科目一覧へ戻る | 2024/09/18 現在 |
開講科目名 /Class |
刑法総論Ⅰ/Criminal Law : General PartⅠ |
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授業コード /Class Code |
B203111004 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
LAWb005 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
火3(前期)/TUE3(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
佐竹 宏章/SATAKE HIROYUKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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佐竹 宏章/SATAKE HIROYUKI | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
刑法学は、犯罪と刑罰に関する法を対象にする学問であり、犯罪の一般的な理論(犯罪論)と刑罰に関する理論(刑罰論)を扱う「刑法総論」と、個別の犯罪の罪質や成立要件などを扱う「刑法各論」に分類される。本講義(刑法I)では、「刑法総論」の前半部分を扱う(刑法IIで後半部分を扱うことを予定している)。具体的には、刑法の基本原則である罪刑法定主義を扱った後、単独で犯罪を実行する場合(単独犯)を念頭において、構成要件、因果関係、不作為、同意、正当防衛、緊急避難、責任能力、故意、過失などを扱う。受講生は、刑法Iと刑法IIを学ぶことにより、刑法の基礎的知識を習得し、それを用いて「法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すこと」(法学部DP2)ができるようになることを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
本講義の到達目標は、以下の3点である。 ①刑法総論に関する基礎的知識(専門用語の意義,判例や学説など)を習得すること(知識) ②上記①の基礎的知識を用いて,刑法総論において問題になり得る具体的事例を分析する能力を習得すること(知識、態度・習慣、技能) ③上記①の基礎的知識を用いて,刑法総論において問題になり得る具体的事例の処理方法を説得的に論証する能力を習得すること(知識、態度・習慣、技能) |
授業のキーワード /Keywords |
刑法総論、罪刑法定主義、構成要件、違法性、責任 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
教科書の予習を前提に、レジュメ及びスライドを用いた講義形式で進める。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
「刑法と社会」、「刑法概論」を履修していることが望ましい。教科書や授業でわからないことがあれば、適宜質問して解消する意識を持つようにしてください。理解できていない部分を自分自身で把握できていることは、今後の成長のために非常に重要です。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
予習としては、事前に教科書の指定頁を読むことが必要である(目安として、60分)。復習としては配布レジュメ及び教科書を用いて、授業レジュメに記載の確認問題に取り組むことが必要である(目安として60分)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業内課題を実施する際はコメントペーパーを提出する。授業内で適宜フィードバックを行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
成績評価の内訳は、定期試験70%、小テスト20%、平常点(授業内課題)10%とする。到達目標①を検証するのが、小テストで、到達目標②③を検証するのが、平常点(授業内課題)、定期試験である。 |
テキスト /Required Texts |
松宮孝明『刑法総論講義 [第5版補訂版]』(成文堂、2018年) |
参考図書 /Reference Books |
佐伯仁志=橋爪隆編『刑法判例百選I [第8版]』(有斐閣、2020年) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 刑法総論の導入 | 刑法総論の導入として、刑法の意義、犯罪と刑罰の意義、刑法の基本原理などを説明する。 | |
2 | 第2回 | 罪刑法定主義 | 刑法の基本原理の一つである罪刑法定主義及びその派生原理などを説明する。 | |
3 | 第3回 | 刑法の適用範囲、犯罪体系、構成要件 | 刑法の適用範囲、犯罪体系、構成要件の意義などを説明する。 | |
4 | 第4回 | 作為犯と不作為犯 | 作為犯と不作為犯に関する学説や判例などを説明する。 | |
5 | 第5回 | 因果関係と客観的帰属(1) | 因果関係が論点になる場合などを整理して、条件関係の意義、相当因果関係などを説明する。 | |
6 | 第6回 | 因果関係と客観的帰属(2) | 危険の現実化説、客観的帰属論、因果関係に関する判例などを説明する。 | |
7 | 第7回 | 故意 | 故意の類型について整理して、未必の故意に関する学説などを説明する。 | |
8 | 第8回 | 過失 | 過失の意義や判断方法、管理監督過失などを説明する。 | |
9 | 第9回 | 違法論の基礎、違法性阻却事由の概観 | 違法の意義に関する議論を概観した上で、どのような違法性阻却事由が存在するか概観する。 | |
10 | 第10回 | 被害者の同意 | 被害者の同意の意義、問題になる場面を確認した上で、学説や判例などを説明する。関連して、安楽死・尊厳死などについても扱う。 | |
11 | 第11回 | 正当防衛(1) | 正当防衛の正当化根拠に関する議論を概観した上で、正当防衛の成立要件を説明する。 | |
12 | 第12回 | 正当防衛(2) | 自招防衛、過剰防衛、誤想防衛などを説明する。 | |
13 | 第13回 | 緊急避難 | 緊急避難の不処罰根拠に関する議論を概観した上で、緊急避難の成立要件を説明する。 | |
14 | 第14回 | 責任論の基礎、責任阻却事由の概観 | 責任の意義に関する議論を概観した上で、責任阻却事由として、責任無能力、刑事未成年、期待可能性の欠如などを説明する。関連して、限定責任能力や原因において自由な行為なども扱う。 | |
15 | 第15回 | 刑法Iの総括及び答案の書き方 | 定期試験に向けて、単独犯の罪責の検討方法、答案の書き方を解説する。 |