§応用薬理
☆ 仮家
公夫〓主題と目標〓
従来の「応用薬理学」や「臨床薬理学」の内容は、現在では「薬理学」や「薬物治療学」の範疇に入るものであり、むしろ現在では「創薬薬理学」に近いニュアンスを含むと考えられる。1995年以降日本の新薬開発は、研究開発の実験過程にロボットが導入され、その発想や方法が大きく変革してきている。
また医療品は非臨床試験で有効性と安全性を検討され、ヒトに外挿されるものであり、それらを念頭に研究開発されるものである。本講では、最近臨床に適用され始めた医薬品を取り上げ、その開発の背景を解説しながら薬効・薬理作用機構と臨床応用などを概説する。
〓授業計画〓
第1回 製薬企業の国際化と医薬品開発の国際的ハーモナイゼイション(ICH)
企業の国際的な合併化の促進などにより世界各国どこにおいても共通の科学的レベルで語られる必要がでてきた。ここでは、医薬品の有効性や安全性評価の統一化についてまず解説する。
第2回 呼吸器系疾患に適用される医薬品
新しい喘息治療法の出現とともに、かって脳機能改善薬として用いられていた薬物の誘導体が適用されるようになった。病態の解明過程と創薬について述べる。
第3回 非ステロイド性抗炎症薬とアラキドン酸代謝系
炎症過程におけるシクロオキシゲナーゼの生化学的性格が、明らかにされ発炎に関与するサブタイプに特異的な基質が、副作用の少ない医薬品になってきた。
第4回 消化器系疾患に適用される医薬品
消化器機能にセロトニン5HT4受容体の生理学的意義と新しい胃腸機能改善薬(亢進)を紹介する。
第5回 免疫系疾患に適用される医薬品
AIDSの治療は、タンパク分解酵素阻害薬の出現などでここ数年の間に大きく進歩した。
特にタンパク分解酵素阻害薬とAIDSウィルスの増殖過程について解説する。
第6回 精神機能発現機構とセロトニン
セロトニンは古くからヒトの情動に関与していることが示唆されていたが、十分に解明されていなかった。しかしセロトニン受容体のサブタイプが明確になるとともに明らかになった。ここでは精神活動に関連する医薬品を紹介する。
第7回 抗悪性腫瘍薬
細胞の生活サイクルが徐々に明らかになっていく中で、その過程を分子・遺伝子レベルで説明できるようになり、それらに関連する医薬品も出現してきたので、その中から講義時点でもっとも新しい医薬品を紹介する。
第8回 製薬企業における開発状況
実際の研究・開発に携わっている研究者の話を聞く機会を今年も設定したい。