神戸学院大学

社会連携

土曜公開講座を開催しました

2017/10/24

神戸学院大学土曜公開講座を21日、ポートアイランドキャンパスで開催し、台風接近による雨の中、98人の方が受講しました。

2回目となる今回は、人文学部の山本恭子准教授が「気持ちを伝える:コミュニケーションの心理学」と題し、表情、視線といった言葉によらない行動から、他者の気持ちを読み取るヒントについて、クイズなども交えて講義しました。

コミュニケーション行動は、言語的行動と非言語的行動の2種類に大別でき、表情や視線、しぐさ、声の大きさや抑揚などコミュニケーションの際に生じる非言語的行動の中でも、特に表情や視線など感情状態が表れる顔は、その人の本当の感情を読み取る手がかりとなり、コミュニケーションにおいて特に重要な役割を果たします。感情には、世界中のどの文化や人種においても共通の6つの基本感情(喜び、悲しみ、怒り、恐怖、嫌悪、驚き)があり、ある状況においてどのような感情を示すか否かという表示規則は文化により異なるとのことで、日米の差を調べた研究では、アメリカ人は人前でネガティブ感情をストレートに表すのに対し、日本人はネガティブな感情状態にあっても笑顔で振る舞うことが明らかとなっており、人前でネガティブな感情を見せるべきでないという規則の表れであると解説しました。

また、親しい関係では快・不快の感情に関わらず笑顔が促進されるという実験例をもとに、コミュニケーションをとる相手との関係性によって感情表出の仕方が異なることや、親しい人とのコミュニケーションでは表情、姿勢、動作などが模倣されやすいという「同調傾向」は、相手の感情の理解、共感性の伝達、ポジティブな対人印象につながると話しました。

受講者からは、「福祉の現場で働いているので、利用者の表情の読み取る勉強になりました」、「山本先生の話しを参考に、妻と上手くコミュニケーションをとっていきたいです」などの感想が寄せられました。

次回は10月28日、人文学部 上田学准教授による「映画館文化の変遷」です。無声映画時代の日本を中心に、欧米やアジアの映画館にも触れつつ、映画館文化の歴史的な変遷について講義します。皆さまのご参加をお待ちしております。