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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/21 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
生涯学習論Ⅱ(資格)/Lifelong Learning Ⅱ
授業コード
/Class Code
B508344002
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
金1(後期)/FRI1(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
立田 慶裕/TATSUTA YOSHIHIRO
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人間探究科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF PERSONAL DEVELOPMENT AND CULTURE〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
立田 慶裕/TATSUTA YOSHIHIRO 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
講義、演習

遠隔講義(基本 オンデマンド) で実施のため、moodleを利用します。
moodle で講義資料をダウンロードして
毎回のアンケートに回答してください。

また、講義録の動画は、one driveへアップします。

授業の目的
/Class Purpose
 現代の生涯学習は、多様な学習方法を取り入れつつ展開されています。しかし、そのような時代の中でも、読書という基本的な学習方法は重要な位置を占めています。特に、近年、子どもの読書活動振興法や、文字活字文化振興法が成立する中で、子どもだけではなく、大人の読書の推進も生涯学習の政策として、重視されつつあるのです。
 この講義では、社会人の基礎的な力としての読書力の向上と読書習慣の習得を図ります。そのために、まず、幼児から成人に至るまでの読書の発達について考え、大学生の調査結果から作成した推薦本リストを参考にし、次のような読書法の学習を行う予定です。
1.ライト・リーディング(軽く読む。難しい本ではなく、絵本や新書から読み始める)
2.フリー・リーディング(タダで読む。青空文庫の利用。図書館の利用)
3.ブックトーク(本の内容について、誰かと話し合う)
4.探究型読書(テーマをつなげて読んでいく。同じ本を繰り返し読む)
5.追っかけ型読書(一人の作家の作品を続けて読む)
6.異分野読書(いつも読む分野とは異なる領域の本を読む)
7.マルチ読書(その作品について、活字だけではなく、新聞や漫画、映画を見る)
 こうした読書を楽しみながら、8.生涯読書の習慣(1月2冊〜4冊を読む習慣を持つ。同じ本を繰り返し読む習慣を持つ)を身につけることを目指します。その過程で、本学DPの専門的知識とスキル、読書をめぐる課題解決、主体性を持って相互に学ぶ態度を生涯学習に関わって学んでいきます。本講義は、10年以上の社会教育リーダーの経験と国立教育政策研究所における生涯学習研究の実務経験を有する講師が担当し、その経験を理論と実践の講義に活用します。
到 達 目 標
/Class Objectives
学習目標は、1)生涯学習の多様な方法を身につけることができる、2)なかでも多様な読書法の修得を通じて、読書力の向上を行い、3)他の人への読書の指導ができるようになり、4)その後の成人期における読書習慣の形成(1か月に2冊〜4冊)へとつなぎ、5)生涯にわたる読書の楽しみをめざす。
授業のキーワード
/Keywords
生涯学習の方法、読書力、読解力、読書教育、学校図書館、読書法、コンピテンシー
授業の進め方
/Method of Instruction
アイスブレイク、ICT,インブロなど新たな学習方法を修得しながら、生涯学習の基礎的方法としての読書をめぐる実践的知識を身につける。また、多様な読書の方法について、授業内で学んでいく。
授業では、いろいろなグループワークも課しますし、パソコンやスマホを学習のツールとして活用します。Youtubeを見たり、本を読んだり、映画を見たり、できるだけ、学ぶことが楽しい授業を目指します。

