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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/12 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
地域学講義ⅠA/地域学講義Ⅰ(兵庫学)/Regional Studies ⅠA
授業コード
/Class Code
A004232501
ナンバリングコード
/Numbering Code
GENv004
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
共通教育科目/
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
水2(後期)/WED2(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
山崎 整/YAMASAKI TADASHI
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
石田 裕之/ISHIDA HIROYUKI 共通教育センター
谷口 義子/TANIGUCHI YOSHIKO 現代社会学部/Contemporary Social Studies
中本 忠/NAKAMOTO TADASHI 共通教育センター
山崎 整/YAMASAKI TADASHI 共通教育センター
授業の方法
/Class Format
原則として「対面授業」を実施する予定ですが、コロナウイルスなどの感染状況により、「オンデマンド方式」(onedriveで視聴)による遠隔式に変更する可能性もあります。遠隔式となってもZOOMによる「リアルタイムのオンライン授業」は行いません。オンデマンド式になった場合も原則「対面による期末試験」を2025年1月29日(予備2月5日)に実施し、「レポートの提出」は求めません。試験は「マークシートによる5択式50問」とし、1月15日の最終第15回講義で試験の概要を説明します
授業の目的
/Class Purpose
兵庫県が持つ、他の府県とは異なる特殊な性格を一つ一つ明らかにしていきます。時に授業当日または前日の新聞記事から重要な時事問題を切り抜き、「今」兵庫県、日本、世界で起きていることを知り、社会性を身に付けます。「兵庫学入門」に絡む「幅広い知識」を学ぶ過程で全学DPに示すように、発見した諸問題を解決に導き、習得した知識を社会で活用、生涯にわたり他者や異文化理解にもつなげます。当科目の担当4教員とも実務経験あり。山崎整(元新聞記者・編集委員、現ニュースコメンテーター)石田裕之(現シンガーソングライター・防災士)谷口義子(元自治体広報誌編集・執筆者、現地域研究者)中本忠(元兵庫県警警視正)
到 達 目 標
/Class Objectives
兵庫県は本州では、両端の青森と山口を除けば、唯一「太平洋から日本海にまたがる」◇源氏・平氏とも強いゆかりがある◇県庁の町・神戸にも表と裏の顔がある◇なぜ神戸はスイーツとパンの町になったのか◇災害に強い町―などに関する疑問が解決できます。高校までの教育では、ほとんど教えられてこなかった兵庫県内の事象についての知識が得られます。日頃何気なく見ている町の光景にも興味がわきます
授業のキーワード
/Keywords
祭りの華・太鼓台文化◇そもそも関西とは◇スイーツとパンが育まれた街◇江戸時代の藩◇姫路城が立派過ぎる訳◇シーボルトが見た兵庫県◇淡路の人形浄瑠璃◇警察の歴史と組織◇災害と防災
授業の進め方
/Method of Instruction
可能な限り「対面授業」を実施し、時に学生への質問を交えて理解度を測りながら、教える側と教えられる側の双方向性を持たせる方針です。もしコロナなどの感染拡大に伴い、オンデマンド式となっても「2024年後期からdotCampusに代わるMoodle」を活用し、学生からの質問には、その質問と回答をフォーラムに貼って、受講学生全てに伝えます。Moodleに載せて記録に残し、全履修生にアナウンスすることによって双方向性を持たせます。元記者で現在ラジオのニュースコメンテーターを務める山崎が担当する回では、最新(原則、講義当日付朝刊)の新聞記事を使い、「今、神戸で、国内で、世界で、何が起きているのか」も確認し、時に歴史的事実とも対比させながら授業を進めます
履修するにあたって
/Instruction to Students
「対面」「オンデマンド」いずれの方式でも、毎回の授業で使うレジュメは、あらかじめ「Moodle」に上げておきますが、対面の場合は当日配布もします。「オンデマンド」になれば、必ず授業前にレジュメを印刷(プリンターがなければコンビニでも可能)しておいてください。細かい年代の暗記は必要ありませんが、日本歴史の大まかな流れや時代区分をあらかじめ知っておくと理解が深まります。時に、神戸などの地域史から日本全体の歴史も眺めます。講義用のレジュメのほか、各人が書き留めるノートがテキストであり、参考書となります。期末試験のためにも有用なノートを作成してください。試験にはレジュメ、各自のノートとも「持ち込み可」です
