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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
アートマネジメント/舞台芸術研究Ⅲ/Art Management
授業コード
/Class Code
B506184001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc327
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
水4(前期)/WED4(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
森岡 めぐみ/MORIOKA MEGUMI
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
森岡 めぐみ/MORIOKA MEGUMI 人文学部/Humanities and Sciences
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
本授業は人文学部DP2、9と対応しています。
扱うのは舞台芸術分野でのアートマネジメントです。主として劇場、ホールやオーケストラなどの実演団体の運営に焦点をあて、公演を実施するため、あるいは実施のサポートをするためにどのような活動が行われているのかについての知識を習得します。そしてそのように社会と芸術文化をつないでいるアートマネジメントの意義についても考察を深めます。
講師はクラシック音楽のコンサートホールで約30年間勤務したあと、公立のオーケストラと合唱団の運営を担当している実務経験のある教員です。講義では、講師が2024年に神戸で手がけるオペラの制作プロセスを共有するなど、クラシック音楽コンサート運営を中心に豊富な実践例の提示をもとに進めます。その際、受講生と講師、受講生同士の意見交換も取り入れ、多様な視点の獲得をめざします。
またアートマネジメント学習が技術習得のみとならないよう、「劇場史」を学んで社会と舞台芸術の関係を長期スパンで検証します。それにより、舞台芸術の本質的価値についても考えを深めることがねらいです。
以上のプロセスを踏み、本講義は「アートマネジメントへの入門編」という位置づけになります。座学で行いますが、実地より学ぶことが多い分野でもあります。授業内でもワークシート作成やミニ・ワークショップなど模擬体験ができるよう工夫します。実際の現場体験に興味のある学生には、講師が関わっている、劇場での1日インターンシップ情報も紹介します(インターンシップは授業外であり、当授業の評価の対象外です)。
到 達 目 標
/Class Objectives
・アートマネジメントの仕事の内容、意義、手法等の概要を理解する。
・文化芸術と社会のつながりについて論理的に説明することができる。
・文化芸術の価値について深く思考する。
授業のキーワード
/Keywords
アートマネジメント、劇場・コンサートホール、劇場史、観客・聴衆、社会包摂
授業の進め方
/Method of Instruction
講義、ワークショップ、ディスカッションおよび映像等の鑑賞で進めます。受講生からの感想や意見、質問などの発言、または出席票への感想や質問の記入を求めます。ミニ・レポートは受講生同士の議論のうえに各々にまとめてもらう予定です。最終回はレポートの執筆を行います。
履修するにあたって
/Instruction to Students
音楽や演劇、ダンスなどの実演芸術が好き、または知ってみたい、劇場やホールに興味がある、公演の企画制作、運営の仕事に携わりたいと考えている学生を歓迎します。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
参考図書、資料を読む、劇場やコンサートホール、あるいは社会包摂活動の現場に出かけて鑑賞、見学する、オンライン鑑賞をする、インターンシップに参加してみるなど、まずは自分の感性を舞台芸術に開いてみて下さい。レポート執筆に役立ちます。
上記のような読書、鑑賞、体験に少なくとも1週につき1時間以上、ひとつのレポート執筆に2時間以上の学修を求めます。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
ミニ・レポート(第6回・第9回に出題予定。宿題。字数は授業で説明)、期末レポート(第15回で執筆、2800字程度)。基本的に講師より各々の学生にフィードバックをいたします。優れた視点や重要な問いを含むものは、匿名としたうえで授業で紹介することがあります。ミニ・レポートはMoodleでの提出となります。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
(評価方法)
課題取り組み度(授業での自発的な発言、ミニレポートの内容を総合的に評価)40%
期末レポート 60%
(評価の基準)
・授業内容理解度 50%
