科目一覧へ戻る | 2024/07/18 現在 |
開講科目名 /Class |
労務管理論特殊講義/Advanced Lecture on Labor Management |
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授業コード /Class Code |
J003201001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
水1(前期),水1(後期)/WED1(SPR.),WED1(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
松田 裕之/MATSUDA HIROYUKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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松田 裕之/MATSUDA HIROYUKI | 経営学部/Business Administration |
授業の方法 /Class Format |
演習形式 : 対面授業を実施。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
経営資源の要であるヒト=人間を扱う労務管理は、文字どおり企業経営の核となる。モノ(設備)・カネ(資本)・情報も、ヒト資源の活用如何で、価値を減らしたり、高めたりするからだ。この講義では、前期に労務管理の先進国アメリカで作られ、我が国の労務管理の在り方にも大きな影響を及ぼした管理理念・実践・制度を学び、後期に我が国労務管理の発展と現状の課題を展望する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
経済学研究科が定める修了要件を満たすとともに、修士(経営学)の学位取得を目指す。そのために、以下の目標を達成する。 ①知識・理解 : 経営学に関する高度な専門知識を有する。 ➁思考・判断 : 経営学の学問領域の高度な研究方法をもって、自ら設定した課題を総合的に考察することができる。 ③関心・意欲 : 修得した経営学に関する高度な専門知識を社会で応用することに関心があり、社会の発展に貢献したいと考えている。 ④技能・表現 : 修得した経営学に関する高度な専門知識を社会に向けて的確かつ簡明に伝えることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
労働者・労働力・労働の意味、剰余価値、能率の論理と人間性の論理 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
前期は松田裕之(2006年)『物語 経営と労働のアメリカ史』現代図書を使用し、アメリカにおける近代的労務管理の理念や技法について講義します。後期は伊藤・渡辺・斉藤(2010年)『はじめて学ぶ人のための人材マネジメント論入門』文眞堂をテキストに使用し、各篇の内容を企業のケースにあてはめて、具体的に解析していきます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
高校の「政治経済(現代社会)」のなかの経済にかんする部分および「世界史」のなかの近代~現代にかての部分を復習しておくこと。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
次回講義までのあいだで、復習を兼ねたノート作成に2時間を充当すること。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の指定箇所のレジュメ。レジュメ内容にもとづき、質疑応答を実施して、今後の学習に必要な助言を行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
毎回の課題発表と質疑応答が50%、作成したレジュメやノート類の内容が50%で評価する。 |
テキスト /Required Texts |
適宜紹介もしくは指示する。 |
参考図書 /Reference Books |
適宜紹介もしくは指示する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス | 上記にある講義の内容・形式・評価・注意事項についての確認を行ったあと、「労務管理」の内容とそれを学ぶ意義を解説。 | |
2 | 第2~3回 | 「ヒト資源」とは、どんな資源なのか? | 「経営資源」とはなにかを説明し、そのなかで「ヒト資源」が「モノ・カネ・情報」資源となにがどう違うのかを、古典的な経済学の理論を解説。 | |
3 | 第4~6回 | なぜ「アメリカ合衆国」が労務管理において先進的であったのか? | 産業革命の発信地にして、一時世界に多くの領土を築いたイギリスではなく、19世紀半ばにようやく工業化を開始した後進国アメリカが、なぜ企業経営の核である労務管理分野において先進的であったのかを検討。 | |
4 | 第7~10回 | 「ヒト資源」の合理的・効率的活用はどのように行われたのか? | まず、ひたすら「ヒト資源」を効率的に活用するために、作業動作・手順・工程の改善が行われた。具体的には、成り行き管理~科学的管理~分業式流れ作業~コンベア式流れ作業という系譜を分析。 | |
5 | 第11~13回 | 「ヒト資源」のもつ人間性・心性にはどのような配慮が払われたのか? | 「ヒト」は機械ではなく、生身の人間であり、各々個性や感情をもっている。この人間性の側面を無視していては、合理的な作業動作・手順・工程を整備しても意味がない。そこで、「ヒト資源」の効率的活用の前提として、その人間性に対してもなんらかの働きかけが必要となる。具体的な系譜として、企業内福祉(福利厚生)~労使協議機関の設置~人間関係論(ヒューマン・リレーションズ)を分析。 | |
6 | 第14~15回 | 「ヒト資源の」効率的活用と人間性への配慮はどのようにして両立させるのか? | 効率性と人間性は相反するものではなく、同時並行的に追求・実現せねば「ヒト資源」の活用は図れない。そこで、「ヒト資源」が自発的・積極的に作業に取り組むような仕事内容を設計していくことが労務管理の課題となる。心理学・生物学・人類学の多彩な成果を活用した行動科学的労務管理が第ニ次大戦後に登場し、洗練化された。マズローの欲求段階説や職務拡大・職務充実の技法・動機付けの理論などを解説。 | |
7 | 第16~17回 | 経営家族主義から日本型雇用システムの成立まで | 我が国が欧米型の近代的企業制度を導入した明治期から、第二次大戦を経て、戦後復興・高度経済成長期に至る近現代の経営史をフォローしながら、いわゆる日本型雇用システム(長期継続雇用・年功序列型昇給昇進体系・企業別組合)の理念・実践・技法・制度がどのような環境要因の作用によって築かれてきたのかを分析。 | |
8 | 第18~20回 | 日本型雇用システムの変貌と現代 | 戦後の我が国企業の大きな特徴とされた日本型雇用システムが、国内外の経済的・政治的・文化的な環境要因の変化を受けて、1980年代から次第に見直しが進められるプロセスを分析。 | |
9 | 第21~23回 | 日本企業の雇用システム?ヒトはなぜ企業で働こうとするのか?? | 雇用は労務管理の「入口」であり、企業の中に在る仕事とそれを担う能力があると考えられる外部の人間=ヒト資源とを組み合わせる行為である。これは、採用・配置・配置転換・退職というかたちで頻繁に実施される。その実際を具体例によって検討。 | |
10 | 第24~26回 | 日本企業の人材育成制度?企業はヒトをどのように育てるのか?? | 仕事とヒト資源を適切に組み合わせるには、ヒトの能力を高めることで、彼ら彼女らが取り組める仕事を増やしていくことが必要。そのために、企業は人材育成や能力開発に積極的な取り組みを行う。その実践と問題点を具体例によって検討。 | |
11 | 第27~28回 | 日本企業の人事組織構造?企業は仕事をどのようにヒトに分担させるのか?? | 企業は採用・育成したヒト資源が各自の仕事の分担を守って効率的に働けるように、さまざまな組織的な仕組みや工夫を実施する。ヒト資源を動かす組織づくりの基礎と、ヒト資源各自の仕事の在り方について、具体例をまじえなから検討。 | |
12 | 第29~30回 | 日本企業のモチベーションとリーダーシップ?企業はヒトをどのように刺激するのか?? | ヒト資源が仕事に期待するのは、賃金や役職といった「報酬」だけではない。彼ら彼女らには金銭欲・出世欲のほかにもさまざまな欲求があり、人生の時間の多くを占める仕事の中でそれらを実現したいという希望も抱いている。これらを叶えられるような、叶えたと実感できるような刺激(インセンティブ)を与えることで、企業はヒト資源のもつ潜在力を発揮させることができる。具体的な技法にはどのようなものがあるのかを考察。 |