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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
地域学講義ⅡA/地域学講義Ⅳ(社会貢献とボランティア)/Regional Studies ⅡA
授業コード
/Class Code
A004252501
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
共通教育科目/
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
木4(前期)/THU4(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
相川 康子/AIKAWA YASUKO
科目区分
/Course Group
【共通教育科目】 〈リベラルアーツ領域〉/*** GENERAL EDUCATION COURSE *** 〈LIBERAL ARTS〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
相川 康子/AIKAWA YASUKO 共通教育センター
授業の方法
/Class Format
対面の講義形式で行います。ただし、新型コロナウィルス感染防止の対応でオンライン(ZOOM)になる可能性もあります。資料配布やテスト、レポート回収などは基本的にMoodleで行います。
授業の目的
/Class Purpose
 本講義は、共通教育科目「リベラルアーツ科目群・地域学分野」の1つで、受講生が阪神・淡路大震災の経験からボランタリーな活動が盛んな神戸のまちへの理解を深めるとともに、「地域課題を解決する市民活動(社会貢献やボランティア)の可能性」について自ら考察し、将来的に実践できるようになるのが目的です。全学ディプロマ・ポリシーの「共通教育等を通じて、広い教養を身につけ、豊かな人間性や社会性を涵養している」に該当しています。
 戦後50年の節目(1995年)に起きた阪神・淡路大震災は、従来の考え方や経済社会システムを大きく揺らがせ、被災した神戸の人たちは、現在全国各地で起きている社会問題を先取りするかたちで、様々な課題に直面しました。行政も被災して公助の機能が低下する中、期待を集めたのが市民による救援活動や企業の社会貢献活動です。それらが評価されて、特定非営利活動促進法(通称NPO法)制定や公益法人改革といった制度改革につながり、企業の社会貢献活動(CSR)も盛んになりました。
 市民活動の領域は、少子化・高齢化が進み、行財政が厳しくなる中で今後も拡大していきます。コロナ禍によって、困窮者が増え、同調圧力が高まるといった傾向も気がかりですが、それでも、本講義を通じて、社会貢献やボランタリーな活動が「一部の篤志家が行う自己犠牲」ではなく「誰もができる自己実現」だと気づくことができれば、共通教育センターが到達目標として掲げる「生涯にわたって自発的に学び続けていくことができる」や「高い倫理観・責任感を以て社会に貢献することができる」が達成されるでしょう。
 講師は、地元紙の神戸新聞社や東日本大震災の復興庁での勤務経験があり、現在はシンクタンク系NPOの役員を務める「実務経験のある教員」です。現在も神戸市で地域活動推進委員会や行財政改革懇談会の委員、兵庫県まちづくり審議会委員、大阪市市民活動推進事業運営会議委員、滋賀県や大阪市の地方防災会議委員を務め、民間助成基金の選定委員も務めていることから、実際の施策や現場に基づく講義ができます。
到 達 目 標
/Class Objectives
〇阪神・淡路大震災のあった1995年が、なぜ「ボランティア元年」を呼ばれているのかを理解し、それを知らない人に説明することができる
〇ボランタリーな活動に対するイメージを広げ、行政・企業・市民それぞれのセクターの役割と、その役割バランスが今度、どのように変化していくかについて自ら考えられるようになる
〇震災復興のさまざまな側面と、それを担った先人たちの意志や努力を学び、失敗例も含めて、自らの糧にすることができる
〇日常的にボランティアや社会貢献活動、まちづくりに関心を持ち、今後、どこかで災害が起きた際に効果的な直接支援や間接支援ができる
授業のキーワード
/Keywords
社会貢献 ボランタリー活動、阪神・淡路大震災、新しい公共領域、参画と協働
授業の進め方
/Method of Instruction
初回オリエンテーションの後は、基礎編、ボランティア・市民活動の歴史編、展開編、総括編と、段階的に学びを深めます。講義が中心ですが、ワークシートやミニレポートで、学生が主体的に学べるよう工夫します。また、関連する行政資料や新聞記事、統計資料などにアクセスし、読み説いていきます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
〇ボランティアや社会貢献活動について、歴史から学ぶと当時に、現在の状況(例えばコロナ対応でどのような活動が展開されているか/各地の自然災害でどのようなボランティア活動が展開されているか等)にも思いを馳せてください。
〇神戸のまちや市民活動に関心を持ち、新聞やテレビで、神戸関連のニュースをチェックする習慣をつけてください。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
〇基本編とボランティア・市民活動の歴史編では、公民や近現代史の基礎知識、地域コミュニティにかんする理解が必要なので、受講前に小中高で学んだ公民や現代社会の知識を思い出しておくこと。歴史編では年表に基づく予習・復習に各回30分程度、これまで近現代史を学んでこなかった人はその倍程度の時間の予習が必要です。
〇展開編以降では、阪神・淡路大震災にかんするドキュメンタリーを視聴したり、手記や記録集などをできるだけたくさん読んだりしてください。レポートに必要な資料のある施設等を訪れ、本や資料を検索するのに2~3日かかるでしょう。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
〇対面講義ではほぼ毎回、コメント欄付きの出欠カードを出してもらいます。書かれた意見や質問については次回にフィードバックします。
〇基礎編修了後に、各セクターの役割分担の今後を考えるミニレポートを提出してもらいます。
〇歴史編終了時に理解度を問うテストを実施します。終了後に模範解答を配布するので各自、復習してください。
〇展開編を学ぶ間に、震災関連資料がある施設を訪れ、興味のある課題について調べた中間レポートを提出してもらいます。(新型コロナ感染防止による外出自粛要請や施設の開設状況によって別の課題に振り替える可能性があります)。個別のフィードバックは行いませんが、講義の中で傾向を解説し、補足します。
〇期末に震災の教訓を活かすために自分たちにできることの事業案を作ってもらいます。


