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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
道徳教育の指導法(資格)/Teaching Methods of Moral Education
授業コード
/Class Code
B505073004
ナンバリングコード
/Numbering Code
HASc303
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
土4(後期)/SAT4(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
藤野 幸彦/FUJINO YUKIHIKO
遠隔授業
/Remote lecture
Yes

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
藤野 幸彦/FUJINO YUKIHIKO 人文学部/Humanities and Sciences
授業の方法
/Class Format
講義(オンデマンド)
授業の目的
/Class Purpose
2015年3月、学校教育法施行規則が改正され、道徳教育は「特別の教科 道徳」として学校教育の教科の一つとして実施されることが決定した。小学校では2018年度、中学校では2019年度から一部改正学習指導要領が施行され、新たな道徳教育が既にスタートしている。こうした事情を踏まえ、将来の教育者として受講者の一人一人が「道徳」を考え、あるべき道徳教育の姿を追求する姿勢を養うことを通じて、道徳教育を実践する能力を身に付けることを本講義は目的とする。
到 達 目 標
/Class Objectives
・「道徳」とは何かを考え、その多様性を理解する。
・道徳教育のあるべき姿を一人の教育者として探求し、教育の実践者たる姿勢・態度を身に付ける。
・自らの道徳観に自覚を持ち、その上で現代の道徳教育が提示する価値を理解し、評価する。
・個人として、また同時に教育者として、道徳教育を実践する能力を体得する。
授業のキーワード
/Keywords
道徳教育・道徳・倫理学
授業の進め方
/Method of Instruction
講義を中心に、道徳の授業で用いられる読み物資料の読解レポート、授業計画の作成等を取り入れて授業を進める。講義では各回、受講者からの質疑を受け付け、その内容を教員が次回講義の冒頭に紹介することで受講者全体で共有する。
読解レポートについては作成・提出後に添削を実施し、場合によって再提出を求める。これは授業の実施に際し資料を適切に整理し取り扱う能力の養成を目的とする。
履修するにあたって
/Instruction to Students
本講義はオンデマンド方式で実施される。
各講義実施日ごとにmanabaにアップロードする講義動画を視聴し、課題等を提出すること。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
「道徳」と道徳教育を考える(1)~(4)」で行うレポートについては、扱うテキストの選択を受講者のそれぞれに任せる。作成にあたって、テキストの選定を事前に済ませておくことが望ましい。また、講義内で『中学校学習指導要領』およびその解説の内容を逐条的に取り上げることは不可能であるため、講義時間外にこれらを通読することを求める。
いずれも資料の読解作業となるため所要時間には個人差が生じるが、提出課題の制作と合わせて、各回平均60~90分ほどを目安とする。。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
「道徳」と道徳教育を考える(1)~(4)」のレポートおよび授業計画案。
提出された課題についてはmanabaを介して講師の所見を各受講生にフィードバックし、道徳の授業を実践するための資料活用・資料内容把握に取り組む。
提出物のない講義回については、理解の確認のため小レポートを課す。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
「道徳」と道徳教育を考える(1)~(4)」のレポート作成の他、第14回講義では授業計画案の作成を受講者に課す。その他小レポートの内容等を含め、総合的に評価する。
・本講義では受講者個人の道徳観に対し評価を行うことはしない。いかに「道徳」と道徳教育、それぞれの望ましいありかたを考えることができるか、その考察の深さに対して評価を実施することをここに明記する。
テキスト
/Required Texts
文部科学省『中学校学習指導要領』、『中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』、平成29年。
ともに文部科学省HP(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm)にて公開されているものを用いる。
同『中学校道徳 読み物資料集』、平成24年。こちらも同省HP(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/doutoku/detail/1318785.htm)にて公開のものを用いる。
参考図書
/Reference Books
講義の進行に伴い、適宜講義時間内に指示する。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 「道徳」とは何か ・道徳教育のよりよい実践のために、「道徳」そのものについて考える。
・特に道徳的な価値を多角的に捉えることの必要性と、その多角性を踏まえた道徳教育のあり方が現代の教育に求められる課題であることを知り、教育者として自覚を持つ。
2 第2回 現代における「道徳」の位置
・20世紀以来、「道徳」という主題そのものが大きな転換を余儀なくされている事情を「相対主義」その他のキーワードとともに概観する。
