31 研究科の組織2総合リハビリテーション学研究科には、医療リハビリテーション学専攻と社会リハビリテーション学専攻の2専攻を置きます。(1)医療リハビリテーション学専攻医療リハビリテーション学専攻の修士課程リハビリテーション科学領域には、基礎生体機能・病態解析学分野、脳・精神・神経機能解析学分野、身体機能・運動解析学分野及び生活・環境支援学分野を置きます。基礎生体機能・病態解析学分野では、身体の構造と機能を形態学的・生理学的に解析し、病気・障害の病因解析・発生機序及び経過の究明にあたります。この分野は、理学療法学・作業療法学の基礎になり、臨床経験より生じた疑問点等の解決に役立つ研究を行います。脳・精神・神経機能解析学分野ではひとの行為を脳・精神・神経機能ならびにこれらの関連性をふまえて解析・研究し、病気や障害のある人々のリハビリテーションや、ヘルスプロモーションに寄与する知見を発信することを目指します。この分野は、医学、理学療法学、作業療法学などを含む学際的なメンバーによって構成されています。身体機能・運動解析学分野では脳や精神、神経機能の不調・不全から生じる運動機能や身体機能の障害に対する治療技術の開発・研究を行います。生活・環境支援学分野では、機能や構造、活動や参加に対し、実際の生活場面や人的環境、物的環境に介入することで機能や構造の制限を軽減し、活動や参加を活性化させる総合的な援助方法を開発・研究していきます。また、高齢者ケアを有効に行うための技術やシステムづくりに関する研究を行います。博士後期課程リハビリテーション科学領域では、基礎生体機能・病態解析学分野、精神・身体機能・運動解析学分野及び生活・環境支援学分野を置きます。基礎生体機能・病態解析学分野では、身体の構造と機能を形態学的・生理学的に解析し、病気・外傷・障害の病因解析・発生機序及び経過を究明します。精神・身体機能・運動解析学分野では、脳卒中、整形外科疾患、神経筋疾患、精神神経障害、認知症及び小児疾患などさまざまな病気・外傷・障害の治療・回復・支援に関する医療技術の開発ならびに教育・指導方法を研究します。さらに生体工学的アプローチを駆使した臨床に直結する研究も行っていきます。生活・環境支援学分野では、機能や構造、活動や参加に対し、実際の生活場面や人的環境、物的環境に介入することで機能や構造の制限を軽減し、活動や参加を活性化させる総合的な援助方法を開発・研究していきます。博士後期課程では研究成果をアカデミズムの領域を超えて施策に反映する方法についても検討します。カリキュラムは、共通科目及び専門科目から構成されます。共通科目では、リハビリテーション科学における広範な知識と関係職種の理解と連携及びリハビリテーションスタッフに必要とされる研究マインド、修士課程において修得した分析能力、問題解決能力、研究能力のさらなる高度化をめざします。専門科目では、独創的な研究論文をまとめあげるための先行文献研究、研究のアイデア、論理、思考、成果分析等の能力を高め、また学際領域の研究法、専門領域教育者養成の基盤となる医療教育学関連の科目を学修し、修士論文または博士論文を作成するよう指導します。さらに、博士後期課程の修了により、多様な研究・教育機関の中核を担う研究者や、大学・大学院での教育・研究を推進する人材の育成を目指します。(2)社会リハビリテーション学専攻社会リハビリテーション学専攻においては、総合福祉実践学と題した領域・分野の中に、人と社会を見据える広く深い学識を備え、専攻分野における研究、または高度な専門性を必要とする職業を担うための知識や技能を身につけることを目的とした、多様な科目を配置しています。カリキュラムは、共通科目と専門科目からなります。共通科目は、医療リハビリテーション学専攻と同様の内容となります。専門科目では、社会全体を対象とした社会福祉のありかたを学ぶ社会リハビリテーション学、社会福祉実践の倫理・価値、知識、技術を学ぶソーシャルワーク論、社会福祉調査を実施するための知識と技術を身につける社会福祉調査研究を必修科目としています。また、多様な分野における新しい知見を得られるように専門科目を配置しています。専門科目は、法制度、福祉サービス供給システム、障害・高齢・医療・児童・生活困窮などの分野における支援技術や知識、地域生活とコミュニティ問題、公衆衛生の取り組みなどの専門科目を配置し、幅広く学ぶことができる内容となっています。Kobe Gakuin University Graduate School
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