女迫害)です。魔女とは何なのか、魔女裁判はどのようなもので、どの程度の被害者が出たのか。まずは多くの事例を見ることで学びます。
7 第7回 「魔女狩り」2 なぜ起こったのか なぜ近世に起こったのか? なぜ誰もが魔女を信じたのか? なぜ熱狂的な魔女迫害が行われた地域とそうでない地域があるのか? なぜ犠牲者のほとんどが女性だったのか? 「魔女狩り」をめぐる様々な謎に対する学術的な解答を示します。
8 第8回 「魔女狩り」3 歴史性の問題 「魔女狩り」は、歴史的に見てどのような意味があるのでしょうか? ヨーロッパ史の中でも特異な現象として知られる「魔女狩り」を世界史の中に位置づけます。
9 第9回 新大陸のパンデミック1 いわゆる「大航海時代」によって、ヨーロッパは新大陸を「発見」しましたが、それは新大陸の人々にとって破滅を意味しました。まず、どのような経緯で感染症が新大陸に上陸したのかを考えます。
10 第10回 新大陸のパンデミック2 ヨーロッパからもたらされた感染症は、アステカ王国とインカ帝国という高度に発展した文明を滅亡させたと言われています。その経緯について資料から検証します。その上で、インディオ社会にどのような破滅的な結果をもたらしたのか、総合的に考えます。
11 第11回 近代のコレラ・パンデミック 19世紀にロンドンで大流行したコレラは、世界的なパンデミックになりました。幕末明治の日本は、この感染症にどう対応したのでしょうか。
12 第12回 近代アジアのペスト ペストはヨーロッパでは過去の病になりましたが、19世紀のインドや中国、日本で大流行し、大量の死者を出します。近代世界はどのようにペストに対応したのでしょうか。
13 第13回 スペイン・インフルエンザの猛威1 第一次世界大戦末期の1918年、新型のインフルエンザがヨーロッパの戦場を襲い、さらに世界中にひろがりました。感染者6億人、死亡5000万人ともいわれる最悪のパンデミックについて考えます。
14 第14回 スペイン・インフルエンザの猛威2 スペイン・インフルエンザは大正時代の日本にも上陸し、約2500万人が感染し、38万人以上が亡くなった。この異常事態に人々はどのように対応したのか。各地の新聞記事などから考えます。
15 第15回 まとめ 感染症の歴史を総覧し、あらためて現代社会を生きる私たちの問題として捉えなおします。その上で、最終レポートを書いてもらいます。

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