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
レジュメに掲載した「読み物」は、講義で触れられなくとも、必ず読んでおいてください。また、地域の歴史や文化に日頃から興味を持ち、知的好奇心のアンテナを張り巡らしてください。関連する書籍や新聞・雑誌の記事を読む時間を含め1時間程度は必要でしょう
提出課題など
/Quiz,Report,etc
2025年1月29日(予備2月5日)に「対面による期末試験」を実施し、もし授業がオンデマンド式となっても原則「レポートの提出」は求めません。試験は「マークシートによる5択式50問」とし、1月15日の最終第15回講義で試験の概要を説明します
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
「対面によるマークシート式期末試験」の結果によります
テキスト
/Required Texts
テキストは使用しませんが、毎回、レジュメをMoodleにアップします。オンデマンドによる遠隔授業の場合は各自が事前に印刷した上、講義を視聴してください。対面授業ではレジュメのプリントを配布します
参考図書
/Reference Books
山崎整著『幕末維新の兵庫・神戸』(2018年、1750円)、神戸新聞社編『ひょうご全史㊤㊦』(2005年、2006年、各2000円)、田辺眞人・谷口義子著『神戸の歴史ノート』(2018年、1300円)=共に神戸新聞総合出版センター刊=など多数ありますが、各自の関心に応じて地域史関連の読書を勧めます
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回(9月25日) ガイダンス―太鼓台の祭り まず講義全体を概観。姫路の「灘・けんか祭り」や高砂・曽根天満宮の秋祭りなどに担がれる山車を標準名「太鼓台」と呼ぶ。地元播磨では「屋台」と称するが、この太鼓台は、地域ごとに少しずつ形を変えながら瀬戸内海沿岸地域を中心に西日本各地に分布する。長崎の「コッコデショ」、淡路の「かきだんじり」、大阪・堺の「布団太鼓」など地域で呼び名は異なっても、全て同類にまとめられる。その太鼓台が、なぜか兵庫県内で最も分布域を広げ、しかもバラエティーの豊かさでも他地域を圧倒する。いまだ謎が多い太鼓台型山車のルーツと現在までの発展過程を、仮説を交えながら探っていく。コロナの感染拡大により、2020、21年の祭礼中止が各地で相次いだのは残念だったが、22年は概ね開催された。23年はコロナ前の盛大な祭りが戻り、24年は更なるにぎわいが期待される。(山崎)
2 第2回(10月2日) 兵庫は源氏か平氏か 一般に「西日本は平氏」との印象が強く、神戸も平清盛が一時、都を置いたことから、色は完全に平氏色に染まっている。その連想から、兵庫県全体をも「平氏ゆかりの地」と捉えがち。しかし、川西市の多田神社は「源氏の中の源氏」とも言える「清和源氏発祥の地」だ。その事実を広める「川西市源氏まつり」も毎年4月に開かれる。2020年はコロナの感染拡大で中止された。地元を離れると「川西=源氏」の知名度は限りなくゼロに近いため、同市では21年から「清和源氏まつり」に改称して飛躍を期したが、やはりコロナのため中止に追い込まれた。22年はイベントを縮小して実施された。第59回となる23年は無事開催、第60回の節目となる24年は知名度の拡大が期待される。「源平」ともに深いゆかりを持つ兵庫県の奥深さを探る。(山崎)
3 第3回(10月9日) 近世藩の成立 兵庫県内には、江戸中期以降、「大藩」は存在しなかった。最大でも姫路藩の15万石。その石高にしては、世界遺産にもなった姫路城は立派過ぎる。なぜなのか。池田輝政が城主だった江戸初期、一族で播磨・淡路・備前・因幡の4国、合わせて100万石近くを領していた名残と言える。「大坂の陣」の後、幕府が統治政策を転換させ、姫路藩を分割する形で龍野・明石・赤穂・山崎・林田藩などを新たに立藩、「細分化支配」を構築していった。こうして誕生した「藩」の存在が、現在の住民気質にも受け継がれている実態に触れながら、近世藩の成立過程を追う。(山崎)
4 第4回(10月16日) 官兵衛―播磨からの飛躍 2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公となった黒田官兵衛を取り上げ、福岡藩主家として幕末まで続いた名家の基礎を築いた人物の生涯をたどる。なぜ、官兵衛は「軍師」たり得たのか。正史「黒田家譜」の記述が全て正しいのか。幾つかの謎を解剖し、随時、異説にも触れながら、有能な軍師でありながら天下を取れなかった官兵衛という人物を通して、戦国期から江戸初期にかけての時代を考える。(山崎)
