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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/12 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
人文科学入門B(1年次のみ)/Introduction to Humanities B
授業コード
/Class Code
A005131502
ナンバリングコード
/Numbering Code
GENs002
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
共通教育科目/
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
月3(前期)/MON3(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
新堂 粧子/SHINDO SHOKO
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
新堂 粧子/SHINDO SHOKO 共通教育センター
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
この科目は、全学(学部)のDPに掲げる「広い教養を身につけ、豊かな人間性や社会性を涵養」すること、そして学んだ知識を用いて現実の社会現象をとらえ「さまざまな問題を発見し、それを解決する方策を導く」力を養うことを目指す。
人文科学入門講座のひとつとして、とりわけ社会学を中心とする7つの基礎理論を命題の形で学習する。
理論の学習を通し、現代社会に特徴的な諸相のいくつかの面と、その中で生きる人間の欲望についての関心を深めること、また、学んだ理論を適用することで明らかとなる社会的事実および人間心理を確認し、さらにそれらの事象を実生活上の各自の実感と結びつけて理解し、考える力を習得することをめざす。

なお、この授業の担当者は、人文系書籍編集業務に30年以上携わっている実務経験のある教員であるので、人文科学分野の魅力を幅ひろく紹介するものとする。
到 達 目 標
/Class Objectives
1. 取り上げた理論の要旨を説明できる。
2. 学習した理論を通して明らかとなる現代社会および人間に関する諸問題に関心を持つ。
3. 習得した視点から身近な事象をとらえ返し、議論ができるようになる。
授業のキーワード
/Keywords
社会学的命題、言葉と人間、欲望、近代化、文明論
授業の進め方
/Method of Instruction
講義中心の授業ですが、適宜、質問を投げかけて受講生の応答を求め、理解度を確認しながら授業を進めてゆきます。取り上げる理論ごとにコメントカードを作成してもらいます。下記授業計画に沿って進める予定ですが、受講者の反応を見ながら計画を見直し、変更することもあり得ます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
私語を慎むこと。各自の実体験、実感と結びつけながら聴講することを心がけてください。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
理解不足を感じた場合は、テキスト『命題コレクション 社会学』で復習すること。(50分程度)
提出課題など
/Quiz,Report,etc
理論の習得ごとにコメントカードの作成を課し、学習したこと、質問、感想、その他設定した問いへの回答などを提出してもらいます。
その他、期末のレポートを課します。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
コメントカードの記載内容(40%)、期末レポート(60%)で評価します。
コメントカードでは、各理論に関する学習への取り組み度と理解度を評価し、レポートでは、授業内容の中で最も印象に残ったテーマについての論述を課し、各自の関心と結びつけた整理ができているかどうか、という点に特に注目して論述力を評価します。
テキスト
/Required Texts
作田啓一・井上俊編『命題コレクション 社会学』ちくま学芸文庫、2011年
参考図書
/Reference Books
作田啓一・木田元・亀山佳明・矢野智司編『人間学命題集』新曜社、1998年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第 1回 オリエンテーション:
社会学的命題の面白さについて
講義全体の内容、進め方を概説する。
「社会はそれを構成する個人の総和以上のものである」という命題を取り上げ、社会学的命題の特徴と面白さについて論じる。
2 第 2回 人間の攻撃性① 攻撃性についてのK.ローレンツの考え方を概説する。
3 第 3回 人間の攻撃性② 本能説に対する強い批判から読み取れる西欧的人間観について考えてみる。
4 第 4回 動機の語彙① C.W.ミルズの動機語彙論、M.ウェーバーの動機論および行為の4類型論を概説する。
5 第 5回 動機の語彙② 動機語彙論概説のつづき。および人々の相互作用状況にこの理論を当てはめてみることで、理論の有効性と限界について考える。
6 第 6回 預言の自己成就① R.K.マートンの預言の自己成就の理論について事例をあげて概説し、類似の理論としてピグマリオン効果の理論やラベリング論を解説する。
7 第 7回 預言の自己成就② 預言の自己成就の理論概説のつづき。およびこの理論の当てはまる各自の体験を振り返り、人間と言葉の力について考える。
8 第 8回 欲望の模倣とモデル=ライバル論① R.ジラールの欲望の模倣論を解説し、三者関係を社会の原型と捉える視点を提示する。
夏目漱石の小説『こころ』を取り上げる。
9 第 9回 欲望の模倣とモデル=ライバル論② モデル=ライバルと模倣の病について解説し、現代社会においては模倣の病が高じやすいこと、それの乗りこえ方を検討する。
10 第10回 志向のくいちがいと羞恥① M.シェーラーおよび作田啓一の羞恥論を概説し、恥と羞恥の違いを解説する。
11 第11回 志向のくいちがいと羞恥② 恥と羞恥の発生しやすい社会的条件をそれぞれについて検討し、近代の競争社会と恥、複数の視線にさらされやすい日本社会と羞恥の関係性を指摘する。後者に関して太宰治の小説のいくつかを取り上げる。
12 第12回 プロテスタンティズムの倫理と資本主義① M.ウェーバーの論文「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」において展開された思考をたどり、初期資本主義の時代精神を検討する。
13 第13回 プロテスタンティズムの倫理と資本主義② プロテスタンティズム、とりわけカルヴィニズムの予定説が職業労働への動機づけとなったとするウェーバーの議論を解説し、宗教思想が寄与した近代の初期資本主義の精神との対比によって、現代の後期資本主義における精神性の希薄さをあぶり出す。
14 第14回 自由からの逃走① E.フロムの著書『自由からの逃走』におけるフロムの主張を概説する。近代的自由と民主主義の制度化を達成したワイマール体制下のドイツで、なぜファシズムがこれほど強力になりえたのか、というフロムの問いとそれの解明。
15 第15回 自由からの逃走② 権威主義的パーソナリティと近代人について検討する。資本主義社会の発展の中に、人間の自由と孤独、支配と依存といった精神分析的テーマを見いだし、文明や資本制社会における自己疎外の問題に注目する。

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