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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/15 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
法哲学/Philosophy of Law
授業コード
/Class Code
B200691001
ナンバリングコード
/Numbering Code
LAWc056
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
法学部/Law
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
土1(後期),土2(後期)/SAT1(AUT.),SAT2(AUT.)
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
山本 展彰/YAMAMOTO NOBUAKI
遠隔授業
/Remote lecture
Yes

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
山本 展彰/YAMAMOTO NOBUAKI 法学部/Law
授業の方法
/Class Format
本授業は、オンライン(オンデマンド形式)により行う。
なお、質問はMoodleのフォーラム機能を用いて受け付けるので、積極的に活用してほしい。
授業の目的
/Class Purpose
法哲学とは、法の個別分野間の関係性、「権利」や「義務」など各分野に共通する基本概念、各法分野に共通する法解釈の方法、さらには法制度それ自体の存在意義などを考察することで、究極的には、「法とは何か」という問いに答えようとする学問分野である。本講義では、法学部DPのうち、「1. 知識・理解」に対応するものとして各法分野に共通する基本概念に関する基本的な知識を示すとともに、「2. 汎用的技能」に対応するものとして法的思考そのものについての検討を行う。また、「3. 志向性」に対応するものとして、法が現在直面している課題に対して批判的な検討を加える。
到 達 目 標
/Class Objectives
個別の法分野を超えて、法全体に共通する根本的課題に対する自分なりの全体的な見取図を得る。具体的な裁判例や立法、社会的な事件などについて、広い視座で議論するための、思考の道具を手にいれる。
授業のキーワード
/Keywords
法の一般理論、法律学方法論、正義論
授業の進め方
/Method of Instruction
オンデマンド形式のため、講義動画を配信し進める。
履修するにあたって
/Instruction to Students
・本講義では受講者が基本的な法学の知識を習得していることを前提とする。不安のあるものは、下記テキストのうち『ヒューマニティーズ 法学』を予め通読することを勧める。
・テキストのみでは講義内容の全てを理解することは困難であるため毎回の講義動画視聴を前提とするが、視聴記録の確認は行わない。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
事前に資料を配布した際は必ず通読しておくこと。また、講義内で名前の挙がった理論家や思想家の著書を手にとり、批判的に考察することを強く勧める(目安として120分)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
原則として特段の課題を課す予定はない。なお、授業内容への質問については、Moodleを活用する。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
レポート試験により評価する(100%)。
テキスト
/Required Texts
中山竜一『ヒューマニティーズ 法学』(岩波書店、2009年)
中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2000年)
参考図書
/Reference Books
中山竜一・浅野有紀・松島裕一・近藤圭介『法思想史』(有斐閣、2019年)
田中成明『現代法理学』(有斐閣、2011年)
那須耕介・平井亮輔編『レクチャー法哲学』(法律文化社、2020年)
平野仁彦・亀本洋・服部高宏『法哲学』(有斐閣、2002年)
瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
酒匂一郎『法哲学講義』(成文堂、2019年)
レイモンド・ワックス(中山竜一・橋本祐子・松島裕一訳)『法哲学』(岩波書店、2011年)
長尾龍一『法哲学入門』(講談社、2007年)
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 序説 法哲学とは何か 法哲学という分野の来歴と領域を概説する。
2 第2回 第1部 現代法への視座
第1章 近代法の特質(1)
人々がもつ法の「イメージ」から、法が持つ機能について考える。
3 第3回 第1章 近代法の特質(2) 法がもつ機能のうち、社会統制機能、活動促進機能、保障機能について概説する。
4 第4回 第2章 現代法と法化(1)  法がもつ機能のうち、資源配分機能について概説する。 
5 第5回 第2章 現代法と法化(2)  資源配分機能の限界について概説する。 
6 第6回 第3章 法制度の自立性(1)  法制度の自立性について、「市場」と「共同体」から検討する。 
7 第7回 第3章 法制度の自立性(2)  法制度の自立性について、「法化」現象を検討し、法の三類型モデルによって整理する。 
8 第8回 補論 日本の「司法制度改革」   日本の司法制度改革について、講義で説明した概念を用いて概説する。  
9 第9回 第4章 法と現代社会(1) 現代的問題として「法と科学」を検討する。
10 第10回 第4章 法と現代社会(2) 現代的問題として「アーキテクチャ」「法多元主義」を検討する。
11 第11回 第2部 法と正義
第1章 「正義」概念の定義と変遷
「正義」の概念がどのように定義されてきたのかを、東洋と西洋とを比較しながら概説する。 
12 第12回 第2章 価値相対主義と自然法の機能 19世紀以降の法学と哲学の動向が正義論にいかなる影響を与えたのかを概説する。
13 第13回 第3章 J. ロールズの『正義論』(1)  J. ロールズの思想の背景と目的を概説する。
14 第14回 第3章 J. ロールズの『正義論』(2) J. ロールズ『正義論』の全体像とその影響を概説する。 
15 第15回 第3章 J. ロールズの『正義論』(3) ロールズへの批判とそれを受けたロールズの思想の変化について概説する。 
16 第16回 第4章 ロールズ以後の平等主義的リベラリズム  ロールズ以後の平等主義的リベラリズムの立場として運平等主義と十分主義について概説する。 
17 第17回 第5章 R. ノージックとリバタリアニズム  リバタリアニズムの代表的論者であるR. ノージックの思想を概説する。  
18 第18回 第6章 共同体主義と多文化主義  共同体主義、多文化主義とは何かを概説する。  
19 第19回 第7章 グローバルな正義論 グローバルな領域における正義について概説する。 
20 第20回 補論:法と道徳 法と道徳がどのような関係にあるかを概説する。
21 第21回 第3部 法と解釈
第1章 伝統的な法的推論モデル (1)
法的判断の二段階構造、法的三段論法を概説する。 
22 第22回 第1章 伝統的な法的推論モデル(2) 法的判断の二段階構造、法的三段論法への批判的見解を概説する。
23 第23回 補論 日本の「法解釈論争」 日本のいわゆる「法解釈論争」の内容と展開を概説する。 
24 第24回 第2章 大陸法圏の法解釈理論(1)  H. ケルゼンの法理論の特徴を概説する。 
25 第25回 第2章 大陸法圏の法解釈理論(2)  H. ケルゼンの法理論の内容を概説する。
26 第26回 第2章 大陸法圏の法解釈理論(3) 「法学的ヘルメノイティク」と「法的議論の理論」を概説する。
27 第27回 第3章 アングロ=サクソン圏の法解釈理論(1)   H. L. A. ハートの法理論を概説する。  
28 第28回 第3章 アングロ=サクソン圏の法解釈理論(2)  R. ドゥオーキンの法理論を概説する。 
29 第29回 第3章 アングロ=サクソン圏の法解釈理論(3) 「批判法学運動」の論者たちの法理論を概説する。
30 第30回 結び 法哲学の意義 講義の総括として法哲学が諸法を学ぶ上でどのような意義があるかを検討する。  

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