・作成したレポートの説得力 50%
テキスト
/Required Texts
特に定めません。必要な資料はその都度配布します。
参考図書
/Reference Books
藤野一夫『みんなの文化政策講義』(水曜社)
石田麻子『芸術文化助成の考え方』(美学出版)
文化庁×九州大学 共同研究チーム 編(文化とまちづくり叢書)『文化事業の評価ハンドブック』(水曜社)
社団法人日本クラシック音楽事業協会『クラシック・コンサート制作の基礎知識』(ヤマハ ミュージック・メディア)
礒山雅(著)・森岡めぐみ(編著)『礒山雅随想集 神の降り立つ楽堂にて』(アルテスパブリッシング)
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 オリエンテーション 授業の進めかた、提出物の確認、評価の方法を説明する。アートマネジメントの概論、アートマネジメントにはどのような業務があるのかを概観する。実演芸術(舞台芸術)を成立させる3つの要素について学ぶ。
2 2 アートマネジメントの仕事・観客とつなぐ①企画立案 演目、曲目を決め、出演者を決める。企画を立てることは、もっともわくわくする作業かもしれない。しかしそれは机上のみでは成立しない。アーティストとの協働のありよう、そして観客の姿がみえているか、などの押えるべきポイントがある。実例をもとに考える。 ワークシート作成
3 3 観客とつなぐ②公演制作 立てた企画を、実際の上演まで進めていくことが制作の仕事である。そこには多くの人との関わりがあり、時には臨機応変の判断も迫られる。協働の作業を進めるうえでのポイントについて説明する。 ワークシート作成
4 4 観客とつなぐ③広報・宣伝 公演と観客をつなぐ重要な役割のひとつが「広報・宣伝」である。役割・手法は多岐にわたり、SNSをはじめ、担当者が直接関与する広報活動も増えてきている。チラシ製作など広報・宣伝の基本について概観する。 ミニ・ワークショップ
5 5 観客とつなぐ④チケット営業と資金調達 有料公演実施にとって、チケット販促は重要な業務である。いっぽうで公演制作にかかる費用はチケット収入だけではまかなえきれないことも多い。資金調達はどのように行われているのか。アートマネジメントを経済の面からも考えてみる。 ミニ・ワークショップ
6 6 観客とつなぐ・まとめ これまでの4回のまとめ。ひとつの企画を上演まですすめていく作業を観客と舞台芸術をどのように結びつけていくのかという視点で振り返り、議論する。ミニ・レポートの出題がある。 ミニ・レポート①
7 7 社会とつなぐ①社会包摂活動 劇場やホールに足を運べない人々のもとに出かけるアウトリーチ活動、アーティストも参加者もともに創作を行うワークショップなど、舞台芸術を活用した「誰も取り残さない」社会包摂活動が盛んに行われている。実例を紹介したい。
8 8 社会とつなぐ②文化政策 舞台芸術にとって重要な法律をあたり、文化政策の最新状況についての知識を得る、社会から文化を見る「政策」のなす意義、およびその影響について考察する。
9 9 社会とつなぐ・まとめ これまでの講義を振り返りながら、舞台芸術と社会がどのような関係にあるのか、どのように結びついているのか、またどのように結びつければよいのか、受講生各人の考えやアイデアを問うディスカッションを行う。ミニ・レポートの出題がある。 ミニ・レポート②
10 10 劇場史を知る①ギリシア・ローマ時代 人間と舞台芸術の関わりについて考察を深める。着目するのは舞台芸術と社会が出会う場である「劇場」である。劇場の機能とは何なのか。上演が行われてきた劇場史を、ヨーロッパを例に見ていく。
11 11 劇場史を知る②中世、英国エリザベス朝や、ルネサンス時代 中世の教会や街頭での演劇、シェークスピアが活躍した英国のエリザベス朝の時代や、大陸のルネサンス時代につくられた劇場について、図面やビジュアル資料などから読み解く。
12 12 劇場史を知る③オペラ劇場とワーグナー オペラ劇場はオペラを観劇する場所ではなかった?劇場で社交する風潮に対して作曲家リヒャルト・ワーグナーはどのように憤ったのか。ワーグナーの問題意識を吟味しながら、劇場の機能について考察する。
13 13 劇場史を知る④20-21世紀の劇場、コンサートホール 技術革新が著しく進み、観客のライフスタイルも著しく変化しつづけるいま、劇場はどのようなかたちになっていくのかを考えたい。
14 14 考察:舞台芸術の魅力とは 劇場史①~④を振り返りつつ、観客・劇場の相互関係性を確認する。そして人類と舞台芸術の連綿と連なる営みの「原動力」となってきた舞台芸術の本質的価値、その「魅力」とは何だろうかを考える。深い問いであるが、ひとつの考察をここで試みてみたい。講師と受講生のディスカッションも取り入れたい。 ディスカッション
15 15 まとめ 講義全体を振り返り、受講生は何を学修し、考察を深めてきたであろうか。レポートを執筆する回となる。 期末レポート執筆

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