基本情報/Basic Information

開講科目名 ／Class	博物館概論(資格)／Introduction to Museum Science
授業コード ／Class Code	G002521001
ナンバリングコード ／Numbering Code
開講キャンパス ／Campus	有瀬
開講所属 ／Course	資格用科目／
年度 ／Year	2024年度／Academic Year
開講区分 ／Semester	後期／AUTUMN
曜日・時限 ／Day, Period	金1(後期)／FRI1(AUT.)
単位数 ／Credits	2.0
主担当教員 ／Main Instructor	用田　政晴／YODA MASAHARU
遠隔授業 ／Remote lecture	No

担当教員情報/Instructor Information

教員名 ／Instructor	教員所属名 ／Affiliation
用田　政晴／YODA MASAHARU	人文学科／Humanities

授業の方法 ／Class Format	授業は講義を中心に、原則として対面授業で進めます。質問等については、可能な限りその場で対応します。講義では、学外研修（博物館見学）も実施し、課題レポートを提出してもらいます。 　また、博物館への入門試験にあたる授業であり、自らが国家資格である学芸員の資格取得が可能かを見つめる機会と期間とします。したがって、評価も厳しいものであることをご了知のうえ、覚悟をもって本科目をはじめとする資格課程科目を受講してください。 【注意】今後のコロナ禍の状況あるいは受講者数等によっては、授業の方法・内容ともに変更の可能性があります。その場合は、掲示・Moodle・メール等でお知らせします。
授業の目的 ／Class Purpose	本科目では、全学（学部）DPに示されているように、各受講生が、(1)専門分野に高い関心を持ち、専門領域の課題を考察し、解決するための知識や技能を身につけ、(2)獲得した知識や技能を活用し、国内外において、価値観や意見の異なるさまざまな人と議論し、学びを深め、協働して社会に役立てることができることをめざします。 　本科目は、博物館学芸員資格を取得するための必修科目として設定されています。 　わが国で生涯学習が叫ばれて久しく、博物館が社会で果たすべき役割はますます重要となっています。この講義では、博物館の歴史、種類、組織、機能、目的など博物館の基礎知識を習得し、併せて博物館が直面している基本的な課題について学ぶ中で、受講生が今後の博物館のあるべき姿を考え、学芸員資格取得のための基礎的能力を養います。また、受講生自らがその国家資格であり任用資格を求めるに足る強い意志があるか、その覚悟を再確認することも目的とします。したがって本科目の求める基準は高く、その評価は厳しいものとなります。 　なお、講義者は博物館に26年間勤務した実務経験のある教員であり、博物館現場の業務に精通しています。講義の中ではそうした博物館現場で得られた知識・体験等も交えて話をし、学外研修も行うなど実務的教育で構成する授業です。
到　達　目　標 ／Class Objectives	本科目では、以下に挙げられた4点の修得をめざします。 (1)博物館の定義、目的、役割を説明できる(知識)。 (2)博物館の基本的機能やその多様性を説明できる(知識)。 (3)博物館学芸員の役割等を説明できる(知識)。 (4)博物館の現状と課題について、その概略を説明できる(知識)。
授業のキーワード ／Keywords	博物館法、資料の収集・整理・保存、調査・研究、展示、教育普及
授業の進め方 ／Method of Instruction	本科目は、講義を中心に進めます。受講者が講義中での不明点等については、可能な限りその場で解説します。 　初回は講義の進め方、評価基準等についてのオリエンテーションを行います。 　第2～9回では、博物館とは何か、博物館の歴史や学芸員の職務について学びます。また、博物館づくりや展示づくりの基礎知識を得た後、第14回までの間に博物館の現状と課題を検討します。 　最終回には、講義各回の重要事項を復習します。
履修するにあたって ／Instruction to Students	(1)講義の中での疑問点等については、自分自身でも図書館等へ行って積極的に調べるようにしてください。 (2)講義日程は学外研修(博物館見学)の日程等により変更されることがあります。 (3)講義日程の変更は、原則として事前にお知らせしますが、博物館学芸員課程の掲示板でも案内します。 (4)受講生各自が、学芸員という国家資格であり任用資格を求めるに足る強い意志があるか、その覚悟を再確認することも目的とします。したがって求める基準は高く、評価は厳しいものとなりますのでしっかり学んでください。。 【注意】本科目は2年次までに修得しておかないと博物館実習Ⅰ(3年次開講)を受講できませんが、2年次には多くの関連科目が開講されますので、学芸員資格を強い意志をもって求めるなら、1年次中にしっかりと学んで単位を修得してください。
授業時間外に必要な学修内容・時間 ／Required Work and Hours outside of the Class	(1)毎回の講義テーマはわかりますので、関連情報を下記参考図書・インターネット等であらかじめ検索して目を通すなどの予習をしておいてください（目安として1週30～40分）。また、事後学習として講義内容の重要な点をノートなどに整理してください（目安として1週30～40分）。 (2)受講者は、博物館への理解を深めるため、休日などを利用して自主的に分野の異なる２館以上の博物館を見学してください。 (3)本授業に関わる参考図書・文献類は、大学図書館等を利用して必ず1冊以上は熟読してください。
提出課題など ／Quiz,Report,etc	授業において課題を提示しますが、原則、課題・見学レポート（2回）、小テスト（2回）、出席カードによる小レポート等も可能な限り実施します。 　レポート作成にあたっては、下記などの紙ベースの指定図書を1冊以上、必ず参照・引用する（必須）。 　レポートは、記述・評価のポイントとコメント・解説を授業で行います。 　遅延してのレポート提出は認めませんので提出期限厳守のこと。
成績評価方法・基準 ／Grading Method・Criteria	以下の４点を勘案して総合的に評価します。 　課題・見学レポート（2回）30 ％　小テスト（2回）60％　受講態度（授業に臨む姿勢・出席カード小レポート等の評価）10%を点数として積み上げて成績評価の数字とします。また、レポートは、原則として授業において総評やポイントを解説し、採点した小テスト等は可能な限り返却します。 　レポート提出が1回でもない者、小テスト受験のない者、学外研修無断欠席および講義への出席（開始10分以上の遅刻２回は１回欠席相当）が規定回数に満たない者は評価対象外とします。 　レポート・小テスト等については、到達目標(1)～(4)の総合的理解度について、数値化して評価します。
テキスト ／Required Texts	資料は毎回配布し、テキストか副読本は別途指示します。
参考図書 ／Reference Books	(1)吉田憲司(2011)博物館概論,放送大学教育振興会，東京． (2)全国大学博物館学講座協議会西日本部会編（2012）新時代の博物館学,芙蓉書房出版.東京. (3)真家和生ほか(2014)大学生のための博物館学芸員入門,技報堂出版,東京.

