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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/15 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
政治学Ⅱ (資格)/PoliticsⅡ
授業コード
/Class Code
B000201002
ナンバリングコード
/Numbering Code
LAWc007/LAWf406/LAWh406
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
法学部/Law
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
金1(後期)/FRI1(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
森 達也/MORI TATSUYA
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
森 達也/MORI TATSUYA 法学部/Law
授業の方法
/Class Format
対面授業
授業の目的
/Class Purpose
この科目は、法学部のDPに示す、国内外の公共的事柄に関する知識を習得し、公平性と客観性を重視した判断ができるようになることを目指す。
 英国の政治理論家バーナード・クリックは、「政治学とは、社会全体に影響を与えるような利害と価値をめぐって生じる紛争についての研究であり、また、どうすればこの紛争を調停することができるかについての研究である」と述べた。ここから政治学の二つの課題を指摘することができる。ひとつは人間による政治の営みを(観察者として)客観的に説明・理解するという課題であり、その研究はしばしば経験的研究(実証的研究)と呼ばれる。もうひとつは、(当事者として)あるべき政治の姿を考え、人間による政治の営みを改善するという課題であり、こちらは規範的研究と呼ばれる。
 政治について考えるためには、この二つの方向性を自覚することが不可欠である。政治は「可能性の束」を取り扱う技術である。政治には選択や決断が伴う。それゆえ、経験的研究によって把握された客観的状況から唯一の正解が演繹されるわけではない。また政治は他者と共におこなう活動でもある。これらを承認しつつ、意見を異にする人びとと粘り強く議論し、紛争の平和的解決と社会生活の改善を柔軟に模索する姿勢こそ、政治に対する「現実主義的な」態度である。現代政治学の課題のひとつは、こうした「成熟した政治認識」の具体的なあり方について考え、現実政治(とりわけ民主政治)の質の向上に寄与することにあると考えられる。
 以上の政治観に基づき、本講義は主として政治の規範的な側面を取り扱う「政治理論」という分野について解説していく。
到 達 目 標
/Class Objectives
・政治における経験的なものと規範的なものの関係について理解する
・政治理論の諸分野に関する基本的知識を習得する
・習得した知識に基づき、現代の政治的諸問題について理性的に考察・議論できる能力を養う
授業のキーワード
/Keywords
政治理論、リベラリズム、民主主義、権力、フェミニズム、ナショナリズムと多文化主義、公共性
授業の進め方
/Method of Instruction
講義を中心とし、質疑応答を適宜おこなう。
履修するにあたって
/Instruction to Students
・高校の「政治経済」や「倫理政経」の関連箇所を必要に応じて復習しておくこと。
・普段から新聞等で国内外のニュースを読み、時事問題に通じておくことが望ましい。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
予習:教科書の次回講義範囲を熟読する(90分程度)。
復習:講義での不明な点や疑問点を調べ、ノートやレジュメに書き込むなどして整理しておく(90分程度)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
・内容確認と質疑を目的としたコメントの提出(随時)
・中間課題(小レポート、1回を予定)
コメントに対しては授業時間内に可能な範囲で応答する。
個別の質問には授業後またはメールにて応答する。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
定期試験:60%
中間課題および授業参加:40%
テキスト
/Required Texts
田村哲樹・松元雅和・乙部延剛・山崎望著『ここから始める政治理論』有斐閣、2017年
あわせてレジュメを配布する
参考図書
/Reference Books
・高山・野口・山本編『よくわかる政治思想』ミネルヴァ書房、2021年
 その他、授業中に適宜紹介する。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 講義概要説明とイントロダクション 本講義の目的と概要について説明した上で、政治学における規範的な議論の役割を考える。
2 第2回 政治とは何か 「政治」を構成する基本的諸要素(意思決定、正統性、権力など)について考察する。
3 第3回 リベラリズム リベラリズム(自由主義)の基本的な考え方とその多様な展開について考察する。
4 第4回 分配的正義論 現代の分配的正義論を比較検討し、公平な分配や正義にかなう社会のあり方について考察する。
5 第5回 グローバル正義論 国境を超える正義の可能性、その基本的な考え方、その是非をめぐる論争を検討する。
6 第6回 民主主義の理論 民主的意思決定の多様な方法を比較検討しながら、民主主義に関する一面的な見方を相対化する。
7 第7回 熟議民主主義とラディカル・デモクラシー 代表制民主主義の枠を超える、デモクラシーのさまざまなあり方を比較検討する
8 第8回 グローバル民主主義 国境を超えるレベルにおけるデモクラシーの成立可能性を展望する
9 第9回 政治理論における個人 政治理論の方法論的前提のひとつである「個人」概念を批判的に考察する
10 第10回 権力 さまざまな権力概念と、政治社会における多様な権力現象との対応関係をみる
11 第11回 フェミニズム フェミニズムによる公私二元論批判と、それを通じた「政治」イメージの変容について考える
12 第12回 ナショナリズム 国民国家の自明性を批判的に考察することで、ナショナルなものの規範的な価値を再考する
13 第13回 多文化主義 多文化共生のための理論と実践について、政治理論の観点から考察をおこなう
14 第14回 市民社会とコミュニティ 公共性概念を歴史的に展望したのち、現代社会における公共的なものの成立可能性を考える
15 第15回 総括 講義内容を振り返り、現代社会において規範的な思考が果たすべき役割について再考する

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