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大学院総合リハビリテーション学研究科の畑山麗衣さんが参院厚生労働委員会で意見を述べました

2022/06/08

参議院厚生労働委員会で意見陳述した畑山さん
参議院厚生労働委員会で意見陳述した畑山さん

参議院の第17回厚生労働委員会で6月2日、児童福祉法などの一部を改正する法律案についての審議があり、大学院総合リハビリテーション学研究科社会リハビリテーション学専攻修士課程の畑山麗衣さんが参考人として意見陳述しました。

さまざまな理由で生みの親と暮らすことができない子どもたちを公的な責任で保護・養育する仕組みを「社会的養護」と言います。18歳まで「社会的養護」のケアを受けた経験者「ケアリーバー」としての経験からも当事者の声を伝えました。法案は8日、参院本会議で可決され、成立しました。

畑山さんは日米の「社会的養護」のケアを経験した人たちが交流し、制度を学び、自分たちの声が政策に生かされるよう活動するNPO法人「インターナショナル・フォスターケア・アライアンス(IFCA)」のユースレプレゼンタティブ、「ケアリーバー」の若者たちをサポートするNPO法人「Giving Tree」の相談員として活動しています。

改正児童福祉法などでは、児童相談所が虐待を受けた子どもなどを保護者から引き離す「一時保護」の際に、親の同意がない場合には裁判所が必要性を判断する「司法審査」を導入します。また、子育て世帯に対する包括的な相談・支援にあたる体制強化のため、市区町村に「こども家庭センター」を設置する努力義務を課しています。

畑山さんは、「ケアリーバー」の若者たちの所在を元の施設や里親が3割しかつかんでいない実態調査の結果に着目し、当事者が置かれている過酷な状況を伝え、支援の不十分さを訴えました。「社会的養護を離れて、やっと自由になれたという訳ではなく、経済的・精神的課題、保証人の問題など、家族などからのサポートが得られないなか、1人で解決しなければならない。自分が望んで社会的養護での生活を望んだわけではないのに、ケアを離れてもなお、なんでこんなにしんどいのかと思うことがたくさんある」と、当事者の叫びを代弁しました。

今回の改正について「一定の評価はできる」としたうえで、子どもの意見を聞く「アドボケイト」(代弁者)の制度は都道府県の努力義務にとどまっている点は不十分だと述べました。さらに、入所一時保護決定のような重要な場面で、当事者である子どもの意見の表明を保障することも必要だと主張しました。

参議院での審議の模様はこちらのサイトから視聴できます。
日付、委員会名などで検索します。畑山さんは45分後に陳述します。