2026大学院案内
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46 設置の趣旨1通知:薬学系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告、平成 21 年3月)であります。このような教育研究目的は、本学が既に設置していた大学院博士課程である食品薬品総合科学研究科の薬学領域のうち、臨床薬学関連分野が目指してきた「高度な研究能力を有する薬剤師の育成」に相当するものです。そこで本学は、現在の食品薬品総合科学研究科博士後期課程が担ってきた臨床薬学領域の教育研究を、6年制の薬学教育を基礎とした大学院博士課程が担うとの方針を決定しました。すなわち、既設の大学院食品薬品総合科学研究科博士後期課程を改組し、その薬学分野の医薬品の基礎研究や創製に関する教育研究領域は食品薬品総合科学研究科が継続して担い、臨床薬学分野での高度な研究能力を有する薬剤師の養成にかかる領域を、薬学部6年制課程を基礎として設置する大学院研究科博士課程(修業年限4年)が担うこととしました。(3)薬学研究科博士課程で養成したい人材2002 年(平成 14 年)8月に出された中央教育審議会答申「大学院における高度専門職業人の養成について」では、高度専門職業人養成に対する社会的要請に関して、『特定の職業の実務に就いたり、職業資格を取得する者の養成についてのみならず、既に職業に就いている者や資格を取得している者が、更に高度の専門的知識や実務能力を修得できる継続教育、再教育の機会の提供に対するものも含め、様々な分野で高まってきている。我が国におけるこうした高度専門職業人養成に対する課題と期待に適切に応えていくためには、特定の職業等に従事するうえで必要となる高度の専門的知識の修得や能力の育成等の実践的な教育を充実させることが極めて重要である。』としています。このことは、薬学系高度専門職業人の養成においても、既に職業人として薬剤師実務に従事する者への教育機会を大学院として提供することが、薬学の社会的責任において大切であるとの指摘であります。このような観点に立って、本研究科は次のような人材養成を目指します。①薬学領域の高度な知識・技能・研究能力を深め、薬物治療における臨床的課題を正しく理解し、その改善・解決のための臨床薬学的研究を行う能力を持った高度な専門職業人の養成。②国内外の医薬品開発における基礎から臨床応用への先進的研究動向を正しく理解し、それを研究実践の中に取り入れることによって先端的な研究方法論を修得し、それを基礎として優れた医薬品の臨床開発や評価に役立てることができる研究者の養成。③国際的視野に立った高度の薬学研究の実践能力を身につけることによって、大学等の教育機関において教育・研究を担うことができる人材の養成。薬学研究科の 特 長(1)学部及び大学院の沿革と目的神戸学院大学薬学部は、1972 年(昭和 47 年)4月に薬学科(入学定員 60 名)と生物薬学科(入学定員 60 名)の2学科をもって開設されました。薬学科は「医薬品の管理者として医師に協力し得る薬剤師」、また、生物薬学科は「医薬品の開発並びに生物学的試験及び公衆衛生の各分野で活躍できる薬学技術者」の養成を教育の目標としました。そして 1976 年(昭和 51 年)には、薬学部を基礎とする大学院薬学研究科修士課程薬学専攻を開設し、医薬品の研究開発に当たる人材の育成、あるいは優れた臨床薬剤師の育成を進め、多くの修士修了生を製薬企業・病院・薬局そして地方自治体に送り出してきました。その後、医薬分業化やチーム医療の拡大から、社会の期待する薬剤師職能が大きく変化するに伴い、医療により近い臨床薬学研究や、高度の薬剤師職能を臨床の場で活かすことを希望する大学院進学希望者が増加しました。このような期待に応えるため、本学は 2004 年(平成 16 年)4月に、それまで1専攻であった薬学研究科の中に、医療薬学専攻を開設するに至りました。これとは別に、大学院薬学研究科は 1979 年(昭和54 年)、既に本学に開設されていた大学院栄養学研究科と協力して、博士課程のみの食品薬品総合科学研究科を開設しました。食品薬品総合科学研究科は、大学院設置基準第4条5に基づいて設置した後期3年課程のみの博士課程です。食品薬品総合科学研究科は、薬学あるいは栄養学、もしくは関連する分野の大学院研究科修士課程を修了した者を、更にこれら専門分野あるいは学際領域において高度の研究能力を発揮する高度職業人へと育てることを教育研究の目的として設置されたものです。実際に 2009 年度(平成 21 年度)まで、本学の薬学研究科修士課程修了者及び他大学出身者を合わせて、32 名に博士(薬学)の学位を授与してきました。(2)食品薬品総合科学研究科博士後期課程の改組と薬学研究科博士課程の開設について2006 年度(平成 18 年度)からの新薬学教育制度において、本学薬学部は創設来の基本理念“医療のニーズに応えうる問題解決能力を持った優れた薬剤師の養成”に基づき、6年制課程のみの薬学部として新たにスタートしました。これにより、大学院薬学研究科修士課程は 2010年度(平成 22 年度)より学生募集を停止しました。6年制の薬学部を基礎とする大学院博士課程の目指すところは、「医療の現場における臨床的な課題を対象とする研究領域を中心とした高度な専門性や優れた研究能力を有する薬剤師等の養成に重点をおいた臨床薬学・医療薬学に関する教育研究を行うことを主たる目的とする。」(文部科学省Kobe Gakuin University Graduate School

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