シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/07/18 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
マーケティング論演習(2年次)/Seminar in Marketing
授業コード
/Class Code
J003002001
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
修士/
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
通年/FULL-YEAR
曜日・時限
/Day, Period
火3(前期),火3(後期)/TUE3(SPR.),TUE3(AUT.)
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
辻 幸恵/TSUJI YUKIE
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
辻 幸恵/TSUJI YUKIE 経営学部/Business Administration
授業の方法
/Class Format
演習
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
マーケティング論の理論と実践をさらに深く学ぶ。具体的には1年次と同様に理論は先行研究の論文や本をから、実践はケーススタディから選択するが、専門的な部分を優先する。先行研究の論文はマーケティングの応用となる部分の知識の習得となる。また、それらの原因を比較、理解、考察することを目的とする。実践については、店舗見学や聞き取り調査も含み、さらにはバイヤーや店長などの運営側の聞取りも実施する。本科目の担当者は大学以外での実務経験がある。主に洋服など女性が好む商品のマーケット予測などをしてきた。今年は論文のテーマにそった内容の文献を最優先し、論拠を示す文献の収集も目的とする。
到 達 目 標
/Class Objectives
1.経済学・経営学の高度な専門知識を習得し、経営学の学問内容及び研究方法について理解するために、具体的にマーケティング論の理論と実践を学ぶ。
2.企業におけるマーケティングの有用性について事例から考察し、設定した課題を総合的に考察できる力を養う。また研究に役立つ事例を自ら集め、思考し、考察できる能力を養う。
3.経営に関する諸問題に関心を持ち、習得した専門知識によって、社会貢献を考え、社会の発展に寄与する。
4.修得した専門知識をもとに、社会に向けて的確に伝えることができるように、論文を作成する。また会社見学や聞き取り調査も実施し、現代の市場において確かな洞察ができる力を養う。
授業のキーワード
/Keywords
ブランド、マーケティング、リサーチ、ケーススタディ、消費者心理
授業の進め方
/Method of Instruction
連続して2回ないしは3回で1つのテーマを終えていく。後半はブランドに焦点をあて、その後、日本と海外の企業のマーケティングを学ぶために販売促進、戦略にもふれる。授業では先行研究である理論を先に学習し、その後にケーススタディを学ぶ。ケーススタディについては論文で学ぶだけではなく、店舗見学や聞き取り調査も実践する。
履修するにあたって
/Instruction to Students
ケースは特別な企業を取り上げているわけではない。次回の予告をするので、企業を知らない場合は、事前その企業については調べておくようにする。特に、企業などのケースを扱った場合は、その企業のホームページもあらかじめ、細かく丁寧に閲覧しておくこと。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
毎回、こちらから文献を渡すので、次回までに予習をしておくこと。これは100分くらいで目をとおすことができる量だと考えている。それ以外にマーケティングに関する基本的な書物を読んでおくこと(わからない場合はこちらから指定する)。これは一度に多くを読むのではなく、毎日90分程度、丁寧に理解を深めるように範囲を決めて読んでもらいたい。企業などのケースを扱った場合は、その企業のホームページもあらかじめ、細かく丁寧に閲覧しておいてほしいので40分くらいはかかると考えている。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
最初にテーマにそって授業内容を説明する。45分後に授業内で課題を出すので、その課題は授業内に仕上げてその場で提出する。フィードバックを兼ねて、後半はその課題にそって議論をする。そのことによって、より高度で専門的な内容に踏み込め、明確にテーマの問題などを意識することができる。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
