科目一覧へ戻る | 2024/07/29 現在 |
開講科目名 /Class |
人間環境論方法論Ⅱ/Methodology in Human Environment Ⅱ |
---|---|
授業コード /Class Code |
J007061001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
|
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水1(後期)/WED1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
金 益見/KIM IKKYON |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
金 益見/KIM IKKYON | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義形式) |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
人間環境論方法論Ⅱでは、社会調査の方法を学びます。社会学における量的調査と質的調査の違いを明らかにした上で、それぞれの調査法を自身の研究にどう取り入れていくのか検討します。 文献収集、データベースの使い方などの情報探索方法からはじめ、インタビューの方法、組織や集まりのなかに入ってデータを収集し分析する、あるいは新聞やメディアコンテンツを分析するといった、研究のための方法論を身につけます。 ここでは、人間文化学研究科のディプロマ・ポリシーが示す、「専門領域において獲得した知識と技能を学問上の研究課題や実社会の諸問題に対して的確に応用し、現代社会の多様な要求にこたえることができる」および「将来にわたって文化と学問への関心をもちつづけ、多様な実践現場の人々と協働して、高い倫理観と専門性にもとづいた貢献を果たすことができる」能力の修得を目指します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
個々人が自分で調べる技術を身に付け、それを修士論文に活かせるようになることを到達目標とします。 |
授業のキーワード /Keywords |
社会調査、文献収集、データ分析、インタビュー |
授業の進め方 /Method of Instruction |
基本的には講義形式で進めますが、グループワークを取り入れる回もあります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
自身の研究テーマに社会調査法を活かすために、受講時に問いを立てておくといいでしょう。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
模擬インタビューやトランスプリクト作成など、授業の時間内で終わらない場合、授業時間外に行っていただきます(1週あたりおおよそ1~2時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回授業内容に関する課題を出し、出席カードに書いていただきます。 記入された内容の一部は、受講者の理解を深めるために、次の授業のはじめに共有します。 また、14、15回目で使用するインタビューデータは、13回目に出す宿題(家族、もしくは知人のライフストーリーをインタビューしてくる)のデータを用います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業に参加する皆さんと共同で勉強していく形態をとりますから、積極的な姿勢を特に重視します。 授業時の中のコメントやレポート(50%)や課題(50%)をあわせて評価します。 評価基準は、授業への積極性(コメント内容や挙手、ミニレポートの内容)、課題の完成度です。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
回によって参考図書が異なりますので、授業中に参考文献表をまとめて(レジュメかPPで)表示します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | 社会調査の意義と目的 | 「調べる」ということはどういうことなのか、社会調査の役割と意義、また調査を行う時の倫理と責任について学びます。 | |
2 | 第2回 | 雑誌記事・論文を探す | 雑誌論文・記事の検索方法、国会図書館NDL-OPACの使い方、日外アソシエーツのMAGAZINE-PLUS、大宅壮一文庫索引目録、英語記事・論文の探し方を学びます。 | |
3 | 第3回 | 本を探す | 図書館、インターネット、古書店などで本を探す方法を学びます。 | |
4 | 第4回 | データーベースの活用 | ジャパンナレッジ、新聞検索などをはじめとしたデータベースの利用、古い記事の探し方、データーベース上の情報、専門誌の使い方を学びます。 | |
5 | 第5回 | 統計データ、図書館にない各種資料、行政資料を探す | 統計の探し方、見方を身に付け、官庁統計、行政統計などさまざまな統計を活用できるようにします。 | |
6 | 第6回 | フィールドワークⅠ | フィールドワークとは何か、フィールドに入ってデータを収集する方法、フィールドノートのまとめ方を学びます。 | |
7 | 第7回 | フィールドワークⅡ | フィールドで得たデータをどう分析し、理論化するのかを様々な事例、先行研究を元に学びます。 | |
8 | 第8回 | 参与観察法Ⅰ | 参与観察とは何か、その手順と実践の方法を体験中心型と観察中心型に分けて学びます。 | |
9 | 第9回 | 参与観察法Ⅱ | 参与観察のなかのアクション・リサーチという方法について学びます。アクション・リサーチの特徴と実践のポイントを小規模なアクション・リサーチの実例を紹介しながら学びます。 | |
10 | 第10回 | インタビューⅠ | インタビューとは口述であり、「語る」ことと「書く」こと異なります。インタビューによって語られる「声」をもとに論文を書くことは、今まであらわになることのなかった新たな社会的現実を記録することを可能にすることです。先行研究のエピソードを元にインタビューの可能性を探ります。 | |
11 | 第11回 | インタビューⅡ | インタビューの種類を学び、それによって異なる準備や方法を具体的に学びます。二人ひと組のペアになり、模擬インタビューを行います。 | |
12 | 第12回 | インタビューⅢ | 前回行ったインタビューのトランスプリクト(音声記録からの書き起こし)を作成し、語り手役はそれをチェックします。インタビュー準備から、当日、原稿確認までの流れと注意点をまとめます。 | |
13 | 第13回 | 質的データの分析Ⅰ | ライフヒストリー分析の方法を学びます。在日コリアンの調査研究を例に、対象に肉迫し、類型と仮説を模索し、まとめるまでの流れを紹介します。ここで「家族、もしくは知人のライフストーリーをインタビューしてくる」という宿題を出します。 | |
14 | 第14回 | 質的データの分析Ⅱ | 前回出した宿題を元に、データの分析を行います。データを読み込み、そこに記述された事柄を適切に言い表す単語や短い語句を考えていくオープン・コーディングを行います。 | |
15 | 第15回 | 質的データの分析Ⅲ | 前回行ったデータの断片をまとめて、いくつかのカテゴリーを作り出した後、「焦点をしぼったコーディング」と呼ばれる作業を行います。そこにカテゴリー間の関係の考察を加え、論文に調査結果を反映させられる形にまとめます。 |