法学部パンフレット
12/16

11法 学 部 准 教 授森 達 也著書『 思 想 の 政 治 学 』4年間の大学生活を終えた後も、法学や政治学を学びたい学生には大学院への進学がおすすめです。さあ、法学や政治学の大海原へ。学問の旅はまだまだ続いていきます。学 生 は 法 科 大 学 院 に 進 学 し 、司法試験合格を目指します。政治学というのは一般にはあまり馴染みのない学問かもしれません。しかしながら私たちが国内外のニュースに接するとき、それらの多くは何らかの意味で政治にかかわるものであり、したがって、そこには常に政治を論じる人々が集います。テレビ等に出演することがありますが、この方々はたいていの場合、国際政治か、あるいは地域研究と呼ばれる分野の専門家です。かれらは国際情勢や特定地域の過去と現状に関する知識を蓄え、それらに基づいて当該問題の将来に関する展望を示す役割を果たします。政治学はこうした分野を含む、政治のさまざまな側面を研究する学問分野です。メンバーが平和的に共存するためのさまざまなルールであり、法学は、そのルールが何であり、どのようなルールがよい社会を実現するのかといったことを考える学問です。その背後には当然、人々が集団を形成して生活する社会というものがあります。社会には色々な人間がおり、ときに互いの意見が異なり、対立し、互いに争い、さらには傷つけあうことすらあります。こうした社会集団の内部に(あるいは諸集団の間に)生じる対立や紛争をとらえ、その解決の手段としての政治制度や、制度が生み出す政策などを考察するのが政治学の役割です。政治に関する「考え」を取り扱う学問分野です。世の中には人の数だけ「考え」があり、またそれらを体系化したさまざまな主義主張があります。皆が平等に暮らせる社会にしたい、伝統文化を守りたい、自由な生活を送りたい、等々。社会や政治のあり方に関するそうした考えや主義主張のことを、一般にイデオロギーと呼びます。法科大学院裁判官や検察官、弁護士志望の筆したいと考える学生は、大学院法学研究科に進学します。法学研究科は2年間の修士課程と3年間の博士後期課程に分かれています。大学院法学研究科法学や政治学の一分野をさらに深め、論文を執私は現在、リベラリズム(liberalism, 自由主義)と呼ばれるイデオロギーを中心に研究をしています。リベラリズムは近代ヨーロッパ社会で育まれた考えで、互いに異なる信条を抱く人々が平和裏に共存するための原理や社会制度の構築を目的としています。リベラリズムには「自由」という語が含まれています。リベラリズムは個人の自由を尊重し、政府がそれを保障することを求めます。しかしながら、この自由とは何かと問えばその答えは一つではありません。何者にも縛られないことが「自由」だと考えるのが自然である反面、抑制のない生活は欲望の「奴隷」を生み出すという考えにも一理あります。自分の考えを自由に公表することが重要である一方で、無制約な言論が他者への「危害」となりうることを危惧する人々もいます。リベラリズムも一枚岩ではなく、常に論争の中にあります。私は、20世紀を代表するリベラルであるアイザィア・バーリンの思想を手掛かりとして、リベラリズムの過去とその現在の姿を確認しながら、現代世界に生きる私たちが平和裏に共存できる自由な社会がどのようなものであるのかを、日々模索しています。B o o kmark ofS tudy研究の最近では特に、ウクライナ情勢やパレスティナ問題を論じる識者が政治学は法学と密接な結びつきがあります。法律は私たち社会の私は政治学の中でも特に政治理論を専門としています。政治理論は政 治 を 考 え る と は ?私 の 研 究 に つ い て希望に合わせて、政治学という営み法学や政治学をもっと学びたい!もっと深めたい!ふたつの航路を選択できる!そんな学 生のための学びの 航 路 も!栞

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る