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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/15 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
演習Ⅱ/Seminar Ⅱ
授業コード
/Class Code
B201111017
ナンバリングコード
/Numbering Code
LAWe004
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
法学部/Law
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
通年/FULL-YEAR
曜日・時限
/Day, Period
火3/TUE3
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
田中 康博/TANAKA YASUHIRO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
田中 康博/TANAKA YASUHIRO 法学部/Law
授業の方法
/Class Format
演習
授業の目的
/Class Purpose
この科目は、法学部ディプロマ・ポリシーのうち、「1.知識・理解」(「法の理念および現実の社会における法の運用を踏まえて、法および政治について体系的に学修し、法化社会・国際化社会に対応した法的素養を身につけている。」)を達成していることを前提にして、「2.汎用的技能」「3. 志向性」に対応し、社会における各種の問題について、その要点を把握し、必要な情報を収集・分析して、法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すことができ、「公平性と客観性を重視した判断および行動ができる。」ようになることを目的とする。
民法解釈適用上の重要な問題としてこれまで盛んに議論されてきたテーマの中からいくつかの判決を取り上げ、ゼミ生相互の討論を通じてその判決に関する問題点を様々な角度から深く掘り下げて検討・考察することにより(「汎用的技能」)、法学部生として不可欠な、さまざまな角度からものごとを見る目を十全なものとするとともに、民法についての体系的理解を深める(「公平性と客観性を重視した判断および行動ができる。」)。
到 達 目 標
/Class Objectives
【到達目標】
1.民法上の専門用語・概念を的確に使える(「1.知識・理解」)。
2.対象判決検討の前提して判決で問題となった民法上の諸制度・諸規定について、なぜそのような制度・規定が設けられたのか、その趣旨を理解する(「1.知識・理解」)。
3. 判決の内容の本質を的確につかむとともにそれを法的に解析できる(「2.汎用的技能」)。
4. 法的判断に必要な判例をはじめとする文献を収集し正確に読み取ることができる(「2.汎用的技能」)。
5. 自らの意見を法的に構成しなおして説得的に主張することができる(「2.汎用的技能」「3. 志向性」)。
6. 相手の主張を的確につかんだ上で反論することができる(「2.汎用的技能」「3. 志向性」)。
 
授業のキーワード
/Keywords
民法  財産法  判例  最高裁判決  事例問題
授業の進め方
/Method of Instruction
1.一つのテーマごとにあげている検討判決については1本を「チェックシート」(1回目で配布し、且つ説明する)に従い基本的には2回~3回かけて一審から丁寧に読んでいく(所謂「レポーターによる報告とはしない)。その際、理解の手助けとなる設問を配布する。
2.基本となる判決については教員で準備して、当該テーマの開始前週のゼミで配布する(但し、【講義番号1】については1回目のゼミで配布する)。
3.ゼミは、受講者が予めの指示に従い予習してい臨んでいることを前提に、質疑応答方式により行う(基本的には、教員の質問に対して指定された受講生がこれに答えるとの方式であるが、受講生同士の質問も勿論許される(むしろ大いに奨められる))。
4.教員・他の受講生の質問に対する応答、受講生による他の受講生に対する質問が評価基準に所謂「講義への貢献(教室での発言など) 」であり、毎回一定の点数をつけ、100点満点で20点分を割り当てる。なお、応答を要求された場合は沈黙は認められない。
5.ゼミ終了後は理解の程度を、設問により確認しつつ十分に復習しなければならない
6.受講者の座席はこれを指定する。
7.言うまでもないが講義を妨害する行為は一切これを認めない(場合によっては退室を命ずる)。 
履修するにあたって
/Instruction to Students
・無断欠席は認めない。無断欠席については1回について最終評価から10点減点する。
・20分を超える遅刻は欠席と看做す。また遅刻については、当該回の終了後直ちにその理由を申告すること。申告しない場合には20分以内の遅刻については無申告1回について最終成績から5点を、20分を超える遅刻については無申告1回について最終成績から10点を減点する。 
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
この科目では、予習・復習等のために1回の講義あたり4時間の講義時間以外での学修が必要となる。学修方法の概要は以下のとおりであり、予習が中心となる。
1.第2回については第1回に配布する資料の指示に従い予習し、自分がわらないことを明らかにする。
2.第3回以降は、それぞれの主題ごとの主たる検討判決について、一回目に配布する「チェックシート」に従い、一審・控訴審・上告審の各判決について検討する。
3 .各講義終了後は、各自の疑問点等が解消できたか復習することによってこれを確認する。
 
提出課題など
/Quiz,Report,etc
前期課題・後期課題(「成績評価方法・基準」の項目参照)以外の課題提出はない
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
・次の①から③までの方法により、目標の到達度をはかる。
①ゼミへの貢献(ゼミでの発言等)    20点
②前期課題  40点
③後期課題  40点
(課題については各々別途指示する。また課題は、採点終了後添削の上返却し、講評する。)
3分の2以上の出席者で且つ①②③の合計が60点以上を合格とする。

テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
・木庭顕・笑うケースメソッド  現代日本民法の基礎を問う(2015年、勁草書房)
・民法と社会・民法Ⅰ・民法Ⅱ・民法Ⅲで使用した教科書
・民法Ⅳ・民法Ⅴ・担保物権法で使用する教科書
⇒:以下は、講義で使用するわけではない。しかし、各自で学修することが望ましい:
・横田明美・カフェパウゼで法学を  対話で見つける<学び方>( 2018年、弘文堂)
・井田良=佐渡島沙織=山野目章夫・法を学ぶ人のための文章作法(2016年、有斐閣)
・野矢茂樹・まったくゼロからの論理学(2020年、岩波書店)
 
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 【講義番号1】  第01回~第06回 テーマ01  遺産共有」と単純共有
《最判1955年5月31日民集9巻6号793頁》前橋事件
《最判1975年11月7日民集29巻10号1526頁》高槻津之江事件
《最判2013年11月29日民集67巻8号1736頁》江東区亀戸事件
第01回 《最判1955年5月31日民集9巻6号793頁》》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
2 承前 第02・03回《最判1975年11月7日民集29巻10号1526頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
3 承前 第04・05回《最判2013年11月29日民集67巻8号1736頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
4 承前 第06回  3つの判決を、事実の違いに注意しつつ、比較検討し、それぞれの判決で示された理論を、2021年改正法も踏まえて、理解する。
5 【講義番号2】 第07回~第12回 テーマ02 共有者の権利の主張・行使
《最判1956年5月10日民集10巻5号487頁》長野上田事件
《最判1971年10月7日民集25巻7号885頁》埼玉飯能事件
《最判2003年7月11日民集57巻7号787頁》
《最判2010年4月20日判時2078号22頁金融・商事判例1356号17頁》高知いの事件
第07・08回 (1)《最判1971年10月7日民集25巻7号885頁》判決の検討を通じて前提となる手続法  上の問題を明確にする。
(2)《最判1956年5月10日民集10巻5号487頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
6 承前 第09・10回  《最判2003年7月11日民集57巻7号787頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
7 承前 第11回 《最判2010年4月20日判時2078号22頁金融・商事判例1356号17頁》金融商事判例誌に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
8 承前 第12回 1974年埼玉飯能事件を除く、3つの判決を、事実の違いに注意しつつ、比較検討し、それぞれの判決で示された理論を、2021年改正法も踏まえて、理解する。
9 【講義番号3】第13回~第18回 テーマ03  預金契約をめぐる問題:誰が預金者かを中心に
《最判1973年3月27日民集27巻2号376頁》
《最判1996年4月26日民集50巻2号1267頁》トウシン事件
《最判2003年2月21日民集57巻2号95頁》 余市・小樽商工信組事件
《最判2003年6月12日民集57巻6号563頁》「鬼さんこちらあかんべえ事件」(木庭顕教授の命名による)
第13回  《最判1973年3月27日民集27巻2号376頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
10 承前 第14回 《最判1996年4月26日民集50巻2号1267頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
11 承前 第15回  《最判2003年2月21日民集57巻2号95頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する
12 承前 第16回 《最判2003年6月12日民集57巻6号563頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
13 承前 第17・18回  4つの判決を、事実の違いに注意しつつ、比較検討し、それぞれの判決で示された理論を、理解する。また併せて問題演習にも取り組む(問題については別途配布する)。
14 【講義番号4】  第19回~第24回 テーマ04  遺産分割までの相続財産の使用と収益:遺産分割の「遡及効」
《最判1966年5月19日民集20巻5号947頁》
《最判1996年12月17日民集50巻10号2778頁》「「五反田」の自転車さん事件」(木庭顕教授の命名による)
《最判2000年4月7日判時1713号50頁》
第19・20回  《最判1966年5月19日民集20巻5号947頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
15 承前 第21・22回  《最判1996年12月17日民集50巻10号2778頁》判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
16 承前 第23回 《最判2000年4月7日判時1713号50頁》登載誌に紹介された上告理由・上告審判決についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
17 承前 第24回   3つの判決を、事実の違いに注意しつつ、比較検討し、それぞれの判決で示された理論を、2021年改正法も踏まえて、理解する。
18 【講義番号5】第25回~第30回 テーマ05  物上代位:先取特権・抵当権に基づく
《最判1985年7月19日民集39巻5号1326頁》
《最判1998年3月26日民集52巻6号483頁》
《最判1998年1月30日民集52巻1号1頁》
《最判2005年2月22日民集59巻2号314頁》
第25・26回  (1)《最判1985年7月19日民集39巻5号1326頁》
(2)《最判1998年3月26日民集52巻6号483頁》
(1)(2)のそれぞれについて、判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
19 承前 第27・第28回 (3)《最判1998年1月30日民集52巻1号1頁》
(4)《最判2005年2月22日民集59巻2号314頁》
(3)(4)のそれぞれについて、判例集に紹介された一審・控訴審・上告審についてそれぞれ「チェックシート」に従い確認し、質疑応答を通じて受講生が説明する。
20 承前 第29・30回  4つの判決を、事実の違いに注意しつつ、比較検討し、それぞれの判決で示された理論を、理解する。また併せて問題演習にも取り組む(問題については別途配布する)。

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