§物理化学U

☆山岡 由美子

〓主題と目標〓

 1年次の物理化学Tに引き続き、化学の基本概念の育成および物理化学的な思考法の習熟を目的とする。

 内容は、今後薬剤学を学んでいく上で必要不可欠である反応速度論と熱力学および機器分析学の理解に必要な分子スペクトルの基本概念を中心としている。特に反応速度論は、病院において患者の血中濃度から投与量の適否を考えたり、製剤のバイオアベイラビリティを検定したりするときに用いる薬物体内動態学の基本となるので、ぜひ完全にマスタ一しておいてほしい。

 

〓授業計画〓

第1回 化学反応の速度・反応の次数

 化学反応の速度が反応物あるいは生成物の濃度変化で表されることを示し、その変化を表す微分方程式の書き方と反応次数の定義について述べる。

第2回 一次反応・二次反応・零次反応

 一次反応・二次反応・零次反応の微分方程式の変数分離法による解法を示し、それぞれの反応の特徴をまとめる。

第3回 逐次反応・並行反応・可逆反応

 複合的な反応の微分方程式を作り、そのラプラス変換法による解法を示す。また、これらの反応の特徴やその具体例を示す。

第4回 速度定数の温度依存性・pH依存性

 反応速度に影響を与える因子を示し、特に温度の影響を表すアレニウス式や水素イオンや水酸イオンの影響について詳しく説明する。

第5回 温度・熱・仕事・内部エネルギー

 熱力学の基本概念である熱や仕事の概念について説明する。

第6回 熱力学第一法則とヘスの法則

 化学におけるエネルギー保存則について述べ、エンタルピーを定義し、標準生成エンタルピーの元目方について説明する。

第7回 比熱と反応熱の温度変化

 モル熱容量(比熱)を定義し、それらを用いて標準温度以外の温度における反応に伴うエンタルピー変化の計算法について説明する。

第8回 熱力学第二法則

 化学における第二法則の表し方について述べ、具体的にエントロピー変化を求めてみる。また、エントロピーが乱雑さとしても表されることを示す。

第9回 自由エネルギーと平衡定数

 反応の進む方向が自由エネルギーによって示されること、また、反応の平衡定数が標準自由エネルギーの関数であることを説明する。

第10回 平衡定数の温度変化

 標準温度以外の温度における平衡定数がファントホッフの式で求められることを示す。

第11回 原子の構造とエネルギー準位

 原子スペクトルを説明するためにはエネルギーの量子化という概念が必要であり、これはシュレディンガーの波動方程式を解くことによって求められることを示す。

第12回 分子軌道法の考え方

 分子の電子状態を表すために分子軌道というものを考えるが、具体的にはどのようなものであるか、また、それらを用いるとどんな事が分かるのかについて説明する。

第13回 分子のエネルギー準位とスペクトル

 分子軌道を求めると得られるエネルギー順位とスペクトルの関係について説明する。


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