§合成設計論

☆北川 徳治郎

〓主題と目標〓

 薬物の開発の初期段階において次の重要な2の過程がある。第一は合成、発酵、培養、抽出、バイオテクノロジーなどの技術でprototype(原型)としての構造を持つ化合物(Lead化合物)を創製する過程と、第二は先に創製されたLead化合物の系統的な修飾により活性の優れた関連化合物に導く過程(最適化)である。本講義ではLead化合物の創製から最適化までの過程を具体例を示しながら概説する。

 

〓授業計画〓

第1回 医薬品の性質

 医薬品の持つ3つの特性、主作用、副作用、毒性

第2回 医薬品の開発創製手順および医薬品の化学構造と反応性による認識

 探索研究、スクリーニング、前臨床試験、臨床試験、厚生省への申請・審査・市販許可、主作用団と助作用団、構造特異作用と構造非特異作用

第3回 薬効因子

 酵素による可逆拮抗、受容体における可逆拮抗モデル、非可逆拮抗の例

第4回 薬物と薬物受容体の相互作用

 van der Walls力、水素結合、疎水性相互作用、静電的相互作用、金属キレーション、立体化学的因子

第5回 化学療法剤 その1

 ピリドンカルボン酸系抗菌剤の合成と構造活性相関

 膨大な費用をかけて開発された抗生物質は、常に、耐性菌の出現という問題をかかえている。これに対し、ピリドンカルボン酸系化合物は合成抗菌剤として、抗生物質にひけをとらない重要な位置を占めている。

第6回 化学療法剤 その2

 サルファ剤の副作用が、他の薬物開発のヒントになった例として、血糖降下剤アリールスルホニル尿素系化合物、利尿薬のアリールスルホニル系化合物がある。

第7回 制ガン剤

 制ガン剤の種類とその作用機構

 制ガン剤の合成

第8回 ヒスタミンと抗ヒスタミン その1

 従来医薬品の開発は比較的効力の強い物質を合成化学の技術によって化学構造をかえてより効力の強い物質を作っていくという手法が中心で、言い換えれば、偶然と経験による開発であった。これに対し、J.W.Blackは理論的かつ合理的手法を用いて医薬品の開発を行った。

第9回 ヒスタミンと抗ヒスタミン その2

 ブリマミド、メチアミドからシメチジンへの研究開発の経過

第10回 循環器作用薬

 1降圧薬、2冠拡張薬


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