シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/15 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
演習Ⅰ/Seminar Ⅰ
授業コード
/Class Code
B201101005
ナンバリングコード
/Numbering Code
LAWe003
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
法学部/Law
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
通年/FULL-YEAR
曜日・時限
/Day, Period
木2/THU2
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
表田 充生/OMOTEDA MITSUO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
表田 充生/OMOTEDA MITSUO 法学部/Law
授業の方法
/Class Format
演習方式。 
授業の目的
/Class Purpose
 演習Ⅰにおいては、皆さんが将来社会人となった際に身近な法の1つとなってくる労働法の基礎知識や全体像を把握することを主たる目標とし、法学部のDPに示された法的素養を身につけ、労働法に関する基礎的な問題について法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すことができるようになる第一歩を踏み出すことを目指します。
 なお、演習Ⅰは、「演習科目」に属し、基礎演習A及びBで培った法的素養を専門分野においてより深めていくための科目として位置づけられています。

 労働法の領域には、個々の労働者と使用者との関係が主として問題とされる個別的労働関係法(雇用関係法)と、労働者が団結して結成された労働組合と使用者との関係等を規整対象とする集団的労働関係法(労使関係法)という2つの主要な領域があります。ただ、近年の労働立法の動向や、労働法を初めて学ぶ人にとっての必要性等から、演習Ⅰでは、「個人としての労働者」に焦点を当てて、前者の個別的労働関係法を中心に検討していきます。
 労働基準法や労働契約法を中心としながら、採用内定(「採用内定とは法的にどのような意味を持っているのか?」、「採用内定が取り消されたらどうなるのか?」)、労働条件の変更(「雇い主によって給料やボーナスが一方的に不利益に変更された場合、そのまま給料やボーナスは減ってしまうのか?」)、転勤・出向命令(「転勤命令が出されたものの、それに従いたくない場合はどうしたらいいの?」)、懲戒処分(「懲戒解雇(免職)されたけれど、納得いかない場合は?」)及び解雇の問題、さらには職場における男女平等(「男性労働者と女性労働者で労働条件に違いがある場合、法的にはどのように考えればいいの?」、「職場においてハラスメントを受けた場合、どうしたらいいの?」)や非正規雇用(「正社員と比べて短時間しか働かないパート勤務だけど、パート勤務の者も有給[年次有給休暇]って取得できるの?」)の問題等を皆さんと共に考察していきます。具体的な事例を検討していく中で、職場におけるワーク・ルールの基本を身に付けていってほしいと願っています。
 なお、労働法を学ぶうえで必要となる民法(特に契約法部分)や憲法の基本知識も確認していきます。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.職場におけるルールである労働法の基本的知識を説明することができる。
2.民法の契約法や憲法の基本的人権も踏まえながら、労働法的なものの考え方を修得することができる。
3.労働法上の特定のテーマについて、自らの意見を述べ、同級生の意見を聴き(それを尊重し)、相違点に
  つき思考したうえで、建設的な議論ができる。
授業のキーワード
/Keywords
 労働法の基礎、ワーク・ルール、賃金・労働時間、解 雇、採用内定、格差社会、職場における男女の平等、ハラスメント 等。
授業の進め方
/Method of Instruction
 授業は、基本的には3〜5名でグループを作り、一定のテーマについて報告していただき、その報告をベースにゼミ生皆さんで議論していただく形を採ります。もっとも、春学期の前半は質疑応答を交えた講義形式で進めながら、皆さんに議論等していただく予定です。なお、春学期・秋学期の授業計画における報告テーマについては、4月及び9月にゼミ受講生の皆様と相談のうえ若干変更する場合もあります。
履修するにあたって
/Instruction to Students
 ゼミでの報告や議論などにおいて積極的な姿勢で臨む、勉学意欲の高い学生さん、一緒に労働法を学んでいきましょう! 演習Ⅰにおいては労働法の基本事項を学んでいきますが、授業の中でしっかり考えていただくことと、授業後は一定時間復習を行っていただくことを求めます。また、日頃から労働法に関わるニュース等に興味を持って下さい。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
