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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/15 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
私法特別講義B(知的財産権制度入門)/Special Lecture on Civil Law B
授業コード
/Class Code
B204761001
ナンバリングコード
/Numbering Code
LAWd007
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
法学部/Law
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
火4(後期)/TUE4(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
後藤 多栄子/GOTOU TAEKO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
後藤 多栄子/GOTOU TAEKO 法学部/Law
授業の方法
/Class Format
講義と演習 対面授業
授業の目的
/Class Purpose
法学部の目的は、法化社会、国際化社会の時代に対応した法律学の研究教育を行い、法的 素養を身につけた職業人、そして国内外の公共的事柄に関心と責任感を持つた市民を養成することである。
 「ディプロマ・ポリシー」
知識・理解:法の理念および現実の社会における法の運用を踏まえて、法および政治について体系的に学修し、法化社会・国際化社会に対応した法的素養を身につけている。
汎用的技能:社会における各種の問題について、その要点を把握し、必要な情報を収集・分析して、法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すことができる。
志向性:地域社会から国際社会に至る国内外の公共的事柄に関心と責任感を持ち、公平性と客観性を重視した判断および行動ができる。
 「ディプロマ・ポリシー」に定めた教育目標を達成し、法的思考力(リーガルマインド)や政治学・国際関係の素養を生かして社会のさまざまな分野で活躍・貢献できる人材を育成するために、「カリキュラム方針」に基づいた教育を実施する。(1・2年次)専門知識と専門的思考力の基礎を固め、将来の進路について目標を探る。(3・4年次)専門知識と思考力を深化させ、応用力を修得するとともに、将来の進路目標を実現するを目指す。
 本授業において、知的財産法の制度を理解するために、知的財産の各法の運用について、事例を参照しながら、体系的に説明ができるようになる。知的財産に関する事案を学修することで、事例を通して論点を分析し、法的分析力や法的論理を通して、問題解決方向を導き出す能力を身につける。
 知的財産法である、特許法、著作権法、意匠法、商標法、不正競争防止法、そして、独占禁止法の基礎知識や制度やしくみを学修し、それぞれ少なくとも一つは事例を説明し、どこが論点であるかを議論できるようになる。市場のしくみと企業の経済活動の関連性に依拠しつつ、知的財産法の国内そして世界における役割についても学修し、国際特許や意匠や商標の登録方法を説明できるようになる。 
 国際機関(アメリカカ商務省・アメリカコロラド州政府日本支部・日本JICA)での約5年間にわたる実務経験を生かして、知的財産に関する条約や国際際的協定などを教示する。 
到 達 目 標
/Class Objectives
知的財産権法の仕組みや制度を学修し、基礎的な知識を身につける。国家試験の知財管理3級を取得できるように、各法律ごとの目的・定義・登録要件や手続きなどの項目を理解して人に説明できるようになる。Jplatpatを実際に使って、検索ができるようになる。日常において、常に知的財産についての興味をもち、ニュースなどに注意をはらうように習慣づけ、知財の事例を常に身近に感じる態度をみにつける。知的財産法の基礎知識をベースにして、知的財産に関する事例をすくなくとも4例は説明できるように、論点などを整理することで、分析するスキルを身につける。争点・論点の分析をすることで、論点整理をおこなう能力をみにつけ、他の事例との比較分析ができる基本的な法的技術を学修する。これらの過程をとおしてリーガルマインドを習得することを目標とする。もって、知的財産権法の体系的な知識と初学者としての態度や法律技術を習得し、活用できるようになる。問題点を見つけ分析し解決方法を見つける。
授業のキーワード
/Keywords
発明・特許・商標・意匠・著作権・独占禁止法 
ヒット商品・職務発明・生成AI問題
授業の進め方
/Method of Instruction
*知的財産権法(特許法・商標法・意匠法・不正競争防止法・著作権法・独占禁止法)のそれぞれの制度や法の仕組みについて講義形式でおこないます。
