シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
人と社会と自然特論Ⅱ/地域形成論/Special Lecture on People, Society and Nature II
授業コード
/Class Code
B505515001
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASe330
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
月1(後期)/MON1(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
講義(対面授業)
授業の目的
/Class Purpose
人文科学における卒業研究においては、さまざまな地域を扱う研究が少なくありません。地域は、自然、人文、社会の要素がさまざまに関係し合って成り立っています。特定の地域そのものを研究対象とした研究はもちろんのこと、文学や歴史、芸術、環境など、地域的背景が重要な要素となる人文分野の研究を行なう場合、その地域をいかに理解できるかが、研究を成功させる鍵の一つとなることでしょう。また、地域理解のために、さまざまなメディアコンテンツを資料として活用することにより、より好奇心を持って地域を理解することができるでしょう。この授業では、異なる特徴を有する地域を取り上げ、地域の成り立ちについて考えます。環境がどのように利用され改変されて人々の生活の舞台とされ、特徴的な地域が形成されてきたのかについて、具体的な事例を取り上げて論じ、地域の成り立ちに影響を及ぼした要因について考えます。その際、新聞報道、映画、文芸など、さまざまなメディアコンテンツによる作品・資料を活用し、理解に役立てます。
  この授業は、人文学部DP2、9と対応します。
到 達 目 標
/Class Objectives
・地域の特徴をなす自然、人文、社会の各要素間の関係性について理解し、地域を総合的に考察する力を養う。
・人文分野における地域的研究の際に求められる地域理解のための応用力を養う。
・高等学校地歴科・中学校社会科分野や地域に関係する業務を遂行する際に有用な基礎力を得る。
・地域で賢く生きていくための総合力を得る。
授業のキーワード
/Keywords
地理学、地域理解、文学、歴史、芸術、環境、メディアコンテンツ
授業の進め方
/Method of Instruction
講義形式で実施する。必要に応じて、ビデオなどの映像資料も活用する。
履修するにあたって
/Instruction to Students
関係科目である地域社会概論Ⅰ、地誌学、人文地理学、自然地理学、地域社会概論Ⅱも履修することが望ましい。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
シラバスを参考にして、講義前に関係する事項について毎週1時間程度の予習を、また、講義後には授業内容について毎週1時間程度の復習をすることを心がけて下さい。また、日頃から意識して景観を観察したり、地域の産業について取り上げたテレビ番組や新聞記事などを見ることを心がけて下さい。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
講義中に、講義内容に関する小レポートを時々実施します。なお、受講者の理解を深めるために、いくつかを選んで、次回の授業で匿名にて論評します。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
定期試験70%、毎回の授業時に実施する小課題30%の割合で評価します。
定期試験や小レポートは、内容の概念や因果関係、歴史的経緯の理解がポイントです。
テキスト
/Required Texts
山口 覚・水田憲志・金子直樹・吉田雄介・中窪啓介・矢嶋 巌(2019)『図説 京阪神の地理―地図から学ぶ―』ミネルヴァ書房
参考図書
/Reference Books
赤井正二(2016)『旅行のモダニズム―大正昭和前期の社会文化変動』ナカニシヤ出版
石田光規編著(2018)『郊外社会の分断と再編―つくられたまち・多摩ニュータウンのその後―』晃洋書房
遠藤邦彦(2017)『日本の沖積層 改訂版』冨山房インターナショナル
老川慶喜(2017)『鉄道と観光の近現代史』河出書房新社
梶原健嗣(2021)『近現代日本の河川行政―政策・法令の展開:1868~2019』法律文化社
北後明彦・大石哲・小川まり子編(2019)『災害から一人ひとりを守る』神戸大学出版会
スタジオジブリ編(1997)『スタジオジブリ作品関連資料集〈5〉』徳間書店
平岡昭利編(2019)『読みたくなる「地図」国土編―日本の国土はどう変わったか』海青社
矢野恒太記念会編集発行(2020)『数字で見る日本の百年―改訂第七版―』
矢野恒太記念会編集発行(2023)『日本国勢図会2023/24』
若林高子・北原なつ子(2017)『水の土木遺産』鹿島出版会
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 ガイダンス 本授業の目的と方法、授業の進め方について説明します。
2 第2回 日本の水災害と地域(1) 日本の河川と人々の関わりについて交通から考えます。近世に発達し近代に衰退した淀川舟運の背景としての、近畿地方中央部の自然環境について説明します。
3 第3回 日本の水災害と地域(2) 日本の河川と人々の関わりについて交通から考えます。近世に発達し近代に衰退した淀川舟運について、浪曲や浮世絵も参考資料にして説明します。
4 第4回 日本の水災害と地域(3) 日本の災害と人々の関わりについて大阪平野の水害から考えます。新聞記事を資料に用いて、淀川を中心に発生してきた大阪平野の水害の歴史と対策について概観します。
5 第5回 日本の交通と地域(1) 日本の交通発達と人々の関わりについて、阪神電鉄による甲子園開発の歴史から考えます。近代の関西における私鉄ビジネスを取り上げたビデオ映像も活用し、阪神電鉄の創業と沿線開発について説明します。
6 第6回 日本の交通と地域(2)  日本の交通発達と人々の関わりについて、阪神電鉄による甲子園開発の歴史から考えます。阪神電鉄による甲子園開発の背景、事業の概要、もたらした影響について説明します。
7 第7回 日本の交通と地域(3) 日本の交通発達と人々の関わりについて、阪神電鉄による甲子園開発の歴史から考えます。阪神電鉄による甲子園開発の歴史を踏まえ、近代における京阪神地方の都市化と鉄道との関わりについて考えます。
8 第8回 日本の都市化と地域(1) 日本の都市化と人々の関わりについて、団地から考えます。多摩ニュータウンの団地に暮らす少女を主人公とした映画『耳をすませば』も活用し、団地という存在について考えます。
9 第9回 日本の都市化と地域(2) 日本の都市化と人々の関わりについて、団地から考えます。ニュータウンへと変貌した丘陵に住んでいた狸たちを主人公とする映画『平成狸合戦ぽんぽこ』も活用し、大規模住宅団地開発としてのニュータウン開発について説明します。神戸におけるニュータウン開発についても紹介します。
10 第10回 日本の都市化と地域(3)  日本の都市化と人々の関わりについて、団地から考えます。団地・ニュータウン開発を引き起こした第二次世界大戦後の住宅難について説明します。
11 第11回 日本の都市化と地域(4)  日本の都市化と人々の関わりについて、団地から考えます。団地・ニュータウン開発の背景としてのイギリスにおける田園都市構想について説明します。
12 第12回 日本の観光と地域(1)  日本の観光と人々の関わりについて、関西の観光地から考えます。まず日本の観光の歴史について説明します。
13 第13回 日本の観光と地域(2)  日本の観光と人々の関わりについて、関西の観光地から考えます。大阪天保山を事例に、近世後期の大坂において有数の観光地となった経緯、1990年代以降ウォーターフロント開発の潮流を受けて再び脚光を浴び、海遊館などが立地する観光地として発展した状況について説明します。
14 第14回 日本の観光と地域(3)  日本の観光と人々の関わりについて、関西の観光地から考えます。神戸市北区の有馬温泉を取り上げ、近世における温泉地の形成と、近代以降の鉄道敷設による発展、高度経済成長期以降のマスツーリズムの影響について説明します。
15 第15回 まとめ 地域を総合的に把握する意味は何なのか、将来地域はどうあるべきなのか、さまざまなメディアコンテンツによって描かれる地域をどう考えたらよいのか、考察します。

科目一覧へ戻る