 毎回の予習及び復習の時間の目安はそれぞれ90分〜120分である。ただし、報告担当となった場合は相応の時間を要することとなる。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
 成績評価方法・基準にも記載してある「課題レポート」を年度末(第29回講義時)に提出していただきます。この課題レポートについては最終講義時に全体的にコメントします。
 また、成績評価対象となる授業内レポートについては、その次の授業において記述及び評価のポイントを講述し、グループ報告に関しては、その都度コメントします。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
 出席を前提に、授業における積極的な発言状況・内容や授業内レポート(40%)、グループによる報告内容(30%)、及び、年度末の課題レポート(30%)に基づき評価を行います。
テキスト
/Required Texts
 大内伸哉『最新重要判例200労働法[第8版]』(弘文堂、2024年)
参考図書
/Reference Books
 安枝英訷・西村健一郎『労働法[第13版]』(有斐閣、2021年)、
   浜村彰ほか『ベーシック労働法[第8版]』(有斐閣、2020年)、
 その他の参考文献等については開講時に説明します。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 職場におけるルールについて 〜労働法とは何か?〜 労働法を学ぶ上で必要な事柄、労働法へのイントロダクション、ゼミ(演習Ⅰ)の進め方及び学び方について。なお、第4回から第15回の授業内容については、この第1回及び翌週第2回の授業時にゼミ生の皆様と相談のうえ、ゼミ生皆様の希望があれば各テーマの取扱回数も含め若干の変更をする場合もあります。
2 第2回 労働法上の様々な問題点について① 労働法上、具体的にどのようなことが問題となるのか、賃金や労働時間の問題、懲戒処分や解雇の問題などについて考えます。
3 第3回 労働法上の様々な問題点について② 憲法と労働法との関係について、及び、労働組合とは何か?
4 第4回 採用内定の取消しについて考えよう① 採用内定の問題についてグループ報告(第1回)を基に議論します。
5 第5回 採用内定の取消しについて考えよう② 採用内定の法的性質、採用内定の取消しについて。
6 第6回 採用内定の取消しについて考えよう③ 採用内定期間中の法律関係、採用内々定の取消し問題について。
7 第7回 労働時間(残業)について考えよう① 労働時間(残業)の問題についてグループ報告(第2回)を基に議論します。
8 第8回 労働時間(残業)について考えよう② わが国の労働時間法制の全体像、時間外労働義務・休日労働義務等について。
9 第9回 労働時間(残業)について考えよう③ サービス残業、労働時間の適用除外の問題等について。
10 第10回 労働契約の終了(解雇等)について考えよう① 労働契約の終了(解雇等)の問題についてグループ報告(第3回)を基に議論します。
11 第11回 労働契約の終了(解雇等)について考えよう② 解雇を制約するルールはどのようになっているのかを知ろう!
12 第12回 労働契約の終了(解雇等)について考えよう③ 解雇権濫用法理、整理解雇の4要件ないしは4要素等について。
13 第13回 セクシュアル・ハラスメントの問題について考えよう① セクシュアル・ハラスメントの問題についてグループ報告(第4回)を基に議論します。
14 第14回 セクシュアル・ハラスメントの問題について考えよう② セクシュアル・ハラスメントの定義、及び、救済について。
15 第15回 セクシュアル・ハラスメントの問題について考えよう③、及び、春学期に取り扱ったテーマについての今後の展望等 その他のハラスメントについて、及び、春学期に学んだ事項についての今後の展望について。
16 第16回 労働法上のテーマの選択 個別的労働法関係のなかの各テーマにつき秋学期のゼミにおいて取り扱うべきテーマを考え決定します。また、秋学期のゼミの進行や学び方等について説明します。
17 第17回 〜第29回 第17回〜第29回の授業については、概ね2~3回分の授業を1セットとして一定のテーマを取り扱っていきます。どのようなテーマを対象とするかは、「内容」欄記載のテーマの中から、秋学期初回の授業でゼミ生の皆さんと相談のうえ決定していきたいと思います。 秋学期に取り扱うテーマとしては、例えば、
 (1)格差社会を考える〜非正規雇用の問題について〜
 (2)転勤命令に背いたらどうなるのか?
 (3)過労死・過労自殺の問題について考える
 (4)賃金や退職金の支払いに関するルールにはどのようなものがあるのだろう
 (5)就業規則って何? 〜労働条件の決定や変更について考える〜
 (6)職場における男女の平等について考えよう
 (7)年次有給休暇のルールってどのようになっているのだろう
などです。ゼミ生の皆さんと相談のうえ決定したいと思います。
18 第30回 秋学期に取り扱ったテーマについての今後の展望等 この秋学期にゼミで学んだ事項に関する今後の展望について検討します。

科目一覧へ戻る