神戸学院大学

社会連携

土曜公開講座が開催され、心理学部の小久保教授が講義を行いました

2018/07/03

心理学部開設記念第75回神戸学院大学土曜公開講座が6月23日に有瀬キャンパスで開催され、276人の方が受講されました。春期最終回となる今回は、心理学部の小久保香江教授が「認知症について学ぼう」と題し、認知症と正常の老化の違い、アルツハイマー病の症状、認知症患者さんとのかかわり方などについて講義を行いました。

講義ではまず認知症とは、病気の名前ではなく、臨床的状態を表す言葉であり、認知症を引き起こす病気は多くあると説明。そして病状により症状・治療・介護は異なり、まずは認知症を引き起こしている病気を理解することが大切と述べられ、認知症を引き起こす病気として日本人に多い、アルツハイマー病を例に挙げながら説明されました。

アルツハイマー病は、日付・時間が分からないなどの認知機能障害、徘徊・妄想などの精神症状、さらに本人の自覚がないという症状で、それらは介護の大きな負担となります。     

小久保教授は、「何度も同じことを尋ねる人には、当人は初めて聞いている状態と同じなので、内容はいつも同じで構わないので、繰り返し対応する」など、実際の症例を挙げながら、あくまで医療現場としての(身近な家族の場合は、これまでの関わり方も関係し、対応が難しい場合が多い)、当人との関わり方を具体的に紹介されました。

そしてその人を良く観察して、何を必要としているのか、できること・できないことを見極めてサポートすることが重要であり、昔流行った遊びや歌について話をしたり、本人が得意なこと(料理や編み物など)について若い世代に教えることも、本人が自信を取り戻し、安心して過ごすことに繋がると紹介されました。混同されがちな認知症と正常の老化の違いも、チェックリストを使いながら、会場で確認を行いました。

小久保教授は、「認知症を予防しながら、健やかに暮らすためには「知的活動」「規則正しい食事」「運動、血圧のコントロール」等が必要。心と体を大切に、楽しく過ごして、サクセスフル・エイジング(幸福な老い)を迎えましょう」と講義を締め括られました。

受講者からは、「身近なテーマを分かりやすく講義してもらえてよかった。すぐに実践できる学びが多かった」「知的活動を積極的に心掛けて、予防していきたい」という声が寄せられ、難しいテーマではありましたが、終始和やかな雰囲気で講演は終了しました。

秋期の神戸学院大学土曜公開講座は、10月を予定しています。