5 第5回(10月23日) シーボルトの『江戸参府紀行』 今日、シーボルトと言えば、日本地図などの禁制品を海外に持ち出そうとして軟禁後、国外追放された「シーボルト事件」の“首謀者”として教科書に書かれるように、マイナスのイメージが強い。ところが、オランダ商館長に伴って長崎から江戸までを往復した際、博物・民族学者として道中を鋭く観察し、克明に日記に記した事実は意外に知られていない。兵庫県内でも各地に足跡を残し、中でも楠木正成の墓にまつわる記述などは、今日では湊川神社にも記録がない貴重なもの。現風景と比較しながら「シーボルトが見た兵庫」を再現する。(山崎)
6 第6回(10月30日) レコード王国だった関西 現在、日本レコード協会に加盟するレコード会社は正会員18社とも「東京」に一極集中する。ところが、明治44年、神戸に日本で2番目のレコード会社「時枝商店」が誕生して以来、大正から昭和戦前期まで、関西に数多くのレコード会社がひしめいていた。この事実は今日、完全に忘れられているが、兵庫県内にも、先の時枝商店のほか日英楽社(三木市)、内外―太平―大日本―日本マーキュリー(西宮市)、東亜(尼崎市)などの会社が存在し、それぞれ特徴ある演目を録音・製品化していた。残された「当時の音」を実際に聴きながら、今日的意義を探る。(山崎)
7 第7回(11月6日) 摂津―神戸市の二面性 神戸は、特に外部から「港町」「ハイカラ都市」と見られるが、それはいわば“表の顔”。実は、もう一つ“裏の顔”とも呼ぶべき、別の姿も持っている。港もなく、ハイカラでもないが、伝統的な「癒やし」系観光資源が豊かな北区や西区もまた同じ市域に含まれる。「二面性」を持つ神戸市の実態を解剖する。(石田)
8 第8回(11月13日) 兵庫の災害史と防災 旧五国からなる兵庫県は地域により地勢や気候が大きく異なり、その災害リスクも幅広く想定される。阪神・淡路大震災に代表される地震災害のみならず、これまで経験してきた様々な災害の事例を振り返り、日本の防災分野をリードする兵庫県の取り組みと今後の備えについて防災士の立場から考察する。(石田)
9 第9回(11月20日) 「土木の聖地」としての但馬 但馬には「古代=天日槍(あめのひぼこ)伝説」「中世=天空の竹田城」「近世=鉱山採掘」「近代=鉄道の難工事」など、各時代の代表的な土木構築物が残っている。また、土木学会の創立や治水の神様と呼ばれた土木学者も輩出した。「土木文化」という視点から検証することで、新たな但馬像をとらえる。(谷口)
10 第10回(11月27日) 「阪神間モダニズム」とその土壌 阪神地域は京都・大阪・神戸に近接しており、中央の文化や経済力の影響を受けてきた。近代以降、阪神間は別荘地および郊外住宅地として開発が進み、独特の「モダニズム文化」が開花した。近年着目されている阪神間モダニズムについて理解し、この地域の特性を考えよう。(谷口)
11 第11回(12月4日) 神戸・阪神間のスイーツとパン 神戸・阪神間の洋菓子メーカー&ベーカリーは、今や首都圏をはじめ全国のデパ地下に進出している。しかし、神戸の洋菓子文化を語る常套句の「開港場だから」という説明は、同じ開港場の横浜や長崎には該当しない。では、なぜ神戸がスイーツとパンの街として躍進できたのか。さまざまな資料を見ながら発展史をたどる。(谷口)
12 第12回(12月11日) 丹波の風土に育まれた逸品 兵庫県の内陸部に位置する丹波は、日本六古窯(瀬戸、常滑、信楽、備前、越前、丹波)の一つに数えられる丹波(立杭)焼のほか、黒豆・小豆・栗・山の芋・茶などの「逸品」特産品を産出している。丹波で豊富な逸品が生まれた背景は何か。丹波の歴史と風土に着目してみよう。(谷口)
13 第13回(12月18日) 芸能の島―淡路の人形浄瑠璃 淡路人形浄瑠璃は、鎌倉時代に西宮から伝わった「えびすかき」が起源とされる。江戸時代には淡路島だけで40以上の座元があり、全国各地へ巡業したという。国の重要無形民俗文化財に指定された淡路人形浄瑠璃に触れるとともに、淡路島の地域特性へも視野を広げたい。(谷口)
14 第14回(1月8日) 兵庫の警察とその歴史 兵庫県警の歴史と組織、警察が重点的に活動をしている業務の力点などについて話を進め、その中で今後、警察としていかに県民のために働き、日本一住みよい「兵庫県」を確立するため地道に活動しているか。ありのままの姿について話を展開する。(中本)
15 第15回(1月15日) 関西とは何か 兵庫県は関西圏に属している。何気なく使われている「関西」とは本来、何を意味し、どこからどこまでが関西なのか。似かよった「近畿」とはどのように住み分けられているのか。そして関東とは何が違うのか―など、兵庫が属する関西の文化について考える。(山崎)

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