2026大学院案内
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22 本学の心理学の教育・研究に関わる学部および大学院の沿革1 心理専門職を養成するための心理学研究科の必要性2 高度専門職業人である公認心理師養成のための本学のカリキュラムの特色3達論領域を人間心理学科へと発展的に改組転換学専攻(修士課程)開設2018 年[平成 30 年] 心理学部心理学科開設2019 年[平成 31 年] 大学院心理学研究科開設(修士課の養成に類似した教育課程として定められたものということができます。その上で、公認心理師は、医療機関その他の各分野のさまざまな組織において、多職種と連携しながら活動する心理学の「高度専門職業人」であることが期待されていると考えることができます。本学心理学研究科修士課程では、このような期待に応えられる公認心理師養成を行うための体制を整えています。更に、このような現場の公認心理師を指導し、さまざまな職種との連携を円滑に進めていくといった、公認心理師の中で特に指導的な役割を担うためには、現場での実践経験だけでは十分とはいえません。「生物—心理—社会モデル」に代表される行動の生物学的基盤・心理的基盤・社会的基盤をバランス良く見通した科学者としての研究能力の涵養が必須です。心理学研究科では博士後期課程を置き、公認心理師の中で指導的な人材を養成するため、科学者として模索する研究能力を併せ持った実践家を育むという「科学者—実践家モデル」に沿った人材育成を行います。修士課程のカリキュラムは、学部段階の学修により獲得されたものを含む心理学の知識や理論と修了後に必要な心理専門職としての実践的技能を相互に関連づけて、各分野の現場において問題解決への方法を見出せる心理専門職としての力を獲得させるためのものとなっています。1)専門基礎科目専門基礎科目は、心理学研究法と心理学演習の科目です。研究法の学修は、修士論文の作成に留まらず、心理程および博士後期課程)心理学研究科の 特 長2004 年[平成 16 年] 人文学部の人間行動学科行動発2008 年[平成 20 年] 大学院人間文化学研究科に心理本学は、平成 16 年に開設した人文学部人間心理学科において、発達心理学、臨床心理学、医療心理学、社会心理学の 4 領域を持つ多様な分野の心理学を総合的に学ぶ学部教育体制を構築しました。そして大学院においては、このような学部教育を学んだ内容を更に高度に発展させたい志望者のために平成 20 年に人間文化学研究科心理学専攻修士課程を開設し、心理専門職の資格である臨床心理士その他の有資格者を多数、輩出してきました。この修士課程を修了した者が更に博士後期課程に進学する場合は、人間文化学研究科人間行動論専攻博士後期課程において心理学の博士水準の研究を行うことができる体制を整備し、これまで心理学を主たる研究分野とする博士を輩出してきました。平成 30 年、公認心理師養成を始めるにあたり、大学院の大幅な改組を実施しました。この時、従来の臨床心理学系(臨床心理士等の心理専門職の資格を取得するためのコース)と心理学系の区分をなくし、心理学研究科の教職員スタッフ全体で公認心理師の養成を行う体制を整えました。これは、教職員スタッフのリソースを最大限に活用するための効果的な教育体制を整備するとともに、公認心理師という国家資格が生まれた経緯と理念に沿いたいと考えたからです。公認心理師という資格は、臨床心理士の関係者に加えて、学術的心理学の関係者と医学・医療の関係者が加わることで実現したものです。したがって、その養成においては、基礎的・学術的心理学、臨床実践の心理学、医学・医療等の学修、制度や法に関わる学修が統合的な教育として提供されることが必要であると考えられます。公認心理師は、心理学に関する総合的かつ専門的な事実上 6 年間(学部 4 年間および大学院修士課程 2 年間)の教育、研究体制においてその養成が求められる心理学の高度な専門資格です。これは複雑多様化した現代社会の人々の「心の健康」問題に関わる専門家には、より高度な知識と技能の修得が求められるためであり、欧米の心理専門職心理学研究科心理学専攻は、修士課程において心理専門職の国家資格である公認心理師を養成するための教育を行い、博士後期課程においてはその指導的な人材を育成することを目的としています。〈修士課程:公認心理師の養成〉心理学研究科修士課程の科目は、「専門基礎科目」と「公認心理師必須科目」に大きく分かれます。そして「公認心理師必須科目」は、「講義科目」と「実習科目」に分かれます。Kobe Gakuin University Graduate School

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