科目一覧へ戻る | 2025/05/07 現在 |
開講科目名 /Class |
法哲学/Philosophy of Law |
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授業コード /Class Code |
B200691001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
LAWc056 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2025年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
金2(後期),金3(後期)/FRI2(AUT.),FRI3(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
吉原 雅人 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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吉原 雅人 | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業は、法哲学における既存の議論を紹介・検討することを通じて、「法(学)とは何か」「法(学)はどうあるべきか」について一定の視点を獲得することを目的とする。具体的には、法学部DPに則して、法の性質や価値にまつわる哲学理論について基本的な知識を獲得し(知識・理解)、議論の妥当性を検討することを通じて、現代の社会状況を踏まえて法の意義を批判的に問い直す能力を涵養する(汎用的技能、志向性)。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
現代の法哲学の議論状況を俯瞰し、諸理論の相互関係について説明できるようになる。 抽象的な哲学理論をもとに、現実の具体的な法的問題を批判的に検討できるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
法概念論、法的思考論、正義論 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
基本的に講義形式で進行する(受講生の意見・感想や疑問を把握するために発言を求める場合がある)。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
講義では法学(実定法科目)の基礎知識を前提とするため、不安のある履修者は事前に入門書などで復習しておくことが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前に配布資料に目を通し、あらかじめ講義内容に関連するトピックを把握しておくことが望ましい(目安として1時間)。 講義内容を踏まえて配布資料や参考書を読み込み、議論の内容を批判的に検討する(目安として1時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
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成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
レポート課題により評価する(100%)。 指定されたテーマについて講義内容を踏まえて適切な論述がなされているかを評価するが、より詳しい評価基準については授業内で示す。 |
テキスト /Required Texts |
指定しない。講義資料を配布し、適宜参考書を紹介する。 |
参考図書 /Reference Books |
レイモンド・ワックス(中山竜一・橋本祐子・松島裕一訳)『法哲学』(岩波書店、2011年) 中山竜一・浅野有紀・松島裕一・近藤圭介『法思想史』(有斐閣、2019年) 瀧川裕英・大屋雄裕・宇佐美誠『法哲学』(有斐閣、2014年) 森村進『法哲学講義』(筑摩書房、2015年) 宇佐美誠・児玉聡・井上彰・松元雅和『正義論:ベーシックスからフロンティアまで』(法律文化社、2019年) Nigel Simmonds & Joshua Neoh. Central Issues in Jurisprudence, 6th Edition (Sweet & Maxwell, 2022)など。具体的にはトピックごとに授業内で紹介する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 導入:法哲学とは何か | 現代の法哲学がどのような学問分野であるかを把握する。 | |
2 | 第2回 | 法概念論概説 | 法の権威についての議論を梃子に、現代の法概念論で何が議論されているのかを把握する。 | |
3 | 第3回 | 命令モデル① | ホッブズ、ベンサム、オースティンによる法命令説を概観する。 | |
4 | 第4回 | 命令モデル② | ハートによる法命令説批判の意義と射程を検討する。 | |
5 | 第5回 | 法の体系性① | ケルゼンの「純粋法学」について概観する。 | |
6 | 第6回 | 法の体系性② | ハートのルール基底的な法体系論を概観する。 | |
7 | 第7回 | 法と道徳① | フラーによる法実証主義批判とハートによる応答の要点を理解する。 | |
8 | 第8回 | 法と道徳② | 現代自然法論の基本的な考え方を理解する。 | |
9 | 第9回 | 法と道徳③ | 現代法実証主義の議論状況を整理する。 | |
10 | 第10回 | 法と道徳④ | #REF! | |
11 | 第11回 | 社会と法 | 社会学的法理論について概観する。 | |
12 | 第12回 | リアリズム | リーガル・リアリズムをはじめとする懐疑主義的法理論について概観する。 | |
13 | 第13回 | 法的思考① | 法的三段論法をはじめとする法的思考モデルの意義と射程を検討する。 | |
14 | 第14回 | 法的思考② | 法解釈の確定性についての議論状況を整理する。 | |
15 | 第15回 | 法の支配 | #REF! | |
16 | 第16回 | #REF! | #REF! | |
17 | 第17回 | 自由論 | 遵法責務論の論点を把握する。 | |
18 | 第18回 | #REF! | 消極的自由/積極的自由など、多様な「自由」概念を整理する。 | |
19 | 第19回 | 功利主義 | ベンサム、ミルの古典功利主義と、功利主義の現代的展開を概観する。 | |
20 | 第20回 | #REF! | #REF! | |
21 | 第21回 | 公正としての正義① | 『正義論』を中心に、ロールズの「公正としての正義」の要点を理解する。 | |
22 | 第22回 | 公正としての正義② | ロールズの「政治的リベラリズム」とその後の展開について概観する。 | |
23 | 第23回 | 平等主義① | 「何の平等か」論争をはじめとして、平等主義の議論を概観する。 | |
24 | 第24回 | #REF! | 運の平等主義とそれに対する関係的平等主義の批判の要点を理解する。 | |
25 | 第25回 | 平等主義② | 平等主義のいくつかの形態(目的論、優先主義、十分主義)を整理し、論点を把握する。 | |
26 | 第26回 | リバタリアニズム | ノージックの正義論をはじめとして、リバタリアニズムの諸理論を概観する。 | |
27 | 第27回 | 正統性 | 人種やジェンダー等にまつわる、被抑圧集団の観点から提示される批判的視点の意義を把握する。 | |
28 | 第28回 | 批判理論 | #REF! | |
29 | 第29回 | グローバルな正義と法 | グローバル正義論の議論状況を整理する。 | |
30 | 第30回 | まとめ | 法(学)の意義、法哲学を学ぶ意義について、講義内容を踏まえて検討する。 |