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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/11 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
博物館実習Ⅰ(資格)/Practice 1 in Museology
授業コード
/Class Code
G001781001
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
資格用科目/
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
通年/FULL-YEAR
曜日・時限
/Day, Period
土3(前期),土4(前期),土3(後期),土4(後期)/SAT3(SPR.),SAT4(SPR.),SAT3(AUT.),SAT4(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
用田 政晴/YODA MASAHARU
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
用田 政晴/YODA MASAHARU 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
授業は、対面による講義・実習の授業とします。 
【注意】コロナ禍の状況あるいは受講者数などによって、外部講師等の授業の方法・順序・内容ともに今後変更の可能性があります。その場合は掲示・Moodle・メール等でお知らせします。
授業の目的
/Class Purpose
 本科目では、全学(学部)DPに示されているように、各受講生が、(1)専門分野に高い関心を持ち、専門領域の課題を考察し、解決するための知識や技能を身につけ、(2)獲得した知識や技能を活用し、国内外において、価値観や意見の異なるさまざまな人と議論し、学びを深め、協働して社会に役立てることができることをめざします。
 本実習は、博物館学芸員資格を取得するための必修科目として位置づけられています。また、受講者が4年次に実際に現場の博物館に出向いて行う博物館実習Ⅱの事前準備としての授業です。
 歴史、民俗・人類学分野の2分野を中心にして、資料に関する基本的な知識と取り扱いの技能、ならびに展示開催についての知識・技能を総合的に修得することを目的としています。
 なお、講義の主担当者は「湖と人間」をテーマとする総合博物館に26年間勤務した実務経験がある教員であり、企画展示実習に際しては博物館現場で得られた知識・体験等も交えて実践的教育で構成する授業です。 
到 達 目 標
/Class Objectives
 本科目では、以下の5点を到達目標とします。
(1)展示企画(案)に関しグループ内でメンバーの意見を尊重し、協調的、建設的な対話・議論ができる(思考力、協調性、態度・習慣)。
(2)展示テーマに関する情報検索と文献(図書・論文など)を収集できる(情報収集・選択力)。
(3)グループとして限られた展示空間で考古・歴史・民俗資料などを素材として、実現可能な展示企画を作成できる(知識・対話力、技能)。
(4)博物館資料(考古・歴史・民俗資料など)を適切に梱包・開梱することができる(技能)。
(5)グループ員と協働・協調して企画展示を行うことができる(協調性、習慣・態度)。
授業のキーワード
/Keywords
展示の企画力、資料の取り扱い、積極性、コミュニケーション力 
授業の進め方
/Method of Instruction
 本科目は、以下のように博物館の実務に関わる講義と実習を行います。講義(学内):学外から招聘した館種の異なる博物館、研究機関等の講師(学芸員、研究者等)による各々の組織・機関の活動内容等の解説(実技を一部含む)を行います。実習(学内外):受講者自身がグループとして企画した展覧会を学内(有瀬図書館)において開催します。 
履修するにあたって
/Instruction to Students
(1)各自が1・2年次に履修した博物館概論、博物館資料論、博物館資料保存論、博物館展示論などを復習しておいてください。
(2)展示企画と実際の展示においては、グループ内のメンバーと積極的に対話・議論するように心がけてください。 
【注意】本科目は3年次に修得しておかないと博物館実習Ⅱ(4年次に開講)を受講できません。 
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
 2年次までに授業で学んだ内容、特に博物館資料論、博物館資料保存論、博物館展示論などの学習資料を読み返し復習しておくこと(目安として1週あたり3〜4時間、合計40時間程度)。 
提出課題など
/Quiz,Report,etc
 外部講師の講義関しては、別途、講師から提出内容や方法について指示があれば、それに従ってください。(外部講師の講義全5回)
 教員(用田)にレポートを提出する場合、詳細は別途指示します。また、レポートについては、記述・評価のポイントとコメント・解説を授業で行います。
 なお、遅延してのレポート提出は認めません。提出期限厳守のこと。
 
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
 課題レポートあるいは展示企画案等と以下に示す評価(A)、ならびに外部講師の評価(B)を合せて総合的に評価します。(1)展示企画案等20% (2)以下に示した(A)評価40% (3)(B)外部講師総合評価30% (4)受講態度(授業参加等の積極性など)10%
 (A)は以下の4件で評価します。
 1 グループ員と積極的に議論し、展示作業では積極的に動いたか 2 展覧会の企画(案)作成に際し、アイデアを積極的に出したか 3 展示資料を丁寧に扱ったか 4服装等が適切であったか。
 【留意事項】特に無断欠席や遅刻は減点します。欠席等する場合は、必ず事前に教員(ただし外部講師の場合は、それぞれ担当)までメール等にて連絡してください。外部講師の講義で2回もしくは学内での実習で2回を超えて欠席した者は評価対象外とします。
テキスト
/Required Texts
なし
参考図書
/Reference Books
なし
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 ガイダンス   本科目全体のガイダンスおよび分野選択等についての説明を聴きます。併せて、評価基準についての説明も受けます(展示開催に向けて、必要に応じて受講者をグループに分けます)。 
2 第2回 講義Ⅰ 自然史標本収集の意義と価値について  外部講師による講義を受けます(講義は1日に2回(各90分)連続して実施します)。※予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。

高野 温子(兵庫県立人と自然の博物館・兵庫県立大学)

