基本情報/Basic Information

開講科目名 ／Class	博物館経営論(資格)／Lecture on Museum Management
授業コード ／Class Code	G002541001
ナンバリングコード ／Numbering Code
開講キャンパス ／Campus	有瀬
開講所属 ／Course	資格用科目／
年度 ／Year	2024年度／Academic Year
開講区分 ／Semester	前期／SPRING
曜日・時限 ／Day, Period	金5(前期)／FRI5(SPR.)
単位数 ／Credits	2.0
主担当教員 ／Main Instructor	用田　政晴／YODA MASAHARU
遠隔授業 ／Remote lecture	No

担当教員情報/Instructor Information

教員名 ／Instructor	教員所属名 ／Affiliation
用田　政晴／YODA MASAHARU	人文学科／Humanities

授業の方法 ／Class Format	授業は講義を中心に、原則として対面授業で進めます。講義での意見や質問については、可能な限りその場で対応します。講義では、学外研修（博物館見学）も実施し、見学レポートを提出してもらいます。　 【注意】コロナ禍の状況、あるいは受講者数等によっては、授業の方法・内容ともに変更の可能性があります。その場合は、皆さんに事前に掲示・Moodle・メール等でお知らせします。
授業の目的 ／Class Purpose	本科目では、全学（学部）DPに示されているように、各受講生が、(1)専門分野に高い関心を持ち、専門領域の課題を考察し、解決するための知識や技能を身につけ、(2)獲得した知識や技能を活用し、国内外において、価値観や意見の異なるさまざまな人と議論し、学びを深め、協働して社会に役立てることができることをめざします。 　本科目は、博物館学芸員資格を取得するための必修科目として設定されています。 　この授業では、受講生が博物館の形態、組織、活動などさまざまな側面における管理・運営のあり方について理解を深め、博物館経営(ミュージアム・マネージメント)に関する基礎的能力を修得することを直接の目的としています。なお、講義者は「湖と人間」をテーマとする総合博物館に26年間勤務した実務経験がある教員であり、博物館現場の業務に精通しています。講義の中ではそうした博物館現場で得られた知識・体験等も交えて話をし、学外研修も行うなど実務的教育で構成する授業です。
到　達　目　標 ／Class Objectives	本科目では、以下に挙げた5点の修得を到達目標としています。 (1)博物館の行財政制度や博物館に必要な施設・設備について、それぞれ具体例3件ずつ挙げて説明できる(知識)。 (2)博物館の組織・職員等の体制について、3部署に分けてそれぞれの業務内容を説明できる(知識)。 (3)博物館の基本的な業務4件を挙げ、その個々について説明できる(知識)。 (4)博物館としての利用者サービスのあり方、学校や市民・団体、他の博物館等との連携についてその意義、概略を具体的に説明できる(知識)。 (5)博物館のリスクマネージメントや危機管理を具体的に説明できる(知識)。
授業のキーワード ／Keywords	ミュージアム・マネージメント、行財政制度、利用者サービス、連携、博物館評価
授業の進め方 ／Method of Instruction	本科目は、講義を中心に進めます。講義の質問点については、授業の中で可能な限りその場で回答します。 　第1回は受講者が博物館経営についての全体イメージを把握できるよう、講義全体のオリエンテーションを行います。 　第2～14回では、博物館の行財政制度のあり方、博物館に必要な施設設備、博物館の組織のあり方、職員等の運営体制、博物館の基本業務をはじめ広報活動等の運営計画、展示以外の収益アップのための付帯事業、利用者の満足度を上げるための評価手法の検討、行動規範(博物館倫理)、危機管理(リスクマネージメント)、今日的な利用者サービスのあり方、ならびに学校や市民・団体、他の博物館等との連携について具体例を通じてその詳細、課題等について学びます。 　最終回には、それぞれの講義の要点を復習し、本講義のまとめとします。
履修するにあたって ／Instruction to Students	(1)各自で1年次に履修した博物館概論の経営論関連部分を復習しておいてください。 (2)講義の中でわからなかった点については、自分自身でも図書館等へ行って積極的に調べるようにしてください。 (3)講義日程は学外研修(博物館見学)の日程等により変更されることがあります。講義日程の変更は、原則として事前に連絡します。また、博物館学芸員課程の掲示板でもお知らせします。 【注意】本科目は2年次に修得しておかないと3年次の博物館実習Ⅰを受講できませんので、学芸員資格を強い意志をもって求めるなら、2年次にしっかり学んで単位を取得してください。
授業時間外に必要な学修内容・時間 ／Required Work and Hours outside of the Class	(1)毎回の講義テーマ等は事前にわかりますので、関連情報を下記参考図書・インターネット等であらかじめ検索して、目を通しておいてください(目安として1週30 ～40分)。講義資料は原則、毎回配布します。また、受講生は自発的に講義内容の重要な個所をノートにまとめ、整理しておいてください（目安として1週30～40分）。 (2)受講生は、受講期間中、自主的に身近な博物館を2個所以上見学するようにしてください。
提出課題など ／Quiz,Report,etc	授業時に課題を提示しますが、課題・学外研修レポート(1回)。レポート作成にあたっては、下記などの紙ベースの参考図書を1冊以上、必ず参照・引用してください（必須）。 　レポートは、記述・評価のポイントとコメント・解説を授業で行います。 　遅延してのレポート提出は認めませんので提出期限厳守のこと。
成績評価方法・基準 ／Grading Method・Criteria	以下の4点を勘案して総合的に評価します。 　課題・学外研修レポート（1回）30％　小テスト等（2回）60％　受講態度（出席等の積極性など）10％。 　レポートの提出のないもの、小テスト受験のない者、講義への出席が規定回数に満たない者（開始後10分以上の遅刻２回は欠席１回相当）等は評価対象外とします。 　レポート・小テスト等については、到達目標(1)～(5)の総合的理解度について、数値化して評価します。
テキスト ／Required Texts	なし
参考図書 ／Reference Books	(1)佐々木亨・亀井 修・竹内有里(2011) 博物館経営・情報論．放送大学教育振興会,東京． (2)全国大学博物館学講座協議会西日本部会編（2012）新時代の博物館学,芙蓉書房出版.東京.