*代表的な知財事例を取り上げて、論点分析をおこなって論点を整理しつつ説明します。
裁判所、公正取引委員会、Jplatpatそれぞれのリサーチ方法を教授し、事例研究をおこなうスキルを習得できるように指導します。
課題:
*授業で学んだ内容のまとめ
*フォローアップとして学生たちの理解を確認し、必要ならば追加説明を行う。
小テスト:
*授業で学んだ基礎知識を各自確認し、使える知識として定着させる目的
*フォローアップとして、学生たちの解答後に正解を説明する。 
リサーチ:
*知財に関する事案や興味のある事例調査をし、論点分析・整理を行う。
*フォローアップとして、論点整理などを追加説明する。
履修するにあたって
/Instruction to Students
身の回りにある知的財産について興味をもって観察してください。どのように知的財産権が利用され活用されているかを調べてみてください。 
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
リサーチ:
*「最高裁HP」での特許法・商標法・意匠法・著作権法や独占禁止法の事例研究
*「特許情報プラットフォーム」(Jplatpat)での検索。
法律ごとに少なくとも1時間くらいの時間を使って調査をおこなう。
課題:
*授業で学んだことをまとめて提出。
複数回合計で約1時間ほどでまとめる。
*小テスト:
*知的財産制度全体の体系のみならず、各法律の目的・定義・登録要点などの確認。
複数回合計で約3時間

*普段から知財に関する身近な例に関心をもって、どのように活用されているかに興味をもつ態度を身につけてください。最初は毎日30分程度でいいので関心をもってみると、徐々に時間がのびてくるようになります。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
*知的財産権法(特許法・商標法・意匠法・不正競争防止法・著作権法・独占禁止法)
課題:
*授業で学んだ内容のまとめ
*フォローアップとして学生たちの理解を確認し、必要ならば追加説明を行う。
小テスト:
*授業で学んだ基礎知識を各自確認し、使える知識として定着させる目的
*フォローアップとして、学生たちの解答後に正解を説明する。 
リサーチ:
*知財に関する事案や興味のある事例調査をし、論点分析・整理を行う。
*フォローアップとして、論点整理などを追加説明する。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
成績評価は、以下の各評価要素を括弧内に記載した割合で評価する。
*事例研究課題(40%)*授業のまとめ課題(40%) *小テスト(20%)
*定期(期末)テストなし
テキスト
/Required Texts
指定なし。
必要な資料は配布
参考図書
/Reference Books
知的財産権六法・Jurist 特許判例百選・商標・意匠・不正競争判例百選・著作権判例百選
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 知的財産法総論 知的財産法とは知的財産の権利保護と利用促進により産業の発達もしくは文化の発展に寄与することを目的とした法規の総称である。知的財産の種類、保護体系および知的財産法に含まれる各法とその概要について講義する。
2 2 ヒット商品 ヒット商品とヒットしない商品の違いについて考察する。ヒット商品とその理由、ヒットする期間、ヒットする価格層などについて、ヒット商品のアイデア創出方法や具現化する過程などを調査し考察する。 
3 3 どのように守るのか 企業秘密やノウハウを企業はどうやって守っているのか考察する。知財法で保護する場合やコカ・コーラの製法のように企業秘密として守ることもできる。特許権を盾に守るか、不正競争防止法で不正な偽物を阻止するか、議論を深める。
4 4 知財検定 *国家試験* 知的財産管理技能検定試験について講義する。就職準備や就職してからの付加価値として資格はとても重要である。知財関連で、技能士という国家資格が取れる制度がある。
http://www.kentei-info-ip-edu.org/ を参照する。
5 5 弁理士の仕事 パテントローヤー、つまりpatent lawerとは弁理士のことである。英語で表記すると弁護士という単語のlawerが含まれている。知財と深いつながりがある職業の弁理士について、どうやって資格をとるのか、どんな仕事をするのかを講義する。
6 6 アイデアで権利をとる よいアイデアが浮かんできた時にどうしますか。人に話してしまうと、そのアイデアを人が勝手に使って商品化してしますこともあります。アイデアが浮かんできたらまず書き留めることが肝要です。不完全な状態で構わないので、アイデアを書き留め、改良していく。アイデア創出から試作品作成、そして商品化のプロセスを講義します。