・我が国における道徳教育が上記の歴史的状況の下で求められたものであることを理解し、道徳教育の現代的課題を踏まえた実践力を養う。
3 第3回 道徳教育における評価の意義 ・個人の道徳性、また教育においては生徒の道徳性を評価する際、留意されるべき点を理解する。
・道徳そのものが個人性と社会性の二側面を持つことを取り上げ、道徳教育において目指されるものが「道徳性の成長」にあることの意義を考える。またこの「道徳性の成長」が何により測られるべきかを考え、一人の教育者として道徳教育を捉える。
4 第4回 道徳教育と道徳科の目標 ・道徳教育を教科として実施するにあたり、その理念を学び理解を深める。
・実際に『中学校学習指導要領』、『中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』の内容に触れ、学校教育に求められている役割を知る。同時に自らの道徳観を見つめ直すことで道徳的価値の多様性を自覚し、あるべき道徳教育の姿を探求する端緒とする。
5 第5回 道徳科の内容(1) ・学習指導要領解説に記載されている道徳教育の内容構成を知り、指導のための知識を身に付ける。
・「主として自分自身に関すること」の細目を学び、学校教育において期待される道徳教育の内容を理解する。同時に自らの道徳観を見つめ直し、画一的・教条的な指導とならぬよう留意することの必要性を自覚する。
・実践上の問題を取り上げ、道徳科の内容をより具体的に捉えその課題性を理解する。
6 第6回 道徳科の内容(2) ・学習指導要領解説に記載されている道徳教育の内容構成を知り、指導のための知識を身に付ける。
・「主として人との関わりに関すること」の細目を学び、学校教育において期待される道徳教育の内容を理解する。同時に自らの道徳観を見つめ直し、画一的・教条的な指導とならぬよう留意することの必要性を自覚する。
・実践上の問題を取り上げ、道徳科の内容をより具体的に捉えその課題性を理解する。
7 第7回 道徳科の内容(3) ・学習指導要領解説に記載されている道徳教育の内容構成を学び、指導のための知識を身に付ける。
・「主として集団や社会との関わりに関すること」の細目を学び、学校教育において期待される道徳教育の内容を理解する。同時に自らの道徳観を見つめ直し、画一的・教条的な指導とならぬよう留意することの必要性を自覚する。
・実践上の問題を取り上げ、道徳科の内容をより具体的に捉えその課題性を理解する。
8 第8回 道徳科の内容(4) ・学習指導要領解説に記載されている道徳教育の内容構成を学び、指導のための知識を身に付ける。
・「主として生命や自然, 崇高なものとの関わりに関すること」の細目を学び、学校教育において期待される道徳教育の内容を理解する。同時に自らの道徳観を見つめ直し、画一的・教条的な指導とならぬよう留意することの必要性を自覚する。
・実践上の問題を取り上げ、道徳科の内容をより具体的に捉えその課題性を理解する。
9 第9回 「道徳」と道徳教育を考える(1) ・「主として自分自身に関すること」について批判的に吟味し、道徳教育を実践する力を養う。
・『中学校道徳 読み物資料集』からテキストを選び、①テキストが提示する道徳的な価値を読み解く。同時に②提示された道徳的価値と、その提示のされかたに問題点がないかを批判的に吟味し、道徳の多様性の観点から授業内でレポートを作成する。
10 第10回 「道徳」と道徳教育を考える(2) ・「主と して人との関わりに関すること」について批判的に吟味し、道徳教育を実践する力を養う。
・『中学校道徳 読み物資料集』からテキストを選び、①テキストが提示する道徳的な価値を読み解く。同時に②提示された道徳的価値と、その提示のされかたに問題点がないかを批判的に吟味し、道徳の多様性の観点から授業内でレポートを作成する。
11 第11回 「道徳」と道徳教育を考える(3) ・「主と して集団や社会との関わりに関すること」について批判的に吟味し、道徳教育を実践する力を養う。
・『中学校道徳 読み物資料集』からテキストを選び、①テキストが提示する道徳的な価値を読み解く。同時に②提示された道徳的価値と、その提示のされかたに問題点がないかを批判的に吟味し、道徳の多様性の観点から授業内でレポートを作成する。
12 第12回 「道徳」と道徳教育を考える(4) ・「主と して生命や自然, 崇高なものとの関わりに関すること」を批判的に吟味し、道徳教育を実践する力を養う。
・『中学校道徳 読み物資料集』からテキストを選び、①テキストが提示する道徳的な価値を読み解く。同時に②提示された道徳的価値と、その提示のされかたに問題点がないかを批判的に吟味し、道徳の多様性の観点から授業内でレポートを作成する。
13 第13回 道徳教育の実践(1) 方法上の留意点  ・実際に道徳教育を実施する中で、教員が配慮すべき事柄を理解する。
・特に、学校の教育活動全体を通じて道徳教育が行われること、その要の役割を道徳の授業が担うことを把握し、学校における道徳教育としての道徳科のありかたを自覚する。加えて、この道徳教育が重視するものが特定の価値観の提示ではないこと、多様な道徳的価値の下にあるべき道徳を考えることが道徳教育の中心をなすことを把握し、実際に授業計画を作成し、道徳の授業を実施するための知識を身に付ける。
14 第14回 道徳教育の実践(2) 授業計画の作成 ・道徳教育を実施するにあたり、授業計画を作成する手法を身に付ける。
・実際に作成された授業計画を資料として用い、具体的な道徳教育の実践にあたって計画を作成する方法、計画作成にあたっての留意点を学ぶ。なお本講義後、課題として授業計画案の作成を受講者に課す。具体的には第8回~第11回講義のレポートでそれぞれの受講者が取り上げたテキストから一つを教材として選び、授業計画を作成するものとする。
15 第15回 「道徳」の原点を考える ・講義の締め括りとして、講義で取り上げた内容を振り返るとともに道徳を「更新」していくという営みについて考える。

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