No.	回 ／Time	主題と位置付け ／Subjects and position in the whole class	学習方法と内容 ／Methods and contents	備考 ／Notes
1	第1回	ガイダンス 、博物館経営とは何か	講義のねらい、到達目標、およびその進め方・内容、評価基準等についての説明を聴く。また、博物館経営あるいはミュージアム・マネージメントとはどのようなものか、その課題についも学ぶ。
2	第2回	博物館の行財政制度	従来、博物館では費用対効果を考慮しない事業が行われがちであった。これからの博物館が生き残っていくためには、企業的な経営視点が必須になっている。そうした観点から博物館の予算、事業、決算のあり方などについて学ぶ。
3	第3回	博物館の施設、設備	博物館が活動を行っていくためには、展示室、収蔵庫、事務室以外にも利用者視点に基づくさまざまな施設、設備、空間が必要である。ここでは博物館に必要な施設と設備の全般について学ぶ。
4	第4回	博物館の組織、職員	博物館を円滑に運営していくには、館長はじめ学芸員、事務系職員、監視員等さまざまな役割を果たす職員が必要である。ここでは、利用者視点を基点に博物館を効率的に運営していくための組織、職員、運営体制について学ぶ。
5	第5回	博物館の使命と広報活動	博物館は、個々の館が設定した理念・使命に基づき、基本的業務および利用者を招致するための広報活動等を計画的に実施していく必要がある。博物館経営にとって大切な広報活動について、その意義・方法や課題について学ぶ。
6	第6回	博物館と評価	最近では、日本の博物館でもいろいろな手法で多様な評価が実施されるようになってきた。ここでは評価が行われる背景を理解し、博物館を評価する方法、評価システムを導入する際に必要となる環境について学ぶ。
7	第7回	博物館の倫理(行動規範)	「博物館倫理」とは、博物館のさまざまな活動における公益性を確保するために守るべき基準をいう。ここでは特に学芸員が日々活動するに際して守るべき行動規範について学ぶ。
8	第8回	博物館の危機管理	博物館が地震、火災、盗難などのさまざまなリスクに対して、万全な備えをしておくことは社会的責務といえる。ここでは、博物館におけるリスクマネージメント(危機管理)のあり方について具体例をふまえながら学ぶ。
9	第9回	利用者サービス	今後博物館が社会的責務を達成していくためには利用者視点に立った運営が不可欠となる。ここでは、博物館が提供すべき利用者サービスの考え方、そのポイントについて学ぶ。
10	第10回	博物館とユニバーサルデザイン	近年、体の不自由な方だけでなく、誰もがより身近で親しみやすい博物館をめざし、さまざまなユニバーサル化が行われている。ここでは、全国の博物館におけるユニバーサル化への取り組みを眺めてその全体像を学ぶ。
11	第11回	学外研修(博物館見学)	兵庫県内の博物館施設へ出向き、利用者サービスの実際を体感し、いろいろな側面から訪問館の利用者サービスをチェックする。(予習として訪問館のホームページの閲覧約30分、学外研修の実施日時等は別途お知らせします)
12	第12回	博物館における連携(1)	現在、博物館は他機関や学校等と事業全般にわたって連携をしていく必要性に迫られている。ここでは連携の基本的な考え方を学習するとともに、特に学校教育との連携(博学連携)について詳しく学ぶ。
13	第13回	博物館における連携(2)	博物館は、市民が容易に博物館活動に参加できるような仕組みを作る必要がある。ここでは、博物館経営における市民参画の意義をはじめ、博物館支援組織、他の博物館や団体等との連携のあり方について学ぶ。
14	第14回	これからの博物館	現在、人々の知的ニーズの受け皿として博物館の役割はますます重要になっているが、一方で博物館は利用者数の減少、財政難などさまざまな課題を抱えている。ここでは、博物館の現状と課題を整理し、今後の博物館、ならびに学芸員のあるべき姿について考える。
15	第15回	まとめ	各回の講義の要点を復習する中で、各受講者がミュージアム・マネージメントとは何かについて改めて再認識する場とする。(復習は目安として60~80分)