 自然史系博物館の資料は、動植物等の生物や鉱物・化石等多岐にわたりますが、いずれも自然環境に関する実物付き証拠、エビデンスデータとして価値があると認められたものです。自然史資料は単体でも価値がありますが、目的を持った継続的な収集活動によってコレクションが形成されることにより、更にその学術的重要性を増していきます。
 本講義では自然史資料の収集活動、標本の研究や展示等への利用について人と自然の博物館の事例を中心に紹介を行った後、大学所蔵の斉木植物標本コレクション、同コレクション画像データベース、及び附属薬用植物園を活用し、植物さく葉標本の利活用法について実習を行う予定です。
3 第3回 講義Ⅱ 日本玩具博物館における伝承文化の復興活動について  外部講師による講義を受けます(講義は1日に2回(各90分)連続して実施します)。予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。

尾﨑 織女(日本玩具博物館) 

・1974年に誕生した玩具をテーマとする個人立展示館が、45年の亘る歩みのなかで、収集保存、調査研究、展示、教育普及など、それぞれの博物館活動を連動させながら発展してきた歴史について概説します。
・海外の玩具博物館との交換収集や、災害時における市民からの「節句人形」の引き取り活動を例に、日本玩具博物館ならではの収集活動についてご紹介し、また「神戸人形」や「ちりめん細工」を例に、博物館が行う伝承文化の復興活動についてお話します。
 
4 第4回 講義Ⅲ 神戸の文化財と神戸市埋蔵文化財センターの役割  外部講師による講義を受けます(講義は1日に2回(各90分)連続して実施します)。※予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。

松林 宏典(神戸市埋蔵文化財センター)

 神戸市内では現在もどこかで発掘調査が行われており、これまでの調査の蓄積によって旧石器時代から明治時代にいたる遺跡が約900か所もあることがわかっています。発掘調査で出土した資料は、神戸市西区にある神戸市埋蔵文化財センターに運び込まれ、復元整理作業がおこなわれたのち、展示などを通じて広く活用されています。
 本講義では、まず、日本の文化財保護のあゆみと仕組みについて、神戸市での出来事をまじえながら講義します。また、神戸市における史跡の調査・保護・活用事例等を通じて文化財保護についての知識を深めるとともに、神戸市埋蔵文化財センターの事業を通じて、出土遺物の整理作業や活用方法あるいは普及・啓発活動についての理解を図ります。
5 第5回 講義Ⅳ 考古資料の文化財科学的な調査と保存方法について 外部講師による講義を受けます(講義は1日に2回(各90分)連続して実施します)。※予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。

中村 大介 (神戸市埋蔵文化財センター)

 歴史的文化財は人文科学的なアプローチのみならず、地球物理学や動植物学など、様々な自然科学の分析手法を用い、評価がなされてきました。歴史学を含め、これら学際的な学問領域として、保存科学、文化財科学が体系化されています。こうした調査研究で得られた情報は、歴史資料の保存を前提とした展示や活用にも必要となっています。
文化財、特に考古学的資料の活用、保存対策について、文化財科学の視野に立ち、遺跡の発掘調査や地域文化財の事例を中心に紹介します。
6 第6回 講義Ⅴ 古美術品の保存、取り扱いと展示方法について   外部講師による講義を受けます(講義は1日に2回(各90分)連続して実施します)。※予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。

海原 靖子(白鶴美術館)

1.古美術をとりまく環境について:白鶴コレクションの成り立ちから美術館設立、近年の展示活動までを概観しつつ、古美術品をとりまく保存環境に関する様々なトピックスを取り上げていきます。
2.古美術のためにできること:美術品保存環境に関する基礎を確認し、古美術品の保存のために白鶴美術館で行われている実践例を紹介します。
3.古美術作品取り扱いの基本と実習:古美術品やその保存箱の形状、特徴を説明します。扱う側の姿勢など、基本的な考え方を踏まえた上で、取り扱い・展示方法を実習しましょう。 
7 第7回 学外実習   神戸市埋蔵文化財センターにおいて、展示準備作業から展示資料の撤収までを想定した考古資料の梱包・運搬・開梱作業を中心に埋蔵文化財センター学芸員の指導を受けて行ないます。初回は埋蔵文化財センターへ出向いて展示資料選定の下調べを行います。
8 第8回 学内展示実習ガイダンス
 グループに分かれ、それぞれ企画展示の展示企画(案)を策定します。
9 第9回 展示実習(1)   企画展示(案)の企画立案作業を行います。 
10 第10回 展示実習(2)   企画展示(案)の検討・確定をします。 
11 第11回 展示実習(3)   グラフィックの作成作業を行います。 
12 第12回 展示実習(4)   グラフィックの作成作業(続き)を行います。 
13 第13回 展示実習(5)   グラフィックの作成作業(続き)を行います。 
14 第14回 博物館実習Ⅱの報告・反省会への参加   4年次生を対象に行われる博物館実習Ⅱの発表会(報告・反省会)に参加し、次年度に博物館実習Ⅱを受講するための参考にします。  
15 第15回 展示実習(6)   有瀬図書館において資料の搬入・展示作業を終日行います。 
16 第16回 展示実習(7)   有瀬図書館における企画展示の撤収を行い、博物館実習室へ資料を運んで、開梱・資料配架作業など一連の作業を終日行います。 
17 第17回 学外研修(博物館見学会)   2分野(歴史分野、民俗・人類学分野)に分かれ、県内の博物館へ出向き、展示手法や来館者サービス等について学びます。
 予習として講師が所属する博物館・研究所等のホームページを閲覧しておいてください(30分程度)。
 開講日時は、博物館学芸員課程の掲示板等にて通知します。

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