神戸学院大学

寄贈図書のお知らせ

2010/06/10

図書紹介

書名:子づれシングル - 一人親家族の自立と社会的支援
著者:神原 文子 人文学部教授
発行所:明石書店
発行年月日:2010年5月25日(268ページ)

ひとり親家族の親たちを「子づれシングル」と呼ぼう。今、日本には、男女合わせて150万人以上もの子づれシングルがいると推定される。生活の行き詰まりや夫の暴力から逃れるために離婚して子づれシングルとなった女性とその子どもたちの多くは、家計不安や元夫から身を隠す必要など、離婚後も生活困難な状況にある。なぜなのだろうか。なぜ、生活困難を解決できないのだろうか。解決のカギは、近年の結婚のあり方、妻と夫との不平等な関係、離婚の真相、不十分な福祉施策にある。筆者の神原は、30年近くかけてそれらを明らかにした。ひとり親家族を支援する人びとが子づれシングルの直面する困難の根深さを理解し、有効な支援策を考えていくうえで、本書を役立てていただければうれしい。

第1部 結婚のリスクと夫妻関係のリスク

第1章 女性にとっての結婚の意味とは
第2章 現代における夫妻関係の特徴-生成と解体
第3章 家族と暴力-ドメスティック・バイオレンス生成過程とコントロール
第4章夫のもとから家出した妻たち

第2部 ひとり親家族の現状と課題

第5章 ひとり親家族になるということ
第6章 ドメスティック・ヴァイオレンスから離婚した母と子の今
第7章 母子家族の現状と社会的排除
第8章 ひとり親家族の自立支援と女性の雇用問題
第9章 “要支援”母子家族の自立条件-ある母子寮在寮家族の生活システム分析
第10章 ひとり親家族と子どもたち