評価は以下の3つの方法の総計とする。
1.毎回の授業内で課題を出すのでその場で解答を作成する。
2.ディスカッション・タイムでの発言を加算する。
3.前期と後期のまとめの時間内で理解度をチェックする課題を点数化する。
配点は1の課題については4点(4点×13回)で52点。2のディスカッション・タイムについては1点~6点の配点とする。前期の授業内で3回実施する(6点×3回)で18点。後期の授業内で6回実施する(3点×6回)で18点。3の最終的な理解度をチェックする課題については1点~30点の配点とする。
なお、前期のディスカッション・タイムの予定は6、7、8回目を予定している。15回目は理解度のチェックをかねて実施する。後期のディスカッション・タイムの予定は19、20、21、23、27、28回目を予定している。
テキスト
/Required Texts
辻幸恵著『こだわりと日本人-若者の新生活感:選択基準と購買行動-』白桃書房、2013年。2800円(税別)
参考図書
/Reference Books
陶山計介、鈴木雄也、後藤こず恵編『よくわかる現代マーケティング』ミネルヴァ書房、2017年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1回目 ガイダンス マーケティング論演習としては理論と実践(ケーススタディ)の両輪で授業をすすめる。授業の具体的なすすめかた、評価方法、授業内容の理解度のチェック方法など、初回の本講義内で説明をする。また、マーケティング論の基礎は学習しているはずではあるが、今回から4回目までで基礎的な部分の復習をおこない、さらにブランド論や消費者心理の基礎も復習する。
2 2回目 マーケティングとは何か 企業経営とマーケティングを学ぶ。最初にマーケティングの概念の変遷と本質的定義を学び、次に経済学・経営学の高度な専門知識を習得するために、マーケティング論の理論をふまえながら現代日本のマーケティングの問題点を議論する。
3 3回目 ユニクロのケース ユニクロのケーススタディをおこなう。また、日本におけるマーケティング環境の変化、ポストモダンのマーケティングについて学ぶ。ユニクロという身近なブランドが日本社会で、若者にどのようにとらえられているのかを知り、変化しつつある消費者の意識を学ぶ。消費者の意識については過去のブランド研究を参考とする。
4 4回目 消費者志向のケースについて学ぶ コンビニで若者に人気の商品に対する消費者のニーズについて学び、同時にネットワークとマーケティングのパラダイム革新についても理解する。ここでは単純に店頭販売だけではなく、その告知方法をSNSでどのように発信しているのかを同時に知り、マーケティングの4Pである販売促進に焦点を当てる。過去の広告に関する研究と現在、実施されている告知方法を比較することにより、より高度な研究手法を知ることになる。
5 5回目 スイーツのメーカーのケース 日本の菓子の老舗である虎屋とたねやを取り上げる。ここで消費者行動とその概念モデルについても学ぶ。先行研究からスイーツに関しては商品だけではなく、消費者の選好の変化について学び、より専門的な視点から売れ筋商品開発を議論する。
6 6回目 伊藤園のケースについて学ぶ 伊藤園のケースから消費者の意思決定プロセスについて学ぶ。外的影響要因と個人差要因について理解する。
7 7回目 サントリーのケースについて学ぶ サントリーの社会貢献につながる事業を取り上げる。ここでマーケティングにおける社会性について具体的に学ぶ。ソーシャルマーケティングの事例となる。ソーシャルマーケティングは今後、学んだことを社会に還元する役割を担うと考えられる。
8 8回目 不二家のケースについて学ぶ 前回に老舗の虎屋やたねやからマーケティングのセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングについて学んだが、今回はバレンタインというチョコレートのギフトをしかけた不二家に関する戦略を学ぶ。また、ぺこちゃんという企業キャラクターを使って不祥事を乗り越えたリスクヘッジの事例についても学ぶ。そのことによって菓子戦略を社会現象にまで拡大した原因を考察することができる。
9 9回目 小括として2回目から8回目までの復習をする ケーススタディから、社会と企業の環境変化、消費者との関係性、消費者行動と概念モデルなど重点的に復習をする。そのことによって、経済学・経営学に関するより高度な専門的知識を構築し、個々の研究を進めることができるからである。
