§薬理学T

☆岡本 博

〓主題と目標〓

 薬理学とは、“薬と生体との相互作用の結果起こる現象の科学”であり、より端的には‘薬が生体に働く時の生体の反応の科学’である。よって、薬理学を学ぶには、薬と生体の両方を十分に知っていなければならない。病気が生体の調節機構の異常によって起こるならば、薬はそれを正常に戻すように働くのであり、この薬の働きを理解しなければ、薬剤師が医療現場で薬を正しく使うことは出来ない。このように薬理学を良く学ぶためには、生理学、生化学、機能形態学の知識の上に、更に病気の知識が必要である。1、2年生で学習した機能形態学、生化学、生理学を基礎に、薬理学Tでは以下の内容を理解する。特に、自律神経系に作用する薬物の項目は薬理学全般の基礎であり重要である。

 

〓授業計画〓

第1回 薬理作用に関する基本的言葉とその意味

 用量反応曲線、興奮作用、抑制作用、直接作用、間接作用、局所作用、全身作用、速効性、遅効性、一過性、持続性、選択性、非選択性、主作用、副作用、特異性、非特異性

第2回 薬の作用点としての自律神経系

 生体の恒常性維持に深く関与する自律神経系の働きを復習し、活動電位とは何か、神経伝達とは何か、そしてアセチルコリンとノルエピネフリンの役割を受容体レベルまで学ぶ。

第3回 自律神経系の情報伝達・受容体と細胞内情報伝達

 アセチルコリンとノルエピネフリンの生合成と運命、アセチルコリン受容体とノルエピネフリン受容体の特性、そして受容体以降の細胞内情報伝達系を学ぶ。

第4回 副交感神経興奮薬

 副交感神経を直接あるいは間接的に刺激する薬物と、それらの薬理作用・副作用を学ぶ。

第5回 副交感神経遮断薬

 アトロピンを代表とする副交感神経遮断薬の分類・特徴・薬理作用、副作用を学ぶ。

第6回 交感神経興奮薬

 交感神経を直接あるいは間接的に刺激する薬物と、それらの薬理作用・副作用を学ぶ。

第7回 交感神経遮断薬(その1)

 交感神経を受容体レベル、あるいはそれ以外の機構により遮断する薬物の分類・特徴・薬理作用・副作用を学ぶ。

第8回 交感神経遮断薬(その2)

 交感神経を受容体レベル、あるいはそれ以外の機構により遮断する薬物の分類・特徴・薬理作用・副作用を学ぶ。

第9回 自律神経節遮断薬

 自律神経節の機能、自律神経支配のバランス、ヘキサメトニウム、トリメタファン、ニコチン。

第10回 末梢性骨格筋弛緩薬

 運動神経と骨格筋、神経筋接合部、終板電位、競合型筋弛緩薬、脱分極型筋弛緩薬、ダントロレン。

第11回 局所麻酔薬

 痛覚伝導路、神経活動電位と局所麻酔薬の作用機序、局所麻酔の適用法、局所麻酔薬の分類・特徴・薬理作用・副作用を学ぶ。

第12回 オータコイドと拮抗薬

 オータコイドとは何か、ヒスタミンと抗ヒスタミン薬、セロトニンと抗セロトニン薬

第13回 オータコイドと拮抗薬

 エイコサノイドと拮抗薬、キニン、一酸化窒素。


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