成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
到達目標と成績評価を連動させます
〇基礎編修了時に「行政・企業・市民それぞれのセクターの役割と、それが今度、どのように変化していくかについて自ら考えられるようになる」ことを確認するミニレポートを課します(15%)
〇歴史編修了時に、市民活動の歴史の理解度と「なぜ1995年がボランティア元年と呼ばれているのか」を問うテストを行います(20%)
〇展開編で「震災復興のさまざまな側面と、それを担った先人たちの意志や努力を学び、失敗例も含めて、自らの糧にすることができる」ようにするため施設を見学し課題を自ら設定したレポートを課します(40%)
〇期末に「震災の教訓を伝える」ための事業アイディアをまとめてもらいます(10%)
○「日常的にボランティアや社会貢献活動に関心を持つ」ために毎回のコメントの内容や受講態度を評価します(15%)
 かっこ内の割合を目途として総合的に評価します。
テキスト
/Required Texts
指定しません。
参考図書
/Reference Books
〇兵庫県/阪神・淡路大震災復興フォローアップ委員会監修『伝える 阪神・淡路大震災の教訓』ぎょうせい(2009)
〇塩崎賢明・西川栄一・出口俊一編、兵庫県震災復興研究センター『大震災100の教訓』かもがわ出版(2002)
〇土岐憲三、河田恵昭、林春男監修 メモリアル・コンファレンス・イン神戸編『12歳からの被災者学 阪神・淡路大震災に学ぶ78の知恵』NHK[出版(2005)
〇コミュニティ・サポートセンター神戸編『希望につながるコミュニティ CS神戸の20年』神戸新聞総合出版センター(2016)
〇宮垣元 著『その後のボランティア元年 NPO・25年の検証』晃洋書房(2020)
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 イントロダクション 講義の狙いやスケジュールを説明した後、地域学の対象地域である「神戸」の特性について概要を解説する。
2 第2回 基礎編①多様な主体と役割分担 社会の構成要素である行政セクター、企業セクター、市民セクターについて、それぞれの特徴を理解し、役割分担の変化を考察する。
3 第3回 基礎編②マクロな課題に気づく 人口減少や少子化・高齢化や家族・地域社会の変貌、格差の拡大など、今の日本社会が直面している諸課題について、統計データを見ながら理解する。その中で、自助・互助・共助・公助について考える。
4 第4回 基礎編③ミクロな課題に気づく
前回学んだ社会全体の(マクロな)課題を、自身や身近な地域社会というミクロな単位で考えてみる。また従来、地域の互助活動を支えてきた地縁団体などが、現在どういう状況にあるかを考察する。
5 第5回 ボランティア・市民活動の歴史編①近代ボランティアの誕生と発展 互助と博愛の違いを理解し、明治以降から太平洋戦争あたりまでの市民活動の歴史を概観する。
6 第6回 ボランティア・市民活動の歴史編②経済・社会情勢の変化とともに 終戦から高度経済成長期を経て1990年代半ばまでのボランティア・市民活動の歴史を、経済・社会情勢の変化とからめながら概観する。どのような時代に、どんな社会課題や救援ニーズが生じ、それにどのような人たちが、どんな活動で応えようとしてきたかに注目する。
7 第7回 ボランティア・市民活動の歴史編③阪神・淡路大震災のインパクト 阪神・淡路大震災の概要をあらわになった課題を整理し、1995年が「ボランティア元年」と呼ばれた理由を確認する。
8 第8回 ボランティア・市民活動の歴史編④市民社会の模索 震災を契機にできた特定非営利活動促進法(NPO法)などの様々な仕組みや法制度に触れつつ、現在に至るまでのボランティア・市民活動の歩みを概観する。
9 第9回 中間まとめとミニテスト 前半は基礎編と歴史編で学んだことを復習と補足を行い、後半で理解度を問うミニテストを実施する。
10 第10回 展開編①神戸のまちと被災の歴史 神戸は阪神・淡路大震災だけでなく、阪神大水害や太平洋戦争時の空襲とその後のGHQによる占領など、自然災害や戦災に見舞われてきた。当時の状況や復旧・復興のまちづくりについて学ぶ。
11 第11回 展開編②阪神・淡路大震災で芽生えた多様な市民活動 コミュニティFMやコミュニティサポート、外国人支援、専門家や組織によるボランティア活動など、阪神・淡路大震災を契機に生まれ定着したボランタリー活動を概観する。
12 第12回 展開編③
阪神・淡路大震災で生まれた市民社会の仕組み
生活再建支援法制定運動を紹介するとともに、被災者復興支援会議のような第三者機関、復興基金、参画と協働施策など震災を契機にすすんだ官民連携の仕組みを概観する。

13 第13回 展開編④KOBEから各地の被災地へ 阪神・淡路では救援ボランティアの在り方についても、様々な気づきや模索があり、災害救援を専門とする団体のネットワーク化も進んだ。中越大震災や東日本大震災、西日本豪雨など全国さらに世界各地の被災地で、どのような支援が行われているかを解説する。 
14 第14回 総括編①復興を支えた人たちと神戸の将来像 災害からの復興を支えたキーパーソン数人を取り上げ、彼らの姿勢から復興の在り方や新しい市民社会の理念を探る。また、現在の神戸が、どのような課題を抱え、どのように持続可能なまちを目指しているかを考察する。
15 第15回 総括編②自分たちにできることを考える 阪神・淡路大震災を直接知らない世代が、経験を継承し、教訓をいかすために、どんな工夫が要るか、一人ひとりは何ができるかを考える。

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