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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/16 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
食品学総論/Principles of Food Science
授業コード
/Class Code
B100142001
ナンバリングコード
/Numbering Code
NMTa001/NSDd001
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
栄養学部/Nutrition
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
月2(前期)/MON2(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
石井 剛志/ISHII TAKESHI
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
石井 剛志/ISHII TAKESHI 栄養学部/Nutrition
授業の方法
/Class Format
【対面授業(講義・演習)】
授業の目的
/Class Purpose
本科目は、栄養学部のDPに示す栄養学・保健衛生学の学問領域において的確に判断するための素養を身につけることを目指す。
授業では、以下に示す「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)」を基に、食品の成分について化学、物理学、生物学、栄養学および食文化学的視点から関連法令を含め総合的に学ぶ。

◎管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)大項目
 1.人と食べ物
 3.食品の機能
 5.食品の表示と規格基準 

本項目は、「食事・食べ物の基本」および「食べ物と健康の関連の理解」を学修するものであり、① 食事の理解、② 食品の主要な成分・特性・機能、③ 食品の機能性、④ 特別用途食品・保健機能食品・いわゆる健康食品の4つのテーマから構成され、さらに、授業計画に記す中項目と小項目に細分される。
本項目の学修により、食品に含まれるさまざまな成分の性質、所在、機能などを理解し、栄養と栄養素等のはたらきの知識と併せることで、摂取した食事の質と量の評価や摂取する食事の計画の理解につながる。また、食品の一次・二次・三次機能を理解することで、ライフステージ別の栄養管理や疾病と栄養管理の実践を行う際に必要とされる基礎知識となる。さらに、特別用途食品・保健機能食品の制度やいわゆる健康食品について学び、それらの違いを理解することでライフステージ別の栄養管理や疾病と栄養管理の実践を行う際に必要とされる基礎知識となる。
到 達 目 標
/Class Objectives
・ 我が国の食文化の成り立ちおよび食生活が健康や食嗜好に与える影響を説明できる。
・ 食生活が環境問題や食料生産に与える影響(食循環・フードシステム)を説明できる
・ 食品中のアミノ酸・ペプチド・たんぱく質の種類、性質、所在、機能を説明できる
・ 食品の一次・二次・三次機能の定義を説明できる
・ 食品中の炭水化物(単糖・少糖・多糖・食物繊維)の種類、性質、所在、機能を説明できる
・ 食品中の脂質の種類、性質、所在、機能を説明できる
・ 食品中のミネラル(無機質)やビタミンの種類、性質、所在、機能を説明できる
・ 食品中の水の状態(結合水・自由水)と物性や貯蔵性との関連を説明できる
・ 食品中の色素成分、呈味成分、香気成分の種類、性質、所在、化学変化を説明できる
・ 食品のテクスチャーの形成に関わる物性や構造因子について説明できる
・ 食品表示法の基礎を理解し期限・成分品質の表示基準を説明できる
・ 特別用途食品について表示の規格を含め説明できる
・ 特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品について表示の規格を含め説明できる
・ いわゆる健康食品とその表示の適切性について説明できる
授業のキーワード
/Keywords
食文化、食生活、食環境、食品機能、食品成分、食品表示、特別用途食品、保健機能食品
授業の進め方
/Method of Instruction
スライドやテキスト(レジュメ・配布資料を含む)を使用し、「講義」を中心に進める。
講義の区切りごとに、内容を整理・理解するための「演習」を適宜実施する。 
履修するにあたって
/Instruction to Students
本講義では、食品の性質や機能について、食品成分の構造や化学反応を基に説明することが多い。履修者(特に化学が苦手な者)は、高等学校の「化学基礎」の内容と「化学(物質の状態・有機化合物)」の内容について随時復習しておくこと。中間試験・定期試験ともに、成績不振による「再試験」は原則行わないので、一度の試験で合格できるようよく勉強しておくこと(体調不良等による「追試験」は正式な手続きを経て実施する)。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
覚えるべき用語や理論が全講義科目の中でも特に多いので、授業前のテキストを用いる予習(30分程度)と授業後のレジュメを用いる復習(60分程度)を毎週しっかりと行なうこと。レジュメを用いる復習では、講義の内容を整理して自身でノートなどにまとめ、国家試験対策と関連付けて学修すると効率が良い。本科目の中間試験や定期試験では、高校までの定期試験のように一夜漬けや直前短期集中での対応は困難であり、「化学が苦手」「難しい」を言い訳に日々の勉強を怠ったものは、殆ど得点が取れずに再履修となる者も少なくない。範囲が広いため「時間がない」ことを言い訳にするものもいるが、その多くは試験直前に知識を詰め込もうとしたことに起因する。食品成分の名称や性質は、1年次後期の「生物有機化学」や1年次後期の「食品学各論」の理解にも必要な基礎知識であり、国家試験にも頻出である。暗記・忘却を繰り返すその場限りの知識ではなく、永続的に使える知識として身につくまで学習することが、進級・卒業に加え、管理栄養士国家試験の合格に向けて重要である。繰り返しになるが、国家試験に向けて覚えるべき知識は極めて多く、一夜漬けや直前短期集中で挑む(何とかなる)内容ではない点を理解して学修すること。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
