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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
美術研究Ⅲ/Studies in Visual Arts Ⅲ
授業コード
/Class Code
B506193001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc335
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
月2(前期)/MON2(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
倉持 充希/KURAMOCHI MIKI
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
倉持 充希/KURAMOCHI MIKI 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
 人文学専門科目群の人間探求科目群に属する本科目は、人文学部のDPのうち、2「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけている」、9「学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる」を目指して、造形美術の読解を行う。
 本科目では、美術作品の意味内容を問う図像学という方法論を学び、特に古代ギリシャ・ローマの神話画や諸ジャンルの代表作を分析する。その考察を通じて、イメージによって、抽象概念や高次の寓意的内容、教訓を表現する西洋文化の伝統的手法に慣れ親しみ、視覚芸術の意味内容や構成を学術的な文章で論述することを目的とする。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.図像学に関する専門知識を習得する。(DP2の知識・技能、DP9の教職志望者に対応)
2.主要作例の意味内容を、自らの言葉で説明できる。(DP2の知識・技能、DP9の教職志望者に対応)
3.造形によって高次のメッセージを伝える表現手法を理解する。(DP2の知識・技能、DP9の教職志望者に対応)
授業のキーワード
/Keywords
西洋美術史 図像学 寓意 象徴 古代ギリシャ・ローマ神話
授業の進め方
/Method of Instruction
・プロジェクターで図版を見せながら、内容を解説する。
・毎回の授業内レポートで、作品記述や思想的背景等に関する論述に取り組む。
履修するにあたって
/Instruction to Students
・共通教育科目の「西洋美術」(ヨーロッパ・アメリカの美術の通史)と併せて受講するとよい。
・人文学専門科目群(人間探究科目群)のうち、倉持が担当する以下の科目と併せて受講するとよい。
「美術研究I」(16世紀までの西洋美術の歴史、前期水曜3限、2年生以上)
「美術研究II」(16世紀以降の西洋美術の歴史、後期火曜1限、2年生以上)
「美術研究IV」(作家研究、後期月曜2限、2021年度以前入学生のみ)
「文化交流論III」(宗教画の図像学、前期月曜1限、2021年度以前入学生のみ)
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
・授業計画に挙げられた予習・復習の課題を行う。(1週あたり120分以上)
提出課題など
/Quiz,Report,etc
・毎回、授業内レポートに取り組む。当日あるいは後日、フィードバックを行う。
・学期中に、授業内応用問題を3回実施する。後日、解答例を示す。
・期末レポート(3000字)を提出する。レポート提出後、全体への講評をまとめ、Teams等でフィードバックする。 
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
・授業内レポート 30%(到達目標1・2の達成度合い)
・授業内応用問題(3回) 30%(到達目標1・2の達成度合い)
・期末レポート(3000字) 40%(到達目標1・3の達成度合い)
・応用問題1回以上と期末レポートの提出がない場合は、単位取得はできない。
テキスト
/Required Texts
レジュメや参考資料を配布する。
参考図書
/Reference Books
適宜、紹介する。
エルヴィン・パノフスキー『イコノロジー研究』(上下巻) 浅野徹ほか訳 筑摩書房 2002年
ルーロフ・ファン・ストラーテン『イコノグラフィー入門』 鯨井秀伸訳 ブリュッケ 2002年
ジェイムズ・ホール『西洋美術解読事典』高橋達史ほか訳 新装版 河出書房新社 2004年
オウィディウス『変身物語』(上下巻)中村善也訳 岩波書店 1981年 
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 図像学の概要 図像学の基礎を概観し、提出課題や評価方法を説明する。
・古代ギリシャ・ローマの神話を予習する。
・図像学の三段階を復習する。
2 第2回 神話画(1) ユピテル、ユノの図像を学ぶ。
・『変身物語』のユピテルに関する逸話を予習する。
・ファルネーゼ宮殿の「神々の愛」の主題を復習する。
3 第3回 神話画(2) アポロ、パルナッソスの図像を学ぶ。
・『変身物語』のアポロに関連する逸話を予習する。
・「パルナッソス」の寓意的意味を復習する。
4 第4回 神話画(3) ディアナ、ネプトゥヌスの図像を学ぶ。
・『変身物語』のディアナに関連する逸話を予習する。
・ネプトゥヌスと共に描かれるネレイス等を復習する。
5 第5回 神話画(4) ウェヌス、マルス、クピドの図像を学ぶ。
・ヘシオドス 『神統記』のアフロディテに関連する逸話を予習する。
・「ウェヌスとマルス」の寓意的意味を復習する。
6 第6回 神話画(5) バッコス、ミダスの図像を学ぶ。
・『変身物語』のバッコスに関連する逸話を予習する。
・フィロストラトスのエクフラシスの特色を復習する。
7 第7回 神話画(6) アウロラ、オルフェウスの図像を学ぶ。
・『変身物語』のアウロラに関連する逸話を予習する。
・異教神話を教訓化して受容するキリスト教の伝統を復習する。
8 第8回 神話画(7) トロイア戦争の図像を学ぶ。
・ウェルギリウス『アエネーイス』の概要を予習する。
・「パリスの審判」を復習する。
9 第9回 古代史 古代ギリシャの哲学者、ローマ建国史の図像を学ぶ。
・プルタルコス『英雄伝』を予習する。
・建国神話としての「サビニの女たちの掠奪」を復習する。
10 第10回 理論編 イコノグラフィーとイコノロジーを学ぶ。
・図像学の三段階を整理する。
・パノフスキーのイコノロジーに対する批判をまとめる。
11 第11回 寓意画(1) 擬人像、寓意、象徴の基礎を学ぶ。
・視覚芸術における象徴の例を予習する。
・非純粋寓意を含む作例を探す。
12 第12回 寓意画(2) 「メメント・モリ」、「時の踊り」、「運命」の寓意画を学ぶ。
・第4回で学んだフォルトゥーナの特徴を整理する。
・寓意画を読解するための手掛かりとなるモティーフを復習する。
13 第13回 肖像画、自画像 当時の実在の人物の姿を描いた肖像画、画家の自画像を学ぶ。
・肖像画が注文される理由を予習する。
・自画像における画家の自己表象を復習する。
14 第14回 風景画 風景画が成立した経緯と、その代表作を学ぶ。
・これまで学習した作例のなかで、豊かな風景描写を含む主題を振り返る。
・絵画ジャンルの序列化を復習する。
15 第15回 風俗画、静物画 当時の人々の日常生活を反映した風俗画、専門画家による静物画を学び、講義を総括する。
・カトリックとプロテスタントの違いを予習する。
・風俗画・静物画が隆盛した歴史的背景を復習する。

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