科目一覧へ戻る | 2025/03/24 現在 |
開講科目名 /Class |
比較憲法/Comparative Constitutional Law |
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授業コード /Class Code |
B204591001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
LAWc022 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2025年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月3(後期)/MON3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
塚田 哲之/TSUKADA NORIYUKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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塚田 哲之/TSUKADA NORIYUKI | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この講義は、法学部のDPで示す、「法化社会・国際化社会に対応した法的素養」の習得、および「地域社会から国際社会に至る国内外の公共的事柄に関心と責任感を持」つため、3年次配当のコース選択科目として設けられたものである。 伝統的に大学で講じられてきた「比較憲法」においては、日本以外の外国憲法(主に英米独仏)と日本の憲法とを比較し、日本国憲法の解釈論に貢献することが主要な課題とされてきたが、この講義では、アメリカ合衆国の憲法・憲法理論を歴史的に概観し、特徴的な領域についてはやや詳しく取り上げることを通して、日本の憲法(学)にとってアメリカの憲法・憲法理論を参照する意義を考えることを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
(1)合衆国憲法の基本原理と主要な規定内容について、説明できる。 (2)司法審査を中心とする合衆国憲法の歴史的展開の概要について、説明できる。 (3)日本国憲法と合衆国憲法の共通性とそれぞれの特殊性について、説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
合衆国憲法、連邦制、司法審査、権利章典 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
・講義は、配布するレジュメに沿って行う。レジュメ・資料の配付は、原則としてMoodleを用いる(詳細は、第1回のガイダンスで説明する)。 ・授業に関する連絡、レポート提出についても、Moodleを用いる。 ・授業に関する質問は、担当者宛の電子メールで受け付ける。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
「憲法IA(人権総論)」、「憲法IB(人権各論)」および「憲法Ⅱ(統治機構)」の単位取得程度(または並行して受講中)の理解を前提として講義を行うため、これら科目の復習を十分しておくこと。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
毎回の講義内容について、事前に参考書を用いた予習(2時間程度)、事後に参考書・レジュメ・ノートを用いた復習(2時間程度)を行うことが求められる。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
中間レポートを課す可能性がある。詳細については講義中に指示する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験(論述式)100%。ただし、中間レポートを課した場合は、定期試験(論述式)75%、中間レポート25%とする。 評価は、上記「到達目標」に照らし、講義で扱った内容の理解度、具体的問題についての検討内容を中心に行い、文章表現力を加味する。 なお、定期試験の実施に代えて、期末レポートの提出を求める可能性がある(期末レポートの評価割合は定期試験と同じ)。定期試験と期末レポートのいずれを実施するかについては、12月初旬頃に講義中およびMoodleで連絡する。 |
テキスト /Required Texts |
・テキストは指定しないが、アメリカ憲法の概説書として「参考図書」欄記載の④⑤⑧のうちいずれか(または複数)を図書館などで参照することが望ましい。 ・また、初宿正典・辻村みよ子編『新解説世界憲法集 第5版』(三省堂、2020年)または高橋和之編『新版 世界憲法集 第2版』(岩波文庫、2012年)を持参することが望ましい。 |
参考図書 /Reference Books |
①樋口陽一『比較憲法〔全訂第三版〕』(青林書院、1992年) ②辻村みよ子『比較憲法 第3版』(岩波書店、2018年) ③倉持孝司・村田尚紀・塚田哲之編著『比較から読み解く日本国憲法』(法律文化社、2022年) ④松井茂記『アメリカ憲法入門〔第9版〕』(有斐閣、2023年) ⑤樋口範雄『アメリカ憲法[第2版]』(弘文堂、2021年) ⑥小竹聡・塚田哲之編著『アメリカ憲法判例の展開2015-2018』(日本評論社、2023年) ⑦阿川尚之『憲法で読むアメリカ史(全)』(ちくま学芸文庫、2013年) ⑧リチャード・H・ファロン・Jr.『アメリカ憲法への招待』(三省堂、2010年) ⑨スティーブン・ブライヤー『アメリカ最高裁判所』(岩波書店、2016年) ⑩リンダ・グリーンハウス『アメリカ連邦最高裁判所』(勁草書房、2024年) その他:六法、「憲法IA」「憲法IB」「憲法II」で使用したテキスト |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | イントロダクション・合衆国憲法の制定(1) | 外国憲法を学ぶ意義 合衆国憲法前史(独立〜連合規約) |
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2 | 第2回 | 合衆国憲法の制定(2) | 合衆国憲法制定史(起草〜批准) | |
3 | 第3回 | 合衆国憲法の基本原理 | 人民主権、連邦制、権利章典の追加 | |
4 | 第4回 | 司法審査制の成立 | マーベリー対マディソン事件 | |
5 | 第5回 | 合衆国憲法の歴史(1)──19世紀 | 連邦制、南北戦争と第13〜15修正の成立 | |
6 | 第6回 | 合衆国憲法の歴史(2)──20世紀① | 自由放任主義(ロックナー期)、革新主義 | |
7 | 第7回 | 合衆国憲法の歴史(3)──20世紀② | ニュー・ディールと「憲法革命」、第2次世界大戦 | |
8 | 第8回 | 合衆国憲法の歴史(4)──20世紀③ | 冷戦とウォーレン・コート | |
9 | 第9回 | 合衆国憲法の歴史(5)──1970年代以降 | 最高裁の保守化と現代的争点(ブッシュ対ゴア事件、銃規制、オバマケア等) | |
10 | 第10回 | 表現の自由(1)──表現の自由保障の歴史 | 最高裁における表現の自由保障の確立と展開 | |
11 | 第11回 | 表現の自由(2)──各論 | 表現内容に基づく規制・表現内容中立規制 | |
12 | 第12回 | 平等保護条項 | アファーマティブ・アクションに関する判例の展開 | |
13 | 第13回 | デュー・プロセス条項と「基本的権利」 | 人工妊娠中絶に関する判例の展開 | |
14 | 第14回 | 大統領権限 | 大統領権限に対する司法的統制 | |
15 | 第15回 | アメリカを比較憲法の対象とする意義 | 日本国憲法の理解にとってアメリカ憲法を参照することの意義 ※講義後、試験実施 |