シラバス参照
| 科目一覧へ戻る | 2025/07/08 現在 |
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開講科目名 /Class |
人と社会と自然特論Ⅱ/地域形成論/Special Lecture on People, Society and Nature II |
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授業コード /Class Code |
B505515001 |
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ナンバリングコード /Numbering Code |
HASe330 |
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開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
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開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
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年度 /Year |
2025年度/Academic Year |
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開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
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曜日・時限 /Day, Period |
月1(後期)/MON1(AUT.) |
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単位数 /Credits |
2.0 |
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主担当教員 /Main Instructor |
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO |
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遠隔授業 /Remote lecture |
No |
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教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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| 矢嶋 巌/YAJIMA IWAO | 人文学科/Humanities |
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授業の方法 /Class Format |
講義(対面授業) |
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授業の目的 /Class Purpose |
人文科学における卒業研究においては、さまざまな場所、つまり地域を扱う研究が少なくありません。ある場所としての地域は、自然、人文、社会の要素がさまざまに関係し合って成り立っています。特定の地域そのものを研究対象とした研究はもちろんのこと、文学や歴史、芸術、環境など、地域的背景が重要な要素となる人文分野の研究を行なう場合、その地域をいかに理解できるかが、研究を成功させる鍵の一つとなることでしょう。また、地域理解のために、さまざまなメディアコンテンツを資料として活用することにより、より好奇心を持って地域を理解することができるでしょう。この授業では、異なる特徴を有する地域を取り上げ、地域がいかに形成されてきたのか、つまり地域の成り立ちについて考えます。環境がどのように利用され改変されて人々の生活の舞台とされ、特徴的な地域が形成されてきたのか、具体的な事例を取り上げて論じ、地域形成に影響を及ぼした要因について考えます。その際、新聞報道、映画、文芸、名所図会(江戸時代の観光ガイド)など、さまざまなメディアコンテンツによる作品・資料を活用し、理解に役立てます。 以上により、本授業が、広く人文学部生の卒業研究にとって有用な視点と手法となることを目指します。 この授業は、人文学部DP2、9と対応します。 |
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到 達 目 標 /Class Objectives |
・地域の特徴をなす自然、人文、社会の各要素間の関係性について理解し、地域を総合的に考察する力を養う。 ・人文学における研究において求められる地域を理解するための応用力を養う。 ・高等学校地歴科・中学校社会科分野や地域に関係する業務を遂行する際に有用な基礎力を得る。 ・地域で賢く生きていくための総合力を得る。 |
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授業のキーワード /Keywords |
地理学、地域理解、産業、文学、芸術、環境、メディアコンテンツ、都市、農村、近代、歴史 |
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授業の進め方 /Method of Instruction |
講義形式で実施する。必要に応じて、ビデオなどの映像資料も活用する。 |
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履修するにあたって /Instruction to Students |
関係科目である地域社会概論Ⅰ、地誌学、人文地理学、自然地理学、地域社会概論Ⅱ、人文情報処理も履修することが望ましい。 |
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授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
シラバスを参考にして、講義前に関係する事項について毎週1時間程度の予習を、また、講義後には授業内容について毎週1時間程度の復習をすることを心がけて下さい。また、日頃から意識して景観を観察したり、地域の産業について取り上げたテレビ番組や新聞記事などを見ることを心がけて下さい。 |
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提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義中に、講義内容に関する小レポートを時々実施します。なお、受講者の理解を深めるために、いくつかを選んで、次回の授業で匿名にて論評します。 |
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成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験70%、毎回の授業時に実施する小課題30%の割合で評価します。 定期試験や小レポートは、内容の概念や因果関係、歴史的経緯の理解がポイントです。 |
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テキスト /Required Texts |
山口 覚・水田憲志・金子直樹・吉田雄介・中窪啓介・矢嶋 巌(2019)『図説 京阪神の地理―地図から学ぶ―』ミネルヴァ書房 |
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参考図書 /Reference Books |
石川理夫(2018)『温泉の日本史―記紀の古湯、武将の隠し湯、温泉番付―』中公新書 石田光規編著(2018)『郊外社会の分断と再編―つくられたまち・多摩ニュータウンのその後―』晃洋書房 川本三郎(2022)『『細雪』とその時代』中央公論新社 神崎宣武(1991)『物見遊山と日本人』講談社学術新書 神戸市立博物館編集発行(1998)『有馬の名宝 蘇生と遊興の文化(展示図録)』 甲南大学阪神大震災調査委員会編(1996)『阪神地方水害記念帳(復刻版)』神戸新聞総合出版センター 鈴木英治(2020)『若殿八方破れ(三) 姫路の恨み木綿』小学館時代小説文庫 スタジオジブリ編(1997)『スタジオジブリ作品関連資料集〈5〉』徳間書店 関戸明子(2007)『近代ツーリズムと温泉』ナカニシヤ書店 高柳友彦(2023)『温泉旅行の近現代』吉川弘文館 谷崎潤一郎(2015)『細雪上巻』『細雪中巻』『細雪下巻』中央公論新社 平岡昭利編(2019)『読みたくなる「地図」国土編―日本の国土はどう変わったか』海青社 三好庸隆(2023)『オールドニュータウンを活かす!―理想都市の系譜から多様な暮らし方の実現へ―』大阪大学出版会 |
| No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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| 1 | 第1回 | ガイダンス | 本授業の目的と方法、授業の進め方について説明します。 | |
| 2 | 第2回 | 加古川の姫路木綿―日本の農業と地域(1)― | 近年の播州では、かつて盛んに栽培されていた綿(姫路木綿)に注目した地域振興が散見されます。綿栽培について概略的に紹介した後、兵庫県加古川市の農村を事例に、東播磨の自然環境と村落の暮らしについて説明します。 | |
| 3 | 第3回 | 加古川の姫路木綿―日本の農業と地域(2)― | 兵庫県加古川市の農村を事例に、近世における綿栽培の発展と暮らしの変化について説明します。 | |
| 4 | 第4回 | 加古川の姫路木綿―日本の農業と地域(3)― | 兵庫県加古川市の農村を事例に、明治期前期における綿栽培の衰退と暮らしの変化について説明したうえで、現代の播磨地方における綿を活かした地域振興の取り組みについて紹介します。 | |
| 5 | 第5回 | 有馬温泉―日本の観光と地域(1)― | 日本における観光の発展と地域形成について、関西を代表する観光地である有馬温泉を例に考えます。古代から近世にかけての信仰や湯治を中心とした日本人の観光について概観します。 | |
| 6 | 第6回 | 有馬温泉―日本の観光と地域(2)― | 日本における観光の発展と地域形成について、関西の観光地から考えます。神戸市北区の有馬温泉を取り上げ、温泉地としての歴史について踏まえた後、近世における有馬温泉の発展について説明します。 | |
| 7 | 第7回 | 有馬温泉―日本の観光と地域(3)― | 日本における観光の発展と地域形成について、関西を代表する観光地である有馬温泉を例に考えます。近代の有馬温泉への鉄道敷設による影響や、第二次世界大戦中の状況、高度経済成長期以降のマスツーリズムの進展について説明します。また、インバウンドの来訪が多い近年の状況についても説明を試みます。 | |
| 8 | 第8回 | 六甲のハゲ山―日本の災害と地域(1)― | 日本の災害と地域との関わりについて、六甲山地と阪神間の自然環境と人々の暮らしの関係から考えます。明治初期の写真ではハゲ山となっていた六甲山地について、地質と形成、気候について概観したのち、中近世以降のハゲ山化と人間活動との関係性について考えます。 | |
| 9 | 第9回 | 六甲のハゲ山―日本の災害と地域(2)― | 日本の災害と地域との関わりについて、六甲山地と阪神間の自然環境と人々の暮らしの関係から考えます。かつては六甲山地の山麓や海岸に農漁村が見られる地域であった西宮市南部、芦屋市、神戸市東灘区、灘区付近のいわゆる阪神間において近代以降進んだ、私鉄の発達、住宅地開発、六甲山地の観光開発について概観します。 | |
| 10 | 第10回 | 六甲のハゲ山―日本の災害と地域(3)― | 日本の災害と地域との関わりについて、六甲山地と阪神間の自然環境と人々の暮らしの関係から考えます。1938年7月に発生した阪神大水害は、神戸市から阪神間に甚大な被害をもたらしました。その発生状況について谷崎潤一郎の小説『細雪』とそれをもとにした映画も活用して理解した上で、これまでの授業を踏まえて、災害悪化の要因について考えます。 | |
| 11 | 第11回 | 『耳をすませば』の団地―日本の都市開発と地域(1)― | 日本の都市化と地域との関わりについて、団地から考えます。多摩ニュータウンの団地に暮らす少女を主人公としたジブリ映画『耳をすませば』も活用し、団地という存在について考えます。 | |
| 12 | 第12回 | 神戸・大阪のニュータウン―日本の都市開発と地域(2)― | 日本の都市化と人々の関わりについて、団地から考えます。神戸など関西におけるニュータウン開発について、資料映像も用いて紹介します。 | |
| 13 | 第13回 | 戦災そして戦後の住宅難―日本の都市開発と地域(3)― | 日本の都市化と地域との関わりについて、団地から考えます。団地・ニュータウン開発を引き起こした第二次世界大戦後の住宅難について説明します。 | |
| 14 | 第14回 | そしてイギリスへと遡る―日本の都市開発と地域(4)― | 日本の都市化と地域との関わりについて、団地から考えます。団地・ニュータウン開発の背景としてのイギリスにおける田園都市構想について説明します。 | |
| 15 | 第15回 | まとめ | 地域を総合的に把握する意味は何なのか、将来地域はどうあるべきなのか、さまざまなメディアコンテンツによって描かれる地域をどう考えたらよいのか、考察します。 |