7 J-plat-pat「特許情報プラットフォーム」 データベースにアクセスしてみよう 実例研究のための実習として、特許庁のデータベース、J-plat-pat「特許情報プラットフォーム」の使用方法を学修して活用できるようになる。検索調査を行うことで、実際に知的財産(特許・商標・意匠など)の登録にどのような実例があるかを学ぶことができ、研究報告の事例を行う際の理解を深めることができるようになる。
8 8 特許法
*発明=>特許
特許法は産業財産権の中核をなす法律である。特許法は発明を保護することにより産業の発達に寄与することを目的としている。日本の特許制度の沿革の説明をとおして、特許制度の基礎を理解し、保護対象についてさらに理解を深める。
特許に関する手続きについて概説する。特許出願の意義や効果、また、先願主義と先発明主義の違いや審査手続き、そして、特許の登録要件や査定について講義する。 また、特許権侵害と救済についても議論する。
実用新案法の概要を説明する。保護対象や登録要件や出願手続きそして実用新案権の効力について講義する。
9 商標法
*カーネルサンダース像もコンビニの3色も登録
商標法は、商標を使用するものの信用を維持して産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的としている。企業にとって商標の役割や、商標法の保護対象について事例をあげて講義をおこなう。
商標の役割や商標法の目的や保護対象の理解を踏まえ、商標登録を受けるための要件、商標登録の手続について具体例をあげて講義をおこなう。商標の役割や商標法の目的や保護対象、商標登録を受けるための要件そして商標登録の手続についての理解を踏まえて、商標権の効力と権利侵害と救済について講義をおこなう。
10 10 意匠法
*回転すし店内装も登録
意匠法は、デザインという創作を保護する法で、権利の保護と利用を図ることによって産業の発達に寄与することを目的としている。意匠法の目的と保護対象や意匠登録を受けるための要件について講義をおこなう。
意匠法の目的や保護対象、そして意匠登録を受けるための要件の理解をふまえて、意匠権付与の手続や意匠権の効力、権利侵害と救済について講義する。
デザインといっても多種多様な分野で使用されています。デザインの活用されている分野を調査研究し、どのように保護されているのかを理解します。不動産がデザイン(意匠権)で権利がとれるようになりました。実例を使用して講義します。
11 11 経済憲法
*市場での競争
同じ市場で競争している事業者同士で話し合いをすることは違法でしょうか。話をする内容によります。カルテル行為とはどのような行為かを講義し、実例を使用して違法であるカルテル行為について分析することができるようになる。
公正取引委員会の役割を講義します。特許や実用新案、そして意匠や商標といえば、特許庁です。著作権は文化庁の管轄です。同じく行政機関として公正取引委員会は独占禁止法の運用を行っています。公取の役割を講義することにより、知財と独禁法の関連性を学びます。
12 12 独占禁止法
*カルテルや談合事件
経済法総論として、独禁法の歴史上の位置づけの推移、そして目的と体系について概説するとともに、事業者や取引分野や競争制限について講義する。
私的独占、不当な取引制限(カルテル)そして不公正な取引方法についてのそれぞれの禁止行為類型について、判例や審判などの関連事例を使用しつつ講義する。
13 13 知財権と独禁法の関係 知的財産法による権利行使の適用除外規定(独禁法21条)を説明し、競争政策と知的財産制度との関連を議論する。
ぱちんこメーカーがそれぞれ取得している特許や実用新案を貸し借りすると煩雑な時間と手間がかかります。そこで管理する会社を作って管理運営をしました。これらの行為は合法な事業活動です。しかし独占禁止法違反となった事件の論点を議論して、知財権が含まれる事案であるが、独禁法違反となった理由を考察する。
14 14 著作権法
*生成AI問題
著作権法は文化的所産の公正な利用に留意しつつ権利の保護を図ることによって文化の発展に寄与するための法律である。著作権は、創作された時点で発生する権利で、特許権などの産業財産権とは異なっている。著作権法の沿革や目的ついて講義する。著作権法の保護対象である著作物、そして、権利者である著作者について講義する。
著作権の保護期間や消滅理由、 著作権の制限と著作隣接権について説明する。権利侵害について、実例を通して民事上の救済について議論する。SNSやAIの関連した事案を考察する。
15 15 海外で知財権取得 知的財産法は各国ごとに制定されており、その内容も各国で同一でないため、知的財産の国際的な保護の面で多くの課題がある。そこで知的財産法の国際的調和および条約について講義する。 
海外で知的財産権を取得するには、取りたい国へ個別に申請する方法と条約を利用する方法がある。条約などを利用する場合、WIPO・パリ条約・PCT・マドプロ・商標法条約などの理解が不可欠である。権利獲得方法を教授し、利点等を議論する。

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