10 10回目 イベントとブランドについて バレンタインの商品であるチョコレートを取り上げる。ブランドとは何かという定義からはじまり、ブランディング(ブランド構築)の始まりについて説明をする。
11 11回目 ブランド評価について 使用者拡大とブランドについて学び、競争優位を考察する。また、ブランドの構成要素をふまえて、ブランドのメカニズムを理解する。
12 12回目 ブランド・ロイヤルティとコミュニティについて ブランドへの消費者の態度や行動について学ぶ。ブランド・リレーションシップを説明するので、その構築と測定について理解する。広告による消費者の反応についても学ぶ。
13 13回目 ブランド・コミュニティの管理について 消費者にとってのブランド・コミュニティの役割と企業にとってのブランド・コミュニティについて学ぶ。これを価値共創という。そしてコミュニティへの参加について理解する。
14 14回目 ブランド構築とエクイティンについて ハンドメイドという大量生産ではない商品のブランド戦略について学ぶ。同時に雑貨と呼ばれる多品種多種類の製品をどのように企画し、あるいは差別化で売り出すのかについても事例で説明をする。
15 15回目 小括として10回目から14回目までをまとめる ブランドとは何かという定義からはじまった。定義、概念、そして日本の市場、また、ブランド構築についてのまとめをおこなう。
16 16回目 後期のガイダンス 前期の学習を思い出すと共に、後期の授業の流れについて説明をする。評価方法、発表方法は前期と同じであるが、後期初回であるので確認のために再度、説明をする。
17 17回目 製品を中心としたマーケティングの進化のケース パナソニックの「GOPAN」を取り上げる。GOPANはお米からパンができるという世界初の商品である。このケースを学び、新市場の創出について考察する。
18 18回目 製品戦略として便益の束としての製品について 製品の概念を復習する。これはマーケティングの基本であるので思い出してほしい。そこから製品の分類基準と類型を学ぶ。
19 19回目 製品ミックスと製品差別化について 製品差別化の次元としてサービスの特性、知覚品質を理解する。また、そこから知覚品質の創造について考察する。
20 20回目 新製品の伝え方・広告について 明治の新製品開発の事例を学ぶ。コンセプトの創出にはじまり、製品と戦略立案、試作品のテストなど、市場への導入、そして広告戦略を分析する。
21 21回目 製品のライフサイクルとそれぞれの広告について 製品のライフサイクルとマーケティングとの関係を理解する。ここではP.コトラーの論文を引用して学ぶ。
22 22回目 場のマネジメントのケーススタディ 百貨店内の特設会場などの非日常的空間での販売について具体的事例を学ぶ。商品としては雑貨を考え、場の空間と商品とのバランスや顧客目線などをふまえ、どのような空間配置が最適かをシュミレーションする。
23 23回目 小括として17回目から22回目までの復習をする 製品を中心に学んできたことを復習する。戦略、開発、ライフサイクルなどの重点事項をまとめる。
24 24回目 マクドナルドの広告戦略について 企業には成功事例と失敗事例がある。今回はマクドナルドをとりあげて、成功と失敗のそれぞれの事例を分析する。なお、視点としては商品の成功などではなく、ビジネスモデルとしての成否を論じる。
25 25回目 価格戦略の基本について コスト志向価格戦略について学ぶ。具体的にはマークアップ価格設定やターゲットリターン価格設定を理解する。そして損益分岐点の活用を考察する。
26 26回目 競争志向の価格戦略と広報戦略について 市場浸透価格、上澄み吸収価格、補完的価格などのバリエーションを学ぶ。そこからメーカーの価格政策を考察する。
27 27回目 消費者志向の価格戦略と伝える流儀について 需要の価格弾力性について理解する。また差別価格法、知覚価値価格設定についても学ぶ。また、価格に対する消費者心理を学び、いかに伝えることが大事なのか、どのように誰にいつ伝えるべきなのかを考察する。
28 28回目 消費者心理からみた価格受容と情報の共有について 消費者の目線からみた価格の受容範囲とその推定方法を学ぶ。過去の市場データの分析、顧客へのリサーチ方法について説明する。
29 29回目 小括として24回目から29回目をまとめる 広告と価格をテーマにその戦略や消費者にとっての需要範囲について復習をする。ここで広告に接する消費者心理を考察する
30 30回目 今後の研究の方向性と問題点について 1年間でブランド、製品、広告、価格を中心に学んできた。また前半はケースも取り上げてきた。その中で問題点は何か、という意識を持ってもらうために、最終時間を活用して、世界に今後の市場について考察する。

科目一覧へ戻る