履修するにあたって
/Instruction to Students
履修にあたっては、ノートテイキングを基礎としながらも、いろいろな学習方法について考え、そうした学習法の中でもつ読書の重要性を学びます。みなさんが好きな漫画や活字本、ミステリー、SF、ファンタジーなど子どもから大人が楽しめる本を探してください。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
本講義では、生涯にわたる読書をテーマとしての講義を行うため、公共図書館や大学図書館に時間外に出かけて、自分が読みたい本だけではなく、普段、読むことにない領域の分類があるコーナーにも足を運び、いろいろな領域の本に接するように心がけることが期待されます。また、絵本や科学書、ドキュメンタリーなど、小説以外の本を借りてみることも、自分の読書経験を深めるためにも必要とされます。また、自分が読んだ本について、家族や友人と話し合ってみてください。さらに、本だけではなく、新聞を読んだり、ニュースを見たり、映画や音楽、漫画を楽しんだり、旅にでかけたりして、多くの経験を積むようにしてください。そうした多様な経験が、読書の楽しみ、深まりを招いてくれます。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
 (1)毎回、主題についてのミニッツレポートを作成。
(2)読書に関わるレポートを全体で1回提出してもらいます。
 講評は、ミニッツレポートとレポートで行います。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
1)毎回,授業でミニレポートの作成を行い(形成的評価)、15回目にまとめの総括レポート(総轄評価)を提出する。2)評価の配分は、ミニレポート60%、課題レポート20%、総括レポート20%とします。
テキスト
/Required Texts
立田慶裕編『読書教育の方法』学文社、2015
参考図書
/Reference Books
各回で指示する
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 オリエンテーション
読書教育の学習について
1)講義での学習法の説明、2)読書の意義を考えます、3)読書状況についてのアンケートを実施します。
2 第2回 発達に応じた読書 乳幼児から成人にいたるまでの発達に応じた読書教育について概観します。
読書が別の世界への秘密の扉となることを考えます。
テキスト 第1章 発達に応じた読書
3 第3回 読書教育の担い手 読書教育の担い手として、とりわけ、家庭の親、学校図書館を支える司書教諭、学校司書、学校図書館ボランティアの人々について、その役割を考えます。
テキスト 第2章 読書教育の担い手
4 第4回 学校図書館 小学校から高校にかけて、児童・生徒の読書教育を支えるのは学校図書館です。その現状と役割、課題を探ります。
5 第5回 乳幼児の読書 乳幼児段階で行われる多様な読書教育の方法を探ります。ブックスタートや読み聞かせに注目してください。
 テキスト 第6章 乳幼児の読書教育
6 第6回 小学校の読書 小学校低学年、中学年、高学年における各学年の読書の特性と読書教育の目標の設定
 テキスト  第9章 小学校の読書教育
7 第7回 中学・高校の読書と科学的思考力 中学校、高校では、学習センター、情報センターとしての学校図書館の役割が増えていきます。
 それぞれのセンターの特徴と科学的な思考を育てる読書教育を考えます。
 テキスト 第10章 中学校・高校の読書教育
8 第8回 大学図書館 日本の大学図書館だけではなく、世界の大学図書館も含めて、高等教育を学ぶ上で、大学図書館には、研究図書館、教育図書館としての役割があります。ラーニングコモンズ、コミュニティサービス、ネットワークサービスなど、専門的な図書館としての大学図書館がどのような社会的・教育的役割を果たし、現在どのような課題を抱えているかについて考えます。
9 第9回 多様な読書法1 読む本の種類や分野を変えてみたり、書店や図書館をさまよったりすることも読書法の一つです。調べる学習や、気分にまかせた選書、作家やシリーズなどの系列的な読書など、いろいろな読書法を紹介していきます。
10 第10回 多様な読書法2 速読法やスローリーディングも読書の形態です。どのような視点で、どのようなスタイルで本を読むかによって、読書の楽しみは変化します。多様な読書法として、この講義では、読書を深めていく方法を考えて行きます。
11 第11回 電子書籍 スマホやパソコン、kindleなど、電子媒体を用いた読書の世界が拡がりつつあります。電子書籍がどのように変化してきたか、人々はどの程度電子書籍を利用しているのか、電子書籍を利用した読書のメリットは何か、などを考えていきます。
12 第12回 オープン教育リソース 電子書籍やwebの中には、無料で本や画像を見ることができるサービスが始まっています。本を買うのではなくて、いかに安く本を読むことができるかを考えてみましょう。
13 第13回 ユニバーサル・デザインと読書 テクノロジーの進歩は、障害をもつ人々にも多様な読書機会を提供しつつあります。障害者のための読書環境整備の法律を踏まえながら、現在どのような読書環境が整備されつつあるかを展望します。
14 第14回 世界の図書館 世界の図書館をめぐりながら、今後の図書館の未来戦略を探ります。台湾、シンガポール、イギリスなどの公共図書館、大学図書館の図書館サービスや学習スキルを展望します。
15 第15回 生涯にわたる読書 本講義では、読書力の向上を目標として、多様な読書法について考えてきました。最後に、生涯にわたる読書の意義について説明します、読書力には、多様な生きる力が含まれています。
読書法は、学習法の一つの方法です。本を読むことから、知識の習得、探究や活用を通じて、さらに多くのことを学び、自分の学習のマネジメントを考えて、さらに効率的で楽しく、ムリのない学習法について考えていきましょう。

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