No.	回 ／Time	主題と位置付け ／Subjects and position in the whole class	学習方法と内容 ／Methods and contents	備考 ／Notes
1	第1回	オリエンテーション	全15回の講義の内容と進め方を聴き、その中で受講者が博物館や博物館学とは何かについての全体イメージを持つことができるようにします。併せて提出課題やレポートの書き方、厳しい評価基準等についての説明を聴きます。
2	第2回	博物館と博物館学	博物館とは何か、さらには博物館学とは何かをそれぞれ歴史的過程を振り返りながら学びます。
3	第3回	博物館の多様性	博物館には、歴史系、考古系、美術系、理工系、自然史系に加え、動植物園から水族館などが含まれます。ここでは博物館の類型区分(館種・設置者別、法的区分等)と多様性について学びます。
4	第4回	博物館の歴史(1)	博物館が最初に誕生したのはヨーロッパです。その博物館ができた経緯と背景、ならびに近代博物館から現在に至るまでの歴史について総括的に学びます。
5	第5回	博物館の歴史(2)	日本の博物館は、明治以降の近代化の中で誕生しました。ここでは日本における博物館の歴史を社会的背景とあわせて学びます。
6	第6回	学芸員の職務	博物館事業推進の主役である学芸員について、その役割および実態について学びます。
7	第7回	学外研修	兵庫県内の博物館に出向き、訪問館の理念、運営の実際を学ぶ。
8	第8回	博物館ができるまで	博物館が新規に設置されるまでを具体例をもとに学びます。
9	第9回	展示ができるまで	展示・展覧会ができるまでの一般的なプロセスについて学びます。
10	第10回	博物館と文化財	文化財とはなにか、その定義と意義について考えます。また、博物館が文化財の保護・保全について果たすべき役割を関連法令(文化財保護法)を参照しながら学びます。
11	第11回	兵庫県の博物館	兵庫県内の博物館の実例から理念、展示、資料整備、運営などを学ぶ。
12	第12回	現代社会と博物館(1)	博物館が現代社会において果たすべき役割や課題などについて学びます。
13	第13回	現代社会と博物館(2)	博物館が果たすべき役割のうち、友の会、ボランティア、参加型博物館に焦点を当て、先行事例をもとにそれらの意義や課題について学びます。
14	第14回	博物館の現状と課題	現在、行財政改革の中で、博物館のあり方が問われています。その背景と課題等について学び、今後あるべき博物館像を探ります。
15	第15回	まとめ	各回の講義の重要事項や要点を復習することで、各受講者が博物館とは何か、自らが学芸員に向いているか否かについてそれぞれ改めて顧みます。