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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2025/07/24 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
環境経済論 [公共]/Environmental Economics
授業コード
/Class Code
B305021001
ナンバリングコード
/Numbering Code
ECOd313
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
経済学部/Economics
年度
/Year
2025年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
木1(前期),木2(前期)/THU1(SPR.),THU2(SPR.)
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
安逹 啓介/ADACHI KEISUKE
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
安逹 啓介/ADACHI KEISUKE 経済学部/Economics
授業の方法
/Class Format
講義(対面)
授業の目的
/Class Purpose
この授業では、さまざまな環境問題に対してミクロ経済学やマクロ経済学などの経済学の知見がどのように生かせるかを学ぶ。具体的には経済学の知見をベースとした環境政策ならび環境経済学の理論と実証について、さまざまな研究事例・論文をもとに学んでいく。

これらの学びを通じて、学部のDPに示す「1.経済の歴史や制度に係わる知識を修得し、今日の経済情勢を歴史的・制度的に理解できる」こと、および「2.経済理論の基礎を習得し、日常の経済生活や経済全体の動向について理論的に理解できる」こと、そして「3.経済データに関する基礎的知識を修得し、統計的な処理・分析ができ、政策課題に対応できる」ことをめざす。また、「5.経済問題を総合的に分析できる知識と技能を活用し、国内外において、価値観や意見の異なるさまざまな人と議論し、学びを深め、協働して、社会に役立てることができる」能力の開発、向上を目指す。
到 達 目 標
/Class Objectives
自然環境と経済活動との関連性を説明できる。
環境政策、環境経済学の基礎的な理論を説明できる
環境問題に必要な政策について、経済学的な視点から説明できる。
他者からの意見、批判を建設的に取り入れ、自身の主張を強化することができる。
授業のキーワード
/Keywords
環境、経済、環境問題、環境政策、環境経済学、公害、水質汚染、大気汚染、土壌汚染、循環経済、リサイクル、自然資源、農業、林業、漁業、資源の枯渇、コモンズ、公共財、エネルギー、持続可能性、SDGs、地球温暖化、気候変動、森林破壊、生物多様性、生態系、余剰分析、外部性、外部不経済、直接規制、環境税、環境評価、費用便益分析、費用効果分析、リスク便益分析、環境経営、ESG、環境金融
授業の進め方
/Method of Instruction
配布資料とパワーポイントを併用する形で授業を進めていく。
毎回の授業中に、必ず記述課題を課す。それを通して、題材に対する自身の意見を形成し、文章化する力を養成する。そのため、ただ単に講義を聞くのではなく、いかにその内容を受講者自身の社会の見方と結びつけて考えられるかが重要となる。
履修するにあたって
/Instruction to Students
ミクロ経済学、マクロ経済学のほか、統計学の知識があると学習しやすい。
授業に集中して取り組み、あとで復習できるように学習内容を記録しておくこと。
これから社会人になる身として、周りに配慮したふるまいを心がけること。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
各回の授業後、配布資料・ノートなどを見直して復習すること(45分程度)。
次回の学習内容について、リンク(OneDrive)内に配置する資料を用いて事前に予習(確認)しておくこと(45分程度)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回、授業内課題と授業外課題の2種類の課題を出す。
同上課題の内容および提出方法は、授業中に告知する。授業外課題(Googleフォーム)については下記のリンク(OneDrive)の課題フォルダに配置する。
課題のフィードバックは、次回授業の冒頭で受講者全体に対して行う。 
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
①毎回の授業内課題・授業外課題(計40%)、②レポート(20%)、確認テスト(計4回、計40%)の成績で評価する。
テキスト
/Required Texts
なし。授業で使用する資料は、授業中または下記のリンク内で配布する。
参考図書
/Reference Books
栗山浩一・馬奈木俊介『環境経済学をつかむ(第4版)』有斐閣、2020年
大沼あゆみ・柘植隆宏『環境経済学の第一歩)』有斐閣ストゥディア、2021年
有村俊秀『入門 環境経済学(新版)』中公新書、2023年
岡敏弘『環境政策論』岩波書店、1999年
岡敏弘『環境経済学』岩波書店、2006年
佐久間信夫・井上善博・矢口義教編『入門 企業論』法律文化社、2024年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 環境と経済 「環境」とは何かを学び,環境と経済のつながりについて考える。そして,「環境経済学」とはどのような学問かを理解する。
2 第2回 環境問題を知る 環境経済学の分析対象であるさまざまな地球環境問題について学ぶ。
3 第3回 「公害」がもたらした被害 足尾鉱毒事件や世界各国の初期の産業公害,そして日本の「四大公害」を手掛かりに,なぜいま「公害」を学ぶ必要があるのかを考える。さらに,過去から現代に続くさまざまな公害が人間社会にもたらしてきた被害について考える。
4 第4回 「公害」をどう乗り越えるか 公害の被害構造について学び,企業や政府,そして消費者はそれらの公害にどのように向き合ってきたか,その功罪について考える。
5 第5回 「ごみ問題」に向き合う 日本と世界各国のごみ事情について,統計データを用いて解説する。そして,地域・国際的なごみ問題の歴史について知る中で,何がごみ問題の解決を困難にしているかを考える。
6 第6回 「循環型社会」に必要なものとは 物質フローから廃棄物問題を眺めることで,「リデュース(減量)」,「リユース(再利用)」,「リサイクル」の現状について学ぶ。そして,大量廃棄社会から「循環型社会」へのシフトにおいて,どのような技術的や社会的な変革が必要となるかについて議論する。
7 第7回 「農」がつなぐ環境 1次産業と自然環境とのつながりについて学ぶ。そして日本の農村の現状と課題を例として,特に農林業の衰退が,水田や森林の公益的機能にどのような影響をおよぼすか,研究事例をもとに解説し,その対策について考える。
8 第8回 「コモンズ」とは何か 身近なコモンズ(共有資源)を例に,それらの機能や歴史的な変化について学ぶ。日本における例をケーススタディに,「コモンズの悲劇」を回避するための条件について考える。
9 第9回 第1回から第8回までのおさらい 初回から第8回までの内容について振り返り,要所を復習する。そして,それらの内容に関する確認テスト①を実施する。
10 第10回 現代のエネルギー問題 エネルギーとは何かを知り,日本と世界のエネルギー事情について歴史的,技術的な側面から学ぶ。そして,現代のエネルギー問題(特に原子力発電,火力発電)と再生可能エネルギーの可能性について考える。
11 第11回 エネルギー自治がもたらすもの エネルギーを地元(自前)で生産することの現代的意義とその課題について,日本や世界の事例をもとに考える。また,エネルギー自治が地域経済にもたらすものについて議論する。
12 第12回 「持続可能性」とは何か 「持続可能性」という概念を学び,現在いたるところで見聞きする「持続可能な発展」や「SDGs(持続可能な開発目標)」の内容について理解を深める。そして,その中にある矛盾について議論する。
13 第13回 「気候変動問題」への対処と現状 地球温暖化,異常気象の多発,それらにともなう自然災害の増加などの「気候変動問題」をテーマに,世界各国の環境政策とその実際的な効果について学ぶ。そして,いくつかのシナリオ分析をもとに,21世紀末の日本および国際社会において起こる予想される諸問題について考え,議論する。
14 第14回 地域課題と地球課題の接点 第13回に続き気候変動問題をテーマとして,世界各国の事例をもとに,地域レベルでの取り組み課題と地球規模での取り組み課題の接点について学び、考える。
15 第15回 第10回から第14回までのおさらい 第10回から第14回までの内容について振り返り,要所を復習する。そして,それらの内容に関する確認テスト②を実施する。
16 第16回 環境経済学の基礎(1):余剰分析の応用 環境問題を経済学的に分析するにあたり必要となるミクロ経済学の基礎知識を確認する。特に,余剰分析の理論とその環境問題への応用について図を用いて理解する。
17 第17回 環境経済学の基礎(2):外部性と市場の失敗 外部性とは何かを学ぶ。環境問題と外部性の関係,外部性の種類について,具体例を示しながら解説する。また,外部性が存在するとなぜ社会的余剰が損なわれるか、図を用いて理解する。
18 第18回 環境経済学の基礎(3):公共財とフリーライド問題 まず,公共財とは何か学ぶ。次に,公共財的な性格が強い環境政策において発生するフリーライド(ただ乗り)の存在が,結果として政策の有効性を歪めることを学ぶ。そして,その際に政府が果たすべき役割を考える。
19 第19回 直接規制と経済的手法 環境政策の基本的手法として,伝統的かつ強制力の大きい直接規制と,環境汚染の社会的費用を製品やサービスなどの費用に反映させる経済的手法について学ぶ。また,実際に各国で採用されている政策を事例に,その効果や影響について考える。
20 第20回 環境税と補助金の経済分析 外部性を内部化する経済的手法のである環境税(ピグー税,ボーモル=オーツ税)と補助金について,余剰分析を用いて学ぶ。そして,税の負担が消費者と生産者のどちらにあるのかについて考える。さらに,それらの政策が短期と長期でどのように異なるかを確かめる。
21 第21回 汚染問題の経済分析 大気汚染や水質汚染などの汚染問題を例に,直接交渉による環境権と資源配分の問題の解決方法として「コースの定理」を学ぶ。
22 第22回 第16回から第21回までのおさらい 第16回から第21回までの内容について振り返り,要所を復習する。そして,それらの内容に関する確認テスト③を実施する。
23 第23回 排出量取引の経済分析 第21回で学んだコースの定理を応用した環境政策として,排出量取引について学ぶ。さらに,各国の排出量取引の事例(SO2,CO2など)をもとに,その効果と問題点について考える。
24 第24回 地球温暖化対策としての経済的手法 排出量取引に加え,炭素税,二国間クレジット制度,REDD+などの世界各国の政策の現状について,パリ協定以降の国際情勢も踏まえて解説する。また,排出量取引と炭素税の違いについて学ぶ。
25 第25回 生物多様性保全の経済分析 「生物多様性」の概念をはじめ,生物多様性の減少が人間社会にどのような悪影響をもたらすかを学ぶ。そして,生物多様性の保全に市場メカニズムがどのように活用できるか,そしてその限界を考える。
26 第26回 環境の価値をどう測るか(1) 環境の価値とは何かを考え,その評価方法である「代替法」,「トラベル・コスト法」,「ヘドニック法」の基礎と研究事例を解説する。
27 第27回 環境の価値をどう測るか(2) 第26回に引き続き,環境の経済的価値について考える。「仮想評価法」,「コンジョイント法」を学ぶ。
28 第28回 サステナビリティ時代の環境経営 企業の環境に配慮した経営(環境経営)の発展の経緯をはじめ,どのような手法によって環境経営を実践しているか学ぶ。また,近年,重要性が増している「脱炭素」と「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の現状と企業の実践例を解説する。
29 第29回 融からの環境問題へのアプローチ 近年の「ESG投資」を中心とした環境に配慮した投資や融資(環境金融)の現状と課題について学ぶ。また,ESG投資の世界的な拡大に伴い,企業等に対する気候変動対策などの非財務情報の開示圧力が高まってきている。これらを題材に,環境金融の可能性と問題点について議論する。
30 第30回 第23回から第29回までのおさらい 第23回から第29回までの内容について振り返り,要所を復習する。そして,それらの内容に関する確認テスト④を実施する。

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