講義内容の理解度を調査する小テストや課題(国家試験過去問など)を適宜実施する。各結果は通知し、成績不良者には別途、追・再課題を課す場合がある。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
記述式の筆記試験を実施し、中間試験と定期試験の結果から到達目標の達成度を総合的に評価する。配点は中間試験(40%)定期試験(60%)として100点満点に換算し、60点以上を合格とする。出席点(加点)は設けておらず、特に出席が3分の2未満の場合は評価の対象とせず不合格とする。やむを得ない事情により中間試験を実施できない場合には、提出期限厳守のレポート課題を設定し、配点はレポート課題(20%)定期試験(80%)とする。
テキスト
/Required Texts
・カレント 『食べ物と健康Ⅰ: 食品の科学と機能』、建帛社
・Visual栄養学テキスト『食べ物と健康Ⅰ 食品学総論(食品の成分と機能)』、中山書店
 (この教科書は1年次後期開講科目である生物有機化学でも使用)
参考図書
/Reference Books
『生命科学・食品学・栄養学を学ぶための有機化学基礎の基礎』、立屋敷哲著、丸善、2,970円
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 ◎ガイドライン中項目 ◎ガイドライン小項目
2 第1回 食文化と生活 【a. 食文化とその歴史的変遷 b. 食生活の時代的変化 c. 食物連鎖 d食嗜好の形成】
  ・食文化や食生活の変遷と食循環について理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
3 第2回 食料と環境問題 【a. フードマイレージの低減 b. 食料生産と食料自給率 c. 地産地消
 d. 食べ残し・食品廃棄の低減】
  ・食生活が食料生産や環境に与える影響とフードシステムの現状を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
4 第3回 食品の一次機能(1) 【f. 水】
  ・食品中の水の状態(結合・自由水)と物性・貯蔵性との関連を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
5 第4回 食品の一次機能(2) 【a. たんぱく質】
  ・アミノ酸・ペプチド・たんぱく質の種類、性質、所在、機能を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
6 第5回 食品の一次機能(3) 【b. 炭水化物(糖質、食物繊維)】
  ・単糖・少糖・多糖・食物繊維の種類、性質、所在、機能を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
7 第6回 食品の一次機能(4) 【c. 脂質】
  ・脂質(主に油脂と脂肪酸)の種類、性質、所在、機能を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕 
8 第7回 食品の一次機能(5) 【d. ビタミン e. ミネラル(無機質)】
  ・ビタミンおよびミネラルの種類、性質、所在、機能を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
9 第8回 食品の二次機能(1) 【a. 色素成分】
  ・色素成分の種類、性質、所在、化学変化を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
10 第9回 食品の二次機能(2) 【b. 呈味成分 c. 香気・におい成分】
  ・呈味成分および香気・におい成分の種類、性質、所在、化学変化を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
11 第10回 食品の二次機能(3) 【d. テクスチャー】
  ・テクスチャーの形成に関わる食品の物性や構造を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:レジュメの整理・国家試験確認〕
12 第11回 食品の三次機能 【a. 消化管内で作用する機能 b. 消化管吸収後の標的組織での生理機能調節 c. 保健機能食品の成分と機能 】
  ・保健機能食品の関与成分とその機能性の発現機構について理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:配布資料の整理・国家試験確認〕
13 第12回 食品表示制度 【a. 食品表示法 b. その他の法律(特に健康増進法との関連)】
  ・食品表示法の基礎と健康増進法との関連について理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:配布資料の整理・国家試験確認〕
14 第13回 食品の表示方法 【a. 栄養表示;栄養成分表示、栄養強調表示 b. 食品安全確保の表示; 保存方法、遺伝子組換え食品、アレルゲン c. 品質表示; 原料・原産地表示、原材料名、賞味・消費期限】
  ・食品の栄養・安全確保・品質に関する表示について理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:配布資料の整理・国家試験確認〕
15 第14回 健康や栄養に関する表示の制度 【a. 特別用途食品 b. 特定保健用食品 c. 栄養機能食品 d. 機能性表示食品】
  ・特別用途食品と保健機能食品の概要と表示の規格を理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:配布資料の整理・国家試験確認〕
16 第15回 健康や栄養に関する表示の制度 【e. 栄養成分表示 f. いわゆる健康食品の表示 g. 虚偽・誇大広告等の禁止】
  ・ 栄養成分や機能性成分の適切な表示と不当な表示について理解する
〔予習:テキスト該当部分の通読 復習:配布資料の